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【わたしの学びの集大成】文学部日本文学科 4年(2021年3月卒業)Y.A.さん

卒業論文を完成させるまで

<はじめに>
本学の学びの特色である少人数教育。学生は教員や学友たちと向き合い、議論や考察を重ねながら自分の研究テーマを見つけます。そしてゼミの授業を通して調査や文献探索の精度を高め、さらには表現の手法を磨き、論文やレポートをまとめることを4年間繰り返します。
4年生全員に必修となる卒業論文・卒業実験・卒業制作は、自身が取り組んできた学びの集大成です。

では具体的に「卒業論文を書く」とはどのようなことでしょうか。大学1年次ではまだまだ遠い未来のこと、そして途方もなく大きな挑戦に思え不安を感じる学生もいるかもしれません。
ここでは、卒業論文を提出した4年生の体験を一つご紹介します。
少人数教育
卒業論文

卒業論文 テーマを決める、ゼミ・研究室を決める

卒業論文は大正時代の女性作家である田村俊子が執筆した『女作者』について論じました。
もともと当時の女性作家の書く文章に男性作家にはない、独特の魅力を感じていたことと、大学2年次に履修した近代文学演習で田村俊子について学んだことから、彼女の感覚的な文体に心惹かれ、卒業論文として学びをさらに深めたいと考え、このテーマを選びました。
ゼミ決めは、2年次の1月に行いました。自分の書きたいテーマを日本文学科に提出し、専門分野の近い先生のゼミに振り分ける仕組みになっています。3年次の2月には4年生の卒論発表会を見学し、卒業論文に対する自分の意識を高める良い機会になりました。

提出までの長い道のり

3年次の4月からゼミが始まりました。前期は4年生の卒業論文の発表を聞き、興味を持ったことについて授業内で質問することが主な内容でした。後期は3年生の卒業論文の発表を行いました。先生やゼミ生からの質問やアドバイスは自分では思いつかなかったようなものが多く、それらを考える事で自分の理解も深まり、3年次の比較的早い時期から卒業論文の方向性が定まり、書き進めることができたと感じています。
4年次はコロナウイルスの影響で残念ながら対面授業が叶わず、リモートで授業を受けました。
コロナウイルスによる不透明な就職活動、かつ、緊急事態宣言下で友達にも会えない不安な毎日を送っていましたが、週に1度のゼミで4年生の卒業論文の進捗を聞くことで、自分は1人ではないと感じることができ、私にとってゼミの存在は卒業論文執筆だけでなく、就職活動をするモチベーションにもなっていました。
就職活動が落ち着いた夏ごろから本腰を入れて卒業論文に取り組みました。自分の執筆テーマにあう参考文献を求めて図書館に何度も足を運んだり、テキストに登場する「遊女」の時代背景を調べるために国立歴史民俗博物館を訪れたりと、様々な角度から作品を理解しようと試みました。

困った!こんなことあんなこと

3年次に決めた卒論のテーマを途中で変更したため、参考資料や文字数の面で周りより遅れをとってしまったことが反省点でした。また、コロナウイルスの影響でいつ図書館や博物館が閉館するか分からなかったので、行ける時に思い切って行くことを大切にしていました。
卒業論文に対する質問をレポート形式で毎回ゼミ生が提出するリモート形式のゼミだったので、対面よりも卒業論文に対する質問やアドバイスが鋭いものになり、より濃い卒業論文が執筆できたと思います。

卒論を書き上げて今思うこと

1年以上かけて同じものを様々な側面から研究するという経験は、これから先の人生においてもなかなか無いものだと思います。先生やゼミ生、様々な方に支えてもらいながら一つのことを深めたこの学びの時間は自分にとって大切な財産となりました。この経験を糧に様々なことにこれからも挑戦していきたいと思っています。