空への夢、世界への第一歩:ニュージーランドで航空業界を知る
2025.05.07

2024年度後期大学公認海外短期研修に、新しい研修が加わりました。ニュージーランドのオークランド大学で英語を学び、ニュージーランド航空(以下 Air NZ)の協力のもと航空業界について学べるプログラム「オークランド大学英語研修+航空業界セミナー withニュージーランド航空」です。これは英文学科全学生の希望者が対象で、初開催となる今回は2025年3月8日(土)〜29日(土)の22日間で行われました。
滞在期間の約3週間は、この3月に協定大学になったオークランド大学のELA(※)にて、日本女子大学の学生のみの英語クラスが編成され、1日4時間、週20時間の授業を受けました。講師の質の高さは参加学生からも高く評価され、またマオリ文化体験などの課外活動も大きな刺激となったようです。
さらに本研修の大きな特色として、3月21日にはAir NZ本社を訪問し、日本女子大学の学生のために特別に企画された航空業界セミナーを受講しました。
ニュージーランド航空での研修:Hangar22の見学
所在地も非公表で、Air NZの社員でも滅多に訪れることのできない開発の現場、Hangar22を見学。Air NZ本社のブランド&マーケティングチームが用意してくださったHangar22についてのビデオを視聴し、各キャビンについてのコンセプトやAir NZが大事にしていることなどを英語で説明いただきました。
その後、将来的に導入予定であるシートモックアップの見学では、実際に座って心地を確かめたり、3段ベッドのエコノミー「スカイネスト」に横になってみたりなどの体験をしました。学生たちは施設に同行したAir NZのキャビンクルー・マネージャーに積極的に質問をするなど、興味を持って見学をしました。


ニュージーランド航空での研修:本社の見学
社屋で働く社員の方が少ない日ではありましたが、長距離路線やデジタル、フライトプランニング、予約端末システムなどに関わる部署など、勤務しているチームをご紹介いただき、航空会社にはキャビンクルー以外にも、さまざまな仕事があることを知ることができました。
ニュージーランド航空での研修:キャビンクルー・マネージャーによるセッション
マオリのルーツを持つキャビンクルー・マネージャーのRegan Close氏が、Pepehaを披露してくださいました。Pepehaとは、ニュージーランドのマオリ文化で、自己紹介の際に用いられる伝統的な口頭詠唱です。Pepehaの意味や手順に加え、Air NZの航空機の尾翼に使われているマークが持つ2つの意味を説明してくださいました。
1.コルー(新しいことに挑戦)
2.マンゴパレ(力強い仲間、どこにいても我々は家族としてマンゴパレでつながっている)


現役キャビンクルーとの対談
クルーになった経緯や、クルーになってよかったこと、大変だったこと、日本人であることの強み、海外で働くにあたり今何をしておくべきか、英語の勉強方法や面接、クルーに向いている人や心構えなどのテーマで、キャビンクルー・マネジャーの高田あつこ氏および現役クルーの高野詩之氏を交えたパネルディスカッションが行われました。
質問コーナーでは、ライフスタイルについて、さまざまなお客様への対応、多国籍のメンバーと働くことについて何を大事にしているか、自分たち(乗客)には見せないところでどのような仕事があるのか、体験したことのあるトラブルと対処法など、学生たちからは対談を通じて湧き出るように質問が飛び交いました。
対談を終えた学生からは、「クルー希望ではないが、航空会社にさまざまな仕事があることを知った」「海外で働くクルーから話を聞けたのは貴重な体験だった」「自分らしくいられるニュージーランド航空の社風が良いと思った」「普段は入ることのできないHangar22の見学を通して、さまざまな人が関わっていることを知った」「今後飛行機に乗る時に、これまで気づかなかったところにも目がいくと思う」といった感想が聞かれました。

セッション後、高田あつこ氏が持参した制服(ブラウス、ワンピース、スカーフ、帽子)を身に着けて写真撮影大会に。集合写真も撮って非常に盛り上がり、無事にプログラム終了となりました。

参加した学生は、自身の好きなこと、興味のあることが明確なためか、躊躇せず積極的に質問をする姿がありました。普段はなかなか見ることのできない場所や実際の海外にある会社の社屋を訪れたことは、キャビンクルーに関わらず将来を想像する上で役立つ経験になったようです。現役クルーの話からは、外国で働くことの心構えや海外生活において日本語ができることの強みについても聞くなど、新たな発見もあったのではないでしょうか。
日本女子大学では、学生にとって新しい学びと体験のある研修をこれからも提供していきます。
(※)オークランド大学
1883年に設立されたオークランド大学は、世界のトップ100の大学の中にランクイン(QS世界大学ランキング2025)。世界では65位で、トップ100に入るニュージーランドにある唯一の大学である。ニュージーランドの経済と文化の中心地であるオークランドにキャンパスを構え、幅広い専門分野と大規模な研究所を擁し、4万6千人を超える学生へ国際色豊かな学びの場を提供している。