培った探究心と挑戦する力

2025.04.25

【卒業生インタビュー】株式会社ロッテ 是永 春奈さん(家政学部食物学科2017年卒)

こんにちは。JWU PR アンバサダーです。今回は武蔵浦和にある株式会社ロッテ中央研究所にて食物学科の卒業生である是永春奈(これながはるな)さんにインタビューを行いました。日本女子大学での学生時代、就職活動、現在の業務内容などについてたくさんお話を聞かせていただきました。

新しいことに挑戦した学生時代

中学からの10年間、日本女子大学で学びました。大学進学の際に自分がやりたい事と向き合った結果、生活の一部である「食」に関わる仕事をしたいと考えました。家族や友人などの身近な存在に影響を与えられる仕事に就きたいと考えて、食品関連企業で活躍できる食物学科食物学専攻への進学を決めました。大学の授業では、実験や実習をする機会が多く、思い出がたくさんあります。実験が好きだったので、自ら進んで文献を読んで実験内容についての知識を深めたり、積極的に先生に質問することを心掛けていました。探求心を持って実験や実習に取り組んだ経験は、現在の業務にも活かされていると感じます。
課外活動では、アカペラサークルで活動していました。高校時代は軽音楽部に所属しており、それまで楽器しかやってこなかった自分にとって、アカペラサークルはハードルが高いと感じましたが、歌だけで音楽を表現することに興味を抱いていたため、「思い立ったら行動しよう!」と所属を決意しました。サークルでの活動は、大変なこともありましたが、勇気を持ってチャレンジした経験が自分自身への自信へと繋がっています。

学生時代は飯田文子先生の研究室に所属し研究に励んだ
学生時代は飯田文子先生の研究室に所属し研究に励んだ

食を通じて人を「笑顔」にする仕事

現在、株式会社ロッテの中央研究所でパッケージの研究を行っています。私はアイス部門を担当しており、市販用商品からファミリーレストランのデザート用アイスをはじめとした業務用商品まで、幅広くパッケージの設計を行っています。近年では、サスティナビリティへの取り組みに力を入れており、環境に配慮したパッケージ設計が大きな研究テーマの一つです。環境に配慮した素材の検討やパッケージの紙の使用量を減らす方法、既存製品パッケージの見直しなどを、日々研究しています。自分のアイデアが商品として全国に届き、環境に貢献できるので、少しでも従来のものより改善や工夫ができないかと意識しながら取り組んでいます。
一昨年は、「レディボーデンパイント」の蓋の軽量化と輸送効率の改善の取り組みが評価され、「2023日本パッケージングコンテスト」で菓子包装部門賞をいただくことができました。
仕事のやりがいは、スーパーやコンビニエンスストアへ行ったら自分の手掛けた商品が実際に売られていることです。そして、数ある商品の中から自社の商品をお客さまが手に取ってレジに並んでいる姿を見るとやっぱり嬉しいですね。より良い商品をお客さまに届けようという、日々のモチベーションにも繋がっています。

現在はCADなどを用い包装設計を行う
現在はCADなどを用い包装設計を行う

考え挑戦し続ける「環境への配慮」

印象に残っているプロジェクトは、環境にやさしいアイススティック開発プロジェクトです。アイススティックの素材には、基本的に木やプラスチックを使用していますが、より環境に配慮した竹製のアイススティックの採用に挑戦しました。木製スティックに使われるシラカバは、成長するのに30年以上かかるのに比べ、竹は4年と、成長スピードが早いのが特徴です。また、竹の伐採が森林の荒廃(竹害問題)の解消にもつながり、竹は環境にやさしい素材として注目されています。開発をしていく中で、竹の表面の加工や匂いの問題など、改善すべき点が多くありました。そのため、竹材スティックの導入には着想から約2年の歳月を費やしました。スティックメーカーと協議を重ねるなど試行錯誤し、一般流通冷菓としては国内で初めて*使用される竹製アイススティックの開発に成功しました(*当社調べ)。嬉しいことに本プロジェクトも「2024日本パッケージコンテスト」で菓子包装部門賞を受賞することができました。

興味のあることに勇気をもって挑戦してほしい

日本女子大学での学生時代、関心があるものには積極的に挑戦してきました。前述したアカペラのサークルもそのうちの一つです。自分はなにに関心があるのかを自己分析し、関心のある事柄に積極的に行動することが重要だと思っています。そしてその経験が、就職活動や将来の自信へと繋がっていくはずです。
就職活動が始まると周りの友人との進捗状況を比べて、不安になってしまう学生さんも多いと思います。ですが、就職活動は自分自身の将来のために行動する期間であり、自分軸で考えることが大切です。また、辛いときには一人で抱え込まずに、周りと不安を共有することも重要だと思います。私もゼミ仲間に不安な気持ちを共有し、みんなで乗り越えた経験があります。その時は、身近な存在が心の支えになりました。もし、就職活動の中で不安に押し潰されそうな時には、一人で抱え込まずに、切磋琢磨し合える友人関係を大切にしてください。

プロフィール
是永 春奈 これなが はるな

中学から本学で学び、2017年3月に家政学部食物学科を卒業。同年4月より株式会社ロッテに研究職として入社。現在は武蔵浦和にある株式会社ロッテ中央研究所のパッケージ研究課に所属。

interviewを終えて

是永さんの新しいことに挑戦する姿勢や、普段聞けない貴重なお話も伺えて大変勉強になりました。また、商品のパッケージ開発について情熱をもってお話しされている様子から、是永さんは商品を受け取ったお客様が笑顔になること・ワクワクすることを大切にしていると感じ感銘を受けました。私も興味のあることに探求心をもって取り組み、勇気をもってさまざまなことに挑戦していきたいです。
(JWU PR アンバサダー/文学部 英文学科3年 森藤明海)

是永さんはつねに笑顔でインタビューに答えてくださっていましたが、環境への配慮に対して強い芯を持ち活動されていることが印象的でした。また大学時代からさまざまなことにチャレンジをし続けてきた経験が今に生かされ、さらにこれからも挑戦し続けるとおっしゃっていた是永さんのバイタリティに感銘を受けました。
私もチャレンジ精神を忘れずに日々の活動に取り組みたいと思います。
(JWU PR アンバサダー/文学部 英文学科3年 野村水輝)

※家政学部食物学科は、2025年4月から「食科学部」として新たにスタートします。これに伴い、「食物学科食物学専攻」を基にした「食科学科」と、「食物学科管理栄養士専攻」を基にした「栄養学科」が設置されます。