世界シンクロナイズドスケーティング選手権大会2025で9位に!

2025.06.26

【学生インタビュー】建築デザイン学部建築デザイン学科2年 箱崎聖怜さん

建築デザイン学部建築デザイン学科2年の箱崎聖怜(はこざきみれい)さんが所属するチーム「Jingu Ice Messengers」が、2025年4月4日~5日にフィンランドのヘルシンキで開催されたISU世界シンクロナイズドスケーティング選手権大会2025に出場し、シーズンベストの演技で9位の成績を収めました。今回は、シンクロナイズドスケーティングの魅力や初めて出場した世界選手権の様子について箱崎さんにお話を伺いました。

スケートリンクを16人で滑る
シンクロナイズドスケーティング

——まずは箱崎さんがシンクロナイズドスケーティングを始められたきっかけを教えてください。

8歳からフィギュアスケートのシングルスケーティング(以下、シングル)を行っていましたが、中学3年生のときにシンクロナイズドスケーティング(以下、シンクロ)に取り組むようになりました。子どもの頃から習っていた先生が「スケーティング(スケートリンクを滑る技術)」を重視しており、私もスケーティングが得意だったので、高いスケーティングの技術が求められるシンクロで活躍できるのではと思ったからです。
ただ、当時は新型コロナウイルス感染症の影響で団体種目の活動が難しく、一度はシンクロへの挑戦を断念し、高校時代はシングルに取り組んでいました。それでもシンクロに挑戦したいという思いは消えず大学入学を機にJingu Ice Messengersに加入し、シンクロに取り組んでいます。Jingu Ice Messengersは、今年の全日本選手権で16連覇を果たした強豪チームです。

——シンクロはどのような種目ですか?

シンクロは16人で滑る団体種目です。演技構成の中にシングルのようなスピンやジャンプはなく、16人で揃えるスケーティングの技術や表現力が重視されます。選手を持ち上げるリフトという技も見どころの1つです。大会ではシングル種目と同様にショートプログラムとフリープログラムの2回の演技の合計得点で順位を競います。16人の男女比は自由で、私たちのチームには男性が1名います。男性の方がリフトでよりダイナミックな技を繰り出せるので、彼は私達チームの武器でもあります。

—— そうすると、チーム構成は男女比率が5:5の方が良かったりするのですか?

そうかもしれませんが、そもそもフィギュアスケートは男性の競技人口が圧倒的に少ないため、世界の強豪チームでも男性メンバーは0~3人ほどです。
また、シンクロ自体の競技人口も少なく、アジアではほぼ日本チームのみという状況です。そのためか、フィギュアスケート人気が高まりつつあるインドネシアのスケートファンの方々も私達を熱心に応援してくれており、アジアを代表する気持ちで世界選手権に出場しました。

シンクロの聖地で感じた
世界選手権の熱狂

——他国からも応援されるというのは、嬉しいですね。今回、箱崎さんは初めての世界選手権出場とのことですが、いかがでしたか?

大会会場となったヘルシンキのスケートリンクが「シンクロの聖地」と言われており、客席はほぼ満席で、盛り上がり方も日本とはまったく違いました。ラッパを吹いたりと応援も独特で、ショートプログラムの際には私たちの曲に合わせて観客が手拍子をしてくれたのですが、その手拍子が早取りだったため、それにつられて振付が少しズレてしまいました……。そういった国際大会ならではの雰囲気にも今後慣れていきたいです。
これまで世界選手権での最高順位は10位だったようなのですが、今回はチームのシーズンベストの得点で9位に入ることができ、よい演技ができたと思っています。

——今後の目標はありますか?

シンクロがメジャーな国だと、シンクロからスケートを始める方も子どもも多いようですが、日本はほぼ全員がシングルから転向してシンクロに取り組んでいます。そういったハンディキャップもありますが、各自がシングルで培った技術をシンクロに生かせれば、それが日本チームの強みになり、世界の強豪チームとさらに肩を並べられるのではないかと思っています。
まだまだ、国内では認知度が高くない種目なので、私達が世界で活躍することで、シンクロ界を盛り上げていけたらと考えています。なかなかテレビでは放映される機会は少ないのですが、国別対抗選手権やNHK杯など、メジャーなフィギュアスケートの大会でもエキシビジョンとして演技させていただくことも多いです。16人が揃って滑る姿は圧倒的な迫力があるので、機会があればぜひシンクロの演技を見ていただきたいです。

——今後のご活躍も期待しています!最後に建築デザイン学部での学びについても少しお聞きしたいのですが、なぜ建築デザイン学部を選ばれたのでしょうか?

私は小学校から日本女子大学附属で学んでいます。大学生になったら、海外を広く見たいと考えており、進学先は建築デザイン学部と国際文化学部で悩んでいましたが、もともと建築物を見るのが好きだったので、建築デザイン学部を選びました。
今回の世界選手権の遠征でも、海外の街並みを建築学の視点で見ることができ、勉強になりました。将来は留学も考えており、海外の建築にも触れながらさらに学びを深めたいと考えています。学業とスケートとの両立は大変ですが、附属校でも大学でも、先生方が活動を理解し応援してくれ、柔軟に配慮をしてくださるので、日本女子大学生で良かったなと思っています。

◆ISU世界シンクロナイズドスケーティング選手権大会2025でのショートプログラムでの演技(YouTube)




◆ISU世界シンクロナイズドスケーティング選手権大会2025でのフリープログラムでの演技(YouTube)