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学生生活

わたしの学びの集大成~卒業論文を完成させるまで

家政学部家政経済学科4年(2020年3月卒業)S.A.さん

<はじめに>
本学の学びの特色である少人数教育。学生は教員や学友たちと向き合い、議論や考察を重ねながら自分の研究テーマを見つけます。そしてゼミの授業を通して調査や文献探索の精度を高め、さらには表現の手法を磨き、論文やレポートをまとめることを4年間繰り返します。
4年生全員に必修となる卒業論文・卒業実験・卒業制作は、自身が取り組んできた学びの集大成です。

では具体的に「卒業論文を書く」とはどのようなことでしょうか。大学1年次ではまだまだ遠い未来のこと、そして途方もなく大きな挑戦に思え不安を感じる学生もいるかもしれません。
ここでは、卒業論文を提出した4年生の体験を一つご紹介します。
少人数教育
卒業論文

卒業論文 テーマを決める、ゼミ・研究室を決める

私は、卒業論文のテーマに「日本の奨学金制度が抱える課題」を選びました。昨今、多くのメディアで奨学金問題が取り上げられるようになり、「なぜ奨学金を返還できない人が多いと言われているのか」疑問に感じたことと、私自身の親しい友人たちにも、奨学金を利用して大学に進学した人が複数おり、同世代や未来の学生が、奨学金とどう付き合っていけばよいのかを検討したいと考えたからです。
奨学金問題について低学年の頃から関心があったこともあり、このテーマの卒業論文を書くために、以前奨学金に関する記事を執筆していた先生のゼミに入ることに決めました。

家政経済学科では、2年次の12月に先輩方がゼミの紹介をしてくださるゼミ説明会が行われ、その後ゼミ決定会で希望のゼミを決めます。3年次の前期からゼミが始まり、私の所属していたゼミでは、3年次の後期から、各自の卒業論文執筆へ向けた下調べが始まりました。

提出までの長い道のり

初めは、とにかく関連する文献を集めて読むことから始まります。自分の執筆するテーマの本・雑誌・論文等を求め、国立国会図書館に足を運ぶこともありました。
4年次前期は就職活動が中心だったため、卒業論文にかける時間は、自然と少なくなってしまいます。しかし、ニュースを欠かさずチェックし、最新の情報を確認することは大切にしていました。
就職活動にかかる時間は個人差があるため、短期間で終了した人は、その時点から卒業論文執筆を中心とした生活に切り替えていくことができます。しかし私の場合、就職活動が夏休みをまたぎ、後期まで続けていたために、気持ちを上手く切り替えて両立することが大変でした。
論文を書くにあたっては、土台の構想の段階を、ぎりぎりまで時間をかけて、どのように順を追って課題について書き進めるのかを考え、何度も章や節を入れ替えたりもしました。
冬休み期間中も先生に個人指導をしていただき、それから提出までの半月間は、全力を注いで卒業論文と向き合いました。

困った!こんなことあんなこと

人生で初めて「論文を書く」という経験をし、ゴールの見えない不安感の中で、日々の積み重ねの大切さを改めて感じました。
初めは、設定されている基準の字数が気になってしまい、果てしなく達成困難な目標のように感じていましたが、書き進めるうちに自分の主張したい論が、はるかに多く存在することに気づきました。論の主張のために、適切なデータを探すこと、さまざまな角度から、それが本当に適切であるのか批判的に考えること、テーマについて知らない方が読んでも、内容を分かり易く理解してもらうためにはどのように書けばいいか考察を重ねることなど、後になればなるほどもっと工夫したかったことがあふれ、提出期限に間に合わせるために諦めた箇所もありました。

卒論を書き上げて今思うこと

「卒業論文を書く」こと自体は、初めての挑戦ですが、それには大学生活の中で得た学術的な知識のみならず、課外活動や就職活動を通じて身につける集中力・行動力・観察力・継続力といった力が必要とされます。苦労した分は、論文となって表れますし、社会人になっても、物事を乗り越えていく土台となるように感じました。