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決して焦らず、やりたいことを着実に目指して
文学部英文学科 卒業佐野仁美さん
学園ニュース VOL.242

梅雨入り直後の雨降る6月上旬、渋谷区の NHK 放送センターに卒業生の佐野仁美さんを訪ねました。取材の他にも、スタジオや同時通訳ブースなどを見学させていただき、局内のあふれる活気に触れるとても貴重な機会となりました。BS の朝の国際ニュース番組「キャッチ!世界の視点」でキャスターを務める佐野さん。本学在学中の経験が、「世界のできごとを発信する」という現在の職業につながったそうです。おおらかに、また堂々とご自身の経験や思いを語る姿に、夢や志を持つことの大切さを改めて実感しました。
夢への気持ちが固まった1年間
附属豊明小学校から日本女子大学で学んでいます。高校の体育祭では応援団長を務めました。大学3年生での米国留学では、国連関連NGOのインターンシップにも参加し、国際報道へと将来の気持ちが固まる機会になりました。海外を身近に感じたり、広い視野を持ったことが、今につながったと思います。
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生放送終了後のスタジオにて
常に視聴者の目線を心に留めて
ニュースを担当する週は、朝3時に起きます。出社後メイクや原稿の下読みをして、本番。放送後は翌日の打ち合わせを行います。休日でも国際感覚を保つためにニュースのチェックは欠かせません。また、日頃から言葉に対する意識を高めるようにしています。分かりやすく伝えるための言い回しや強調箇所を、見る人の立場から考えるようにしています。
その一瞬に自分ができるすべてを
最初は国際映像コーディネーターという、海外との中継や映像などを日本で放送するために回線をつなぐ仕事をしていました。昼夜問わず世界の各局と英語で電話交渉するハードなものでした。その後新潟放送局へ移り、ローカルニュース番組を担当。そして東京に戻り、やっと念願の国際ニュースを扱う番組の担当になりました。生放送は、一旦カメラが回れば一人です。その場でできる限りのことをやる、瞬発力の必要な仕事。うまくいけば充実感があるし、ダメなら反省して次に頑張ろうと思えます。毎回ハラハラしますが、やりがいがありますね。
焦らないで、着実に —後輩へ伝えたいこと
学生時代はやりたいことに情熱を持つことが大事だと思います。就職活動がうまくいかなくても、あきらめずそれに近い分野に飛び込めばやりたいことができたりします。わたし自身、帰国は4年生の夏で、周りは既に内定をもらっていて焦りました。でも焦っても意味はありません。やりたいことを着実に目指してください。いろいろな人と話して考え方を広げて、熱中できるものを見つけられれば、学生生活は充実すると思います。
プロフィール
佐野 仁美(さの ひとみ)さん
附属豊明小学校より本学に学び、2001(平成13)年3月文学部英文学科を卒業。大学3〜4年次に本学協定大学である米国メリーマウント・カレッジへ留学し、国際研究を専攻。国際問題の報道を志し、株式会社NHK情報ネットワーク(現在は株式会社グローバルメディアサービス)に入社。その後、NHK新潟放送局でキャスターや、NHK首都圏放送センターでディレクター兼リポーターを務め、2010(平成22)年9月より現在のBS1でキャスターを担当。2014(平成26)年4月より「キャッチ!世界の視点」(NHK BS1 7:00~7:50)のメインキャスターの一人として活躍中。
インタビューを終えて

●取材・文・学生記者
文学部英文学科3年 日浅 蘭