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わたしが取り組む遠隔授業

<はじめに>
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、多くの大学は前期をオンラインで授業を行いました。本学もオンライン授業(遠隔授業)を全面的に実施しました(後期授業も原則はオンライン授業)。
オンラインで行う授業は、単に話を聞く・課題を自習するだけではなく、自らが課題やリアルタイムの講義に向き合い、一人ひとり思考・体験・実践しながら主体的に学ぶ姿勢をつくりあげること、そして学生たちや教員との意見交換を通してともに成長していく、まさに創立者成瀬仁蔵が唱えた「自学自動」「自念自動」の教育の一つの形と言えるでしょう。
今回は、大学の広報活動に協力している学生記者(4年生)がどのように自宅で学修を進めているかをインタビューしました。
コロナ禍での卒業論文執筆
-4年生である勝山さんは、現在どのような授業を取っているのですか。(広報課:以下名称略)
オンライン授業というイレギュラーな状況下で卒業論文を書くこと、卒業論文のゼミ以外の単位は3年次で既に取り終わっていたことを考え、前期は卒論ゼミのみ履修しています。
-具体的に卒業論文のゼミとはどのようなことをしているのですか。
私の所属するゼミ(「西洋文化(フランス)」)では、Zoomを使っての同時双方向型遠隔授業を行っています。前期はそれぞれの外国語文献の講読をメインに卒業論文執筆の指導を受けています。
授業の前半は個人でその日の授業で扱う他のメンバーの文献に軽く目を通し、発音や意味のわからない単語を調べます。後半はZoomを使用して文献を読みます。先生からは細かい文法や意味の取れなかった文章、調べるべき周辺知識に関するアドバイスをもらいます。
あまり長い時間Zoomで授業を受けるのも集中力が切れてしまうので後半50分だけ、という形は効率的だと思います。
遠隔授業特別支援金を生かして
-大学から「遠隔授業特別支援金」の支給(6月)がありましたね。どのように使ったのですか。
緊急事態宣言が出されていた頃は大学の図書館を使用することができず、文献を集めることに苦労しました。必然的に機関リポジトリなどにあるインターネット上の文献を使用することになりましたが、パソコンからの閲覧は少し煩わしい面がありました。
そこで、大学からの「遠隔授業特別支援金」を利用し、タブレットを購入しました。パソコンとは異なりいちいち起動を待つ必要がないので、作業効率が格段に上がりました。ゼミで読む他のメンバーの文献は、事前にmanaba(本学で導入しているクラウド型教育支援サービス)上でPDFで共有しているのですが、そちらの予習でもタブレットを使用しています。
-パソコンとタブレットの双方の利点を生かしながら学修を進めているのですね。大学としては支援金を有効に生かしていただき、うれしく思います。
セルフマネジメント能力の向上
-ステイホームの中での遠隔授業、心のモチベーションや体のコンディションを保つことは大変ではないですか。
今までは大学や図書館では勉強、家では休む、といったように「場所」でメリハリをつけていたのですが、コロナ禍でその方法が使えなくなってしまいました。しかし、先生や友人のアドバイスを直接受けにくい状況下での卒業論文執筆は、特に一人でどれだけできるかが重要になるため、別の方法によるメリハリの付け方を模索しました。
まずはラジオ体操を勉強モードのスイッチにしようと思い、毎日机に向かう前に行いました。基本的なことかもしれませんが、ルーティーンを作ると勉強モードに入りやすいです。ほかにも、休憩を取りすぎないように意識するなど自制心を持って勉学に励む努力をしています。
また、友人とその日の進捗を報告し合うことで進捗状況の改善とモチベーションの維持に役立てています。
-ラジオ体操をスイッチにするとは誰にでもできることで、でもなかなか思いつかない良いアイディアですね。休憩を取りすぎないことも、簡単なようで意識がしづらいことですね。
結果的にオンライン授業という状況の中で社会に出る前にセルフマネジメント能力が向上したことは自分にとって非常にプラスになったと感じています。後期もオンライン授業という形にはなりますが、この状況下でも最大限の工夫をして卒業論文を書き上げたいと思います。
本学の遠隔授業について
・遠隔授業A:講義資料・課題提示による遠隔授業(manabaを利用)
・遠隔授業B:オンデマンド型遠隔授業(manabaを利用)
・遠隔授業C:同時双方向型遠隔授業(manabaとともにZoom又はMicrosoft Teamsを利用)
※manaba=本学で導入しているクラウド型教育支援サービス