日本女子大学×映画『風のマジム』夏期特別教室 潜入!

2025.10.08

【イベントレポート】JWU PR アンバサダーが伊藤沙莉さんと原田マハさんを直撃取材

2025年8月28日(木)、日本女子大学成瀬記念講堂にて、2027年に開設が構想されている「経済学部(仮称)」の前身である「家政経済学科」の学生を中心に、他学科を含む300名以上の学生を対象に夏期特別教室「風のマジム」映画試写会が開催されました。試写会後のトークショーでは、主演の伊藤沙莉さんと原作者の原田マハさんに登壇いただきました。今回は、その様子を私たちJWU PRアンバサダーの潜入レポートとしてお届けします。伊藤沙莉さんと原田マハさんに特別にお時間をいただき、インタビューもさせていただきました。

夢を追う女性が育つ日本女子大学だからこそ実現した企画

今回の企画は、夢を実現するために奮闘し、契約社員から社長へと成長していく女性を描いた本作のストーリーが、日本女子大学の教育理念と重なることから実現しました。本学は120年以上にわたり、女性が生涯を通じて社会で活躍するための素地を育んできた学び舎であり、私立女子大学の中では最も多くの女性社長を輩出している実績があります(※医歯薬系を除く)。そういった、現代社会を切り拓く自立した女性を育成してきた本学の取り組みを評価いただき、今回の試写会が実現しました。上映後には、伊藤沙莉さん、原田マハさんと「夢を追う女性の挑戦の在り方や課題」について活発な対話が繰り広げられました。

映画「風のマジム」実話をもとに描かれた夢への挑戦

契約社員として働いていた1人の女性が社内のベンチャーコンクールに挑戦し、やがて社長へと成長していく実話をもとにした物語です。伊藤沙莉さん演じる平凡な毎日を過ごしていた主人公・まじむは、夢を追いかける中で周囲の人を巻き込み、家族の支えを得ながら挑戦を重ね、夢を実現させます。本作は、主人公のまじむの成長を軸に、人々の真心や支え合いの大切さを描いた感動の物語です。

伊藤沙莉さん&原田マハさんが語る「夢を見つける瞬間」

映画上映後には、本学の教員と伊藤沙莉さん、原田マハさんによるトークショーが行われ、作品にちなんだテーマで対話が展開されました。
まず、映画の中で描かれていた「主人公が夢を見つける瞬間」について、お2人にそれぞれの夢について語っていただきました。伊藤沙莉さんは、9歳の時に初めて受けたオーディションを振り返りながら「好きなことを続けていたら自然と夢になっていた」と話され、「夢と好きの境目はグラデーションのようなもの」という表現がとても印象的でした。私はこれまで夢を持つことは特別なものだと考えていましたが、「夢」は「好き」の延長線上にあるという考えを知ることができました。一方、原田マハさんは「とくに夢はなかった」と語られましたが、幼い頃からアートや物語などの創作が好きで突き詰めるうちに自然と今の仕事にたどり着いたそうです。さらに、「60代になってから映画監督にも挑戦した」といったお話にはとても感心しました。そんな原田マハさんからの「夢を叶えるのに年齢や国籍、ジェンダーなどが壁になることはない」という学生たちへの力強いメッセージに胸が熱くなりました。
次に、「夢を持っていても壁にぶつかることはあるのか」というテーマに対して、伊藤沙莉さんは「あまり物事を壁だと思わないタイプで、失敗や辛い経験も自分の経験値を高められるものだと思っている」と話されました。その言葉を聞き、私は伊藤沙莉さんの前向きな姿勢に深い憧れを抱きました。私自身は、ほんの小さな失敗でもすぐに落ち込んでしまうタイプです。同じようなタイプの方も少なくないのではないでしょうか。だからこそ、「失敗は当たり前」という言葉は、多くの人を励ます力を持っていると感じます。さらに原田マハさんからは「挑戦以上に面白いことは無い、失敗こそが人を育てる」というお話があり、これまで私が挑戦をためらってきたさまざまな理由を吹き飛ばしてくれました。お2人のご自身の経験を踏まえ、学生に寄り添いながら、将来に多くの不安を抱える学生に向けての言葉が心に真っ直ぐ届きました。

「失敗が怖い…」学生のリアルな悩みに寄り添うエール

質疑応答の時間では、起業に興味はあるものの「失敗を恐れて行動に移せない」という学生からの質問に対して、挑戦する際の原動力やモチベーションの保ち方についてお話いただきました。原田マハさんは「よく周りの人から『仕事が大変でしょう』と言われるけれど、自分ではやりたいことをやっているだけなので大変だと思ったことはない」そして「自分の思い描いているものを実現するために取り組んでいるのだと思うと、辛いことや大変なことも自分の成長の栄養になる」と語ってくださり、前向きな姿勢に私も心を動かされました。
 一方、伊藤沙莉さんは「小さい頃からモチベーションの持ち方は変わっていない」と語り、その理由を「とにかく家族に褒められたいから」と笑顔で話されました。さらに「かっこよく生きようとは思っていないから、かっこ悪い自分になってもいいと思える」と率直に語ってくださいました。芸能の世界で小さい頃から活躍されている伊藤沙莉さんの素直な心境を聞くことができ、私も完璧に生きようとしなくていいんだと心が軽くなりました。また、「ここまで頑張ったらビールを飲もうなど、小さなご褒美を自分に与えるようにしている。軽いきっかけであっても行動を起こす原動力になるなら、それで十分」と伝えて下さり、学生の私たちに寄り添ったお話をしてくださいました。

試写会を終えて実感した挑戦することの大切さ

今回の映画試写会を通して、私は挑戦することの大切さを改めて感じました。家政経済学科では、暮らしや社会の問題について経済学を中心に学んでいます。さまざまな立場の視点から物事を考えているからこそ、映画で描かれていた、まじむが周りを巻き込み、支えられながら夢を叶える姿に深く考えさせられました。また、これまで「女性だから」「まだ若いから」「自信が無いから」と挑戦を諦めてしまった経験がありますが、お話を聞いていると、自分の中で挑戦をしない理由を探していただけだと気づきました。どんなに小さなことでも、自分のやりたいと思えたことには挑戦しようと思いました。
家政経済学科での学びでは、経済や社会の仕込みを考える時に「挑戦とリスク」は必ず出てきます。しかし、今回のお2人のお話を聞き「失敗=損失」ではなく、「失敗=経験という栄養」として捉える考え方に、これからの学びにも繋がる大切なヒントを貰えた気がします。

試写会終了後にJWU PR アンバサダーが直撃!伊藤沙莉さん&原田マハさんへインタビュー

Q. 本日の映画の試写会トークショーを終えていかがでしたか?
「これからの未来を担っていく人たちのキラキラした目に希望を感じましたし、『風のマジム』を観終えた後の明るい表情もとても印象的でした。皆さんからの質問も、夢に向かって真っすぐに取り組もうとしているからこそ生まれるものだと感じて、とても素敵だなと思いました。また、歴史ある素晴らしいキャンパスで、皆さんが和気あいあいと過ごしている雰囲気も伝わってきて、とても魅力的でした(伊藤沙莉さん)」
「私は男女雇用均等法世代で、社会に出るときはまだハードルが高い時代でした。近年はジェンダーの話題がタブー視される時期もありましたが、今は風向きが変わり、皆さんのように

自由に挑戦できる時代になったと感じます。今日の試写会での皆さんの様子はとても頼もしく見えましたし、『どんどんやっていこう!』という前向きなエネルギーを強く受け取りました。この場に来られて本当に良かったです(原田マハさん)」


お2人のメッセージ、そして伊藤沙莉さん演じるまじむの姿を受けて、創立125周年を迎える日本女子大学の学生として、凛々しく、堂々と社会に貢献できる人間を目指していきたいと感じました。(文:英文学科3年川口葵衣さん、家政経済学科2年井原咲幸さん)