社会でかがやく文学部のチカラ

2025.07.28

【イベントレポート】オープンキャンパスで文学部卒業生によるトーク企画を開催

日本女子大学のオープンキャンパスでは、多くの卒業生も協力し、本学の魅力を高校生に伝えてくれています。6月15日(日)開催の回では、文学部のトーク企画として「文学部のチ・カ・ラ」と題し、各学科から計3名の卒業生に登壇いただき、大学での学びや現在の仕事についてお話しいただきました。以下に、それぞれの卒業生のお話をご紹介します。

日本文学科の「文章から読み取るチカラ」
株式会社旺文社 大辻凛さん(文学部日本文学科2023年卒)

私は2023年に文学部日本文学科を卒業し、現在は教育系の出版社である旺文社で働いています。高校生の皆さんも一度は見たことがあるかもしれませんが英単語帳の「英単語ターゲット1900」や、受験情報サイト「大学受験パスナビ」、雑誌「螢雪時代」などを手がけている会社です。
大学4年次には江戸時代の教材「往来物」をテーマに卒論を執筆しました。「教育」と「本」に興味があったことから、教育系出版社に就職することになり、大学時代の学びといまの仕事が繋がっています。
「文学部は就職に不利」と思われがちですが、私は日本文学科で学べて本当に良かったと感じています。就職活動では自己分析やエントリーシートなど、文章で自分を表現する場面が多く、日本文学科で鍛えた読解力と表現力がとても役に立ちました。
また、女子大学ならではの手厚い就職支援にも就活期間は助けられました。企業から寄せられる情報が女性向けに特化しているので、より自分に合った情報を得られる環境であったと感じました。
「日本文学って社会に出て役立つの?」と思うかもしれませんが、新しい仕事に就く際にまず必要なのは「知らないことを文章から読み取る力」で、これはまさに日本文学科で養われる力です。
大学選びに迷ったとき、偏差値ばかりにとらわれず、「自分に合っているか」を考えてみてください。情報があふれる時代だからこそ、自分の興味・関心を信じて選ぶことが大切だと思います。
自分の言葉で「こうしたい」と言える人になることが、進学にも就職にも、社会に出てからも強みになります。皆さんの未来を応援しています。

英文学科の「未知の分野を学ぶチカラ」
アクセンチュア株式会社 阿部花さん(文学部英文学科2021年卒)

私は2021年に文学部英文学科を卒業し、同年に外資系総合コンサルティング企業であるアクセンチュアに就職しました。現在は5年目で、銀行をお客様としたプロジェクトに携わり、アプリの追加機能開発や改善提案などをしています。お客様と一緒に課題を整理し、解決のために最適な方法を考えるのが“コンサルティング”の仕事です。
英文学科での学びは、今の仕事にも大きく生きています。例えば、語学学習を通じて「未知の分野を学ぶ力」が身についたこと。現在の仕事では、大学時代に触れることのなかったプログラミング技術やマネジメント力などが必要になりますが、大学時代の「言語習得」の経験が大きな支えになっています。
また、英文学科には各々が自分の考えを持ち、深く掘り下げて議論できる雰囲気がありました。ゼミでのディスカッションや、問いを持ち続ける経験が、今でも私の思考力や発信力のベースになっています。
大学時代は第二外国語としてドイツ語を4年間学び、語学留学も経験しました。ドイツ語にのめり込んだきっかけはお世話になったポーランド人の先生との出会いがきっかけだったのですが、その先生と今でも交流があるほど、出会いに恵まれた4年間でした。
高校生の皆さんは、大学を選ぶ際に、「ここで自分が何を学び、どんな人と出会いたいか」を大切にしてみてください。そして、自分の意見を持ち、やりたいことにはどんどん挑戦してみてください。大学の4年間で得たチャレンジ力は、きっと社会に出てもみなさんの武器になります。

史学科の「自分の考えを表現するチカラ」
岩槻人形博物館 矢島璃子さん(文学研究科史学専攻 2022年修了)

私の専門は日本近世史で、江戸時代初期において大奥がどのような状況だったのかを研究していました。学部生の頃に学芸員の仕事に憧れを持ち、博物館学芸員資格取得のための授業も履修したことが、今の仕事につながっています。
さらに研究を深めたいという想いと、学芸員の採用では大学院修士課程修了以上が条件となるケースが多いこともあり、大学院に進学しました。
その後、葛飾区郷土と天文の博物館で会計年度任用職員として経験を積み、2023年からは「岩槻人形博物館」で学芸員として働いています。さいたま市岩槻区は「人形の町」として有名で、とくに雛人形の“頭(かしら)”の生産地として知られています。
現在は、年間を通じて展覧会の企画や調査研究に携わりながら、人形の魅力を多くの人に届ける仕事をしています。展示の構成やパネルづくりなども含め、展覧会はゼロから形にしたり、人形文化に関する文献や実物の調査を行い、調査結果を元に新しい価値や情報を発信したりしています。ワークショップや講座の企画にも関わり、「知るきっかけ」をつくるのが私たち学芸員の仕事です。
史学科で過ごした日々は、現在の仕事の土台になっています。とくに「自分の考えを表現する力」は私にとって大きな財産です。正解のない問いに向き合い、自分の視点を信じて研究を進めた経験は、社会人になっても生きています。言われたことをやるだけでなく、自分の考えを持ち、それを人に伝えていくことは、どんな仕事でも求められる力です。
また、史学科は「好き」を思いきり追求できる場所。周りには何かに夢中な“オタク”な人が多く、好奇心を共有しながら切磋琢磨できる雰囲気があります。自分の興味を大切にして、深く掘り下げたい人にはぴったりの学び場だと思います。

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次回、文学部のオープンキャンパスは8月3日(日)に実施します。模擬講義や学科ガイダンスなどを予定していますので、ぜひご参加ください。


※2026年4月より日本文学科は日本語日本文学科に、史学科は歴史文化学科に名称を変更します。

オープンキャンパス情報

2025年8月2日(土)
家政学部・理学部・建築デザイン学部・食科学部対象 »詳しくはこちら 

 2025年8月3日(日)
文学部・人間社会学部・国際文化学部対象 »詳しくはこちら

(事前申し込み制)

参考リンク