約120万冊の中から“いま”読みたい1冊に出会う
2025.08.07

夏休みが始まったばかりの8月1日(金)、文学部の学生6名(内訳:日本文学科3名、英文学科1名、史学科2名)が、新宿にある紀伊國屋書店 新宿本店に集まり、ブックハンティングを行いました。
「ブックハンティング」とは、学生が書店で書籍を選び、その中から日本女子大学図書館が未所蔵で、かつ資料収集方針に合致した書籍を購入・蔵書に加える取り組みです。図書館の蔵書を学生の視点から充実させるとともに、参加者自身の読書体験を深めることを目的としています。過去には女子大学の合同企画として実施されたことはありましたが、本学単独での実施は今回が初めてとなります。
会場となった紀伊國屋書店 新宿本店は、約120万冊の蔵書を誇る日本最大級の総合書店です。ブックハンティングの後には現役の書店員の方からPOP(店頭紹介パネル)の作り方についてもレクチャーを受けました。


各フロアを巡りながら
図書館に置いてほしい書籍を探す
学生たちは書店3階のアカデミック・ラウンジに集合し、まずは書店員の方からブックハンティングの方法について説明を受けました。今回はハンディターミナルを使った方法で、図書館に蔵書に加えて欲しい書籍が見つかったら、背表紙にある2つのバーコードを読み込むことで、選書が完了します。この方法は、選んだ書籍が本学図書館ですでに所蔵しているかどうかをデータ上で確認できるのが利点です。
ハンディターミナルを手にした学生たちは、さっそくブックハンティングへ。地下1階から8階までの広大な売り場を自由に移動し、それぞれが気になるジャンルや専門分野の棚へと向かいます。すべてのフロアを一通り見て回る学生もいれば、まずは専門外の建築関連の棚をのぞいてみる学生もおり、そのアプローチはさまざまでした。制限時間は1時間、選書は1人あたり10冊まで。真剣な表情で棚から書籍を取り出し、丁寧に中身を確認しながら選書を進めていました。



心に残った1~2冊で
POPづくりにチャレンジ
ブックハンティング後は、とくに気になった1~2冊をアカデミック・ラウンジに持ち寄り、POPづくりに取り組みました。書店員の方からは、「字を大きく太く書く」「暖色や寒色など配色にこだわる」「字だけでなく台紙に縁取りをつける」「ワンポイントでイラストを描くのも効果的」といった、お客さまの目を引き、購入につながるPOPづくりのコツを教わりました。学生たちはポスカやクーピーを使って、紀伊國屋書店オリジナルのPOP台紙に思い思いのメッセージを描いていきました。完成後には、それぞれが選書理由とPOPの工夫した点を発表し合い、今回のブックハンティングは終了しました。



参加した学生からは、「実際に書店員さんにPOPの書き方を教えていただけて楽しかった」「授業で能楽について勉強する機会があったので、能楽に関する書籍をいくつか選びました。図書館の蔵書になるのが楽しみ」といった声が聞かれました。
今回のイベントを企画した文学部の加藤玄(かとうまこと)学部長(史学科教授)は、「昨年度から温めていた企画でしたが、紀伊國屋書店さんや本学図書館のご協力を得て、実施できてよかったです。学生たちが真剣な眼差しで、書籍を選ぶ姿が印象的でした。書店の方からもお褒めいただきましたが、彼女たちの作ったPOPが、どれもクオリティが高く驚きました。今回のブックハンティングは1時間という限られた時間ではありましたが、普段触れないジャンルの本にも出会える良い機会になったのではないでしょうか。今後は毎年の定例イベントとして開催したいと考えています。今回参加した学生たちには、同級生や後輩にブックハンティングの楽しさを伝えていってほしいですね」と、イベントを総括されました。
学生たちが作ったPOPと選んだ書籍は8月7日(木)から17日(日)までの期間、紀伊國屋書店 新宿本店3階アカデミック・ラウンジの選書コーナーに展示されます。学生たちが、どんな本を選び、どのようにその魅力をPOPで表現したのか、ぜひ書店に足を運びご覧ください。
なお、今回選書された書籍は日本女子大学図書館でも11~12月ごろに展示予定です。

※文学部では、2026年4月より日本文学科は日本語日本文学科に、史学科は歴史文化学科に名称を変更します。