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どんなときにも最後は「人」
マーケティング統括本部 副本部長 広報宣伝部長
文学部史学科卒業庭崎紀代子さん
学園ニュース VOL.251

新年度の始まりを目前にした3 月末、セイコーウオッチ株式会社の本社へ卒業生の庭崎紀代子さんを訪ねました。
女性管理職として取締役執行役員を務めるだけでなく、広報宣伝部長として海外出張も多く、「毎日がエキサイティング」と語る庭崎さんにお話を伺いました。
その中で見えてきたことは、いつでも物事を前向きに楽しむ気持ちと、「人」を通して商品を伝えていくことの面白さでした。
楽しかったから、ここまで来た
この会社を選んだのは社風が良く、女性が働きやすかったからです。今でもその印象は変わりません。
初めは宝飾事業の商品企画に携わり、輸入から営業・広告作成まで手がけたことで、ものが売れていく仕組みや、お客さまの反応が手に取るようにわかりました。
その次に異動した腕時計事業はいわゆる男社会。それでも工場に足しげく通い、製造者と信頼関係を築くことでものづくりの思いにもふれ、それまでとまた違った面白さを感じました。
大変なことはたくさありましたが、振り返るとどれも楽しかった、楽しくてここまで来た、というのが本音です。
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芦屋のジュエリー工房 ギメルとクレドールのコラボレションウオッチ。ギメルのものづくりのこだわりとプライドに、感銘を受けたそう
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石井記者愛用の腕時計はセイコーウオッチ社のブランド。「そのベルトのデザインはよく覚えているわ」と語る庭崎さん
作っているものに自信を持つ
腕時計はファッション用品と工業製品の二つの側面を持つ、独特なアイテム。そして身近なものだからこそ、アイデンティティの表現にもなります。
製造者の思いやこだわりの詰まった商品を宣伝・広報として伝えていく上で、自分が商品に自信を持っていると、それが自然と伝わるように思います。
形のあるものを媒介することが自分には合っていたのかな、とも思っています。
ポジティブでいることが大事
楽しそうに仕事をしている人には、上司はいろいろアドバイスしたり新しい挑戦をさせたりしたくなります。ですから、楽しそうにしていればいい仕事が回ってくるよ、と若い部下にも話しています。自身も周りの人々には恵まれ、新たなチャレンジをする機会や、自分のアイデアを具体化するような仕事をいただき楽しかったと感じています。
元気ではつらつとしてポジティブでいることがとても重要で、自分が楽しくないと扱っている商品の良さも人には伝わりません。
最後は人の力だなと思います。
プロフィール
庭崎 紀代子(にわさき きよこ) さん
附属高等学校から本学に学び、1986(昭和61)年3 月史学科卒業。
同年4 月、株式会社服部セイコーに入社、宝飾部門に配属。2001(平成3)年ウオッチ部門へ異動。2015(平成27)年セイコーウオッチ株式会社マーケティング統括本部 副本部長 広報宣伝部長となり、国内だけでなく、ブランドの価値を守りながら各国の状況を鑑み、積極的な海外進出と展開を進める。同年、取締役執行役員となる。
現在、株式会社和光の取締役も兼ねる。
インタビューを終えて

●取材・文・学生記者
文学部日本文学科4 年 石井 瑠璃