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今やるべきことを一歩一歩着実に
家政学部被服学科卒業上沢婦記子さん
学園ニュース VOL.245

大相撲初場所を数日後に控えた1月上旬、練馬区の峰崎部屋に卒業生の上沢婦記子さんを訪ねました。在学中のサークル活動が、そのまま今のおかみさんとしての生活につながったと言う上沢さん。現在のお仕事から大学生活のことまで、おおらかに生き生きとお話しくださる姿が印象的でした。また、たくさんの力士の方に囲まれながらお話を伺うという経験は、大変貴重なものでした。
白衣を着て走り回っていた大学時代
青森県出身の私が日本女子大学を選択した理由は、恩師の勧めと家政学部の入試科目に得意の理系科目があったからです。被服学科に入学後は実験に追われ、ほとんど白衣で過ごしていました。そのような中で友人に誘われて入部した相撲研究会がその後の人生を決めました。実際にお部屋に稽古を見学に行ったり、目白祭では私の代で初めて、時津風部屋からお鍋等を借りてちゃんこ鍋を出したり精力的に活動をしました。今でも当時の後輩が部屋に手伝いに来てくれることもあります。4、5年前までは私も実際に大学にお邪魔していましたし、そうした大学時代のつながりが今でもあることはありがたいですね。
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朝稽古が終わり、清浄な空気が漂う土俵 -
栄養たっぷりのちゃんこ鍋
相撲とともに生きる
大学3年次に今の峰崎親方と出会い、卒業と同時に結婚をしました。そして30歳で部屋を持ちました。当時は右も左も分からないまま子育てと同時進行で、たくさんのお弟子さんと生活をしました。今はやっと子育てが終わり、おかみさん業に専念しています。一人一人のお弟子さんがわが子のようでとても可愛いです。けれどもお相撲のことに関しては親方に全面的に任せ、そっと見守るようにしています。息子は就職しましたが、部屋のホームページを作成してもらったり、Facebookを手伝ってもらったり、家族皆で部屋を支えています。人に誘われて入った相撲研究会が今の生活にこうしてつながるとは当時は思ってもいませんでしたが、大変ですが本当に楽しいです。
目の前にあることを確実に
「親方」にも定年があります。つまり、私のおかみさんとしてのつとめも終わりがあります。それまであっという間ですから、私は今やるべきことを確実にやろうという気持ちで仕事をしています。学生の皆さんなら、なおさらそれが大事なのではないでしょうか?一歩一歩踏みしめて確実に生活していくことです。
プロフィール
上沢 婦記子(かみさわ ふきこ)さん
1981(昭和56)年3月、家政学部被服学科卒業。在学中、相撲研究会に所属。サークル活動が縁となり1982(昭和57)年、三杉磯関(峰崎親方)と結婚。
1988(昭和63)年、前年に引退した親方が独立し、峰崎部屋を設立。現在13名の力士、3名の行司、2名の呼び出し、1名の床山を抱える相撲部屋のおかみさんとして、峰崎部屋を支えている。おかみさん業のかたわら峰崎部屋を紹介するホームページやFacebookを自身で運営し、若い力士の日々の精進や、和やかな部屋の日常風景が話題になっている。
大相撲峰﨑部屋Facebookページ:https://www.facebook.com/minezaki.sumo
インタビューを終えて

また、時間がお昼時だったということもあり、ちゃんこ鍋を出していただき、お相撲さんと囲む食卓が大変新鮮で忘れられない経験となりました。
●取材・文・学生記者
文学部日本文学科3年 池田しおり