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自分で答えを導き出す正解のない仕事
人間社会学部現代社会学科卒業羽賀麻衣子さん
学園ニュース VOL.254

ようやく秋らしくなった10月下旬の日本橋。秋晴れの中、二本の大きなたれ幕に、キラキラと輝く桜の紋章が目印の明治座を訪れました。お話を伺ったのは、現在上演中の日本橋ナイトプログラム『SAKURA』の制作プロデューサーの羽賀麻衣子さん。エンターテイメントを作り上げるお仕事について、貴重な資料などを見せていただきながらお話を伺いました。
舞台を見ることが好き
きっかけは中学校の歴史の先生です。授業が面白く歴史に興味を持ち、NHK大河ドラマを見始めました。そのドラマに出演していたとある歌舞伎俳優さんに興味を持ち、歌舞伎を観るようになりました。その後、学生時代にさまざまなジャンルの演劇にふれ、舞台を観ることが大好きになりました。

大学時代の経験が今に生きる
制作の仕事は、公演の企画が立ち上がる時から千穐楽を迎えるまで全ての進行に携わります。脚本家、演出家と打ち合わせを重ねて台本を準備し、キャスティングを進めていきます。大道具、小道具、衣裳、ヘアメイクなど公演スタッフとの打ち合わせや、稽古スケジュールの調整、宣伝や営業の担当者と公演の告知・販売の作戦を練ったり。各種必要な手続きの為、警察署や消防署に行くこともあります。スタッフのお弁当の手配まで、明治座の窓口として人と人を結びつけながら、何から何まで行います。
舞台の制作現場では「これが正解」がありません。その都度、その時の状況に併せてスタッフと相談しながら、ベストな方法や答えを導き出していきます。
大学では、日々のレポート課題や、卒業論文など、自らの考えや結論を求められる経験を数多くしてきました。何か壁に阻まれても先生方は誘導や提案はせずに、私が自分で答えを出すまで待っていてくれました。
問題にあたるたびに自分で考えて行動する。そのような4年間が今に生きていると思います。
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本公演終了後、『SAKURA』という全く異なる作品を公演する明治座
好きだからこそ続けられる
20代は与えられた仕事をきちんとこなすことを心がけていました。大変と感じることも数多くありましたが、仕事を続けてこれたのは舞台が好きだから。逆に好きでなければ続かなかったと思います。営業から制作に異動して5年が経ち、少しずつやりたいと思うことを提案できるようになってきました。これからも答えのない答えを探りながら、明治座としてオリジナリティーを出しつつ、同世代が見ても面白い芝居を作っていけたらと思っています。
プロフィール
羽賀 麻衣子(はが まいこ)さん
2008(平成20)年3月人間社会学部現代社会学科卒業。同年4月株式会社明治座に入社。4年間の営業職を経て制作部へ異動。毎月演目が変わる明治座の舞台づくりに携わっている。現在、日本橋で過ごす新しい夜のエンターテインメントとして上演中のNIHONBASHI NIGHT PROGRAM「SAKURA-JAPAN IN THE BOX-」の制作進行に携わる。日本人だけでなく外国人観光客も楽しめるエンターテインメントとして、古典と現代、伝統とポップが交錯するパフォーマンスが注目を集めている。2016年9月から2017年3月まで上演中。
明治座HP http://www.meijiza.co.jp/ SAKURA特設HP http://sakura-meijiza.com/
インタビューを終えて

●取材・文・学生記者
文学部日本文学科3年 二瓶紀子