北海道様似町と連携し、小学生の「食育プロジェクト」を実施
2026.10.05
日本女子大学社会連携教育センターは、連携自治体である北海道日高管内7町の1つ様似町と連携し、地域の社会課題解決に向けた取り組みの一環として、同町が掲げる「小児肥満に関する小学生へのアプローチ」をテーマとした連携事業をスタートしました。
2026年8月24日(月)~26日(水)にかけて、食科学部の教員とゼミ生が実際に現地を訪問。8月25日(火)には様似町立様似小学校を会場に、全校児童を対象とした体組成や咀嚼能力などの測定、食育講話、さらにスクールランチ(給食)を通じた交流活動を実施しました。
背景と目的——地域の課題に応える産官学・地域連携
本学では、社会連携教育活動を推進する「社会連携教育センター」を中心に、自治体や企業等との協働による地域貢献活動や実践的な学生教育を展開しています。
今回の取り組みは、様似町から寄せられた「小児肥満に関する小学生へのアプローチについて」という課題を出発点としています。小児期の肥満は将来的な生活習慣病リスクを高めるため、早い段階からの適切な食育や健康管理が重要とされています。
この課題に対し、食科学部栄養学科の太田正人(おおたまさと)教授、亀山詞子(かめやまのりこ)講師、食科学科の山下厚子(やましたあつこ)助教が中心となり、ゼミ生5名とともに現地での調査および食育講話を実施しました。
現地での取り組み——事前調査に基づく精密な測定と食育アプローチ
訪問に先立ち、事前のアンケート調査を実施したうえで臨んだ様似小学校でのプログラムでは、大学での学びや研究で培った知見を生かした多角的なアプローチが行われました。
・体組成・骨量測定
児童一人ひとりの身体状況や成長バランスを把握するため、体組成計や骨量測定機を用いた測定を行いました。
・咀嚼能力測定・口腔内診査
グミゼリーを用いた咀嚼能力測定のほか、乳歯から永久歯への生え換わりや噛み合わせの状態を教室でチェックしました。
・食育講話の実施
測定後には、学生が中心となって作成した資料を活用し、噛むことの大切さやおやつの適切な摂り方についての講話を行いました。
・スクールランチでの交流
調査活動だけでなく、児童と一緒にスクールランチ(給食)を喫食する時間も設定。同じテーブルで食事をともにしながら、子どもたちの日常生活や食に関する意識に直接触れる貴重な機会となりました。
講話内のクイズで「ポテトチップス1袋に含まれる油の量」や「ジュースに含まれる砂糖の量」が提示されると、児童たちからは驚きの声が上がる場面も。専門知識を分かりやすく伝えるプロセスは、参加した学生たちにとっても大きな学びの場となりました。
今後の展望——持続可能な支援と地域への還元
また、本事業が様似町との初めての連携事業となることから、滞在中には荒木輝明(あらきてるあき)様似町長への表敬訪問および懇談会が開催されました。
懇談会では町長をはじめとする町関係者に対して今回の取り組みの報告や今後の展開について意見交換を行いました。
様似町長 荒木輝明氏
様似町は『生涯スポーツの町』を宣言し、健康づくりに力を入れておりますが、子どもたちの肥満傾向は大きな課題でした。子どもたちの将来の健康を守るうえで、今回の日本女子大学の皆様による専門的なアプローチは大変意義深く、大きな期待を寄せております。
食科学部 栄養学科 太田正人 教授
様似町と様似小学校と連携して実施する『小児肥満対策・食育プロジェクト』は、継続的な活動を通して子どもたちが知識と実践力を身につけていく画期的な『様似町モデル』となります。子どもの肥満傾向は日本の地方農村部や郡部に共通した健康課題です。全国的な課題の解決に役立つ『様似町モデル』の確立に一丸となって取り組んでまいります。
参加学生の声(ゼミ生)
食物学科 管理栄養士専攻 4年 八藤綾乃(はっとう あやの)さん
当日は、児童の皆さんが想像以上に積極的に講話に参加してくださいました。お話しした内容について質問してくれる姿を見て、「時間をかけて準備をして、本当によかった」と思いました。
今後も日本女子大学は、社会連携教育センターを中心に、地域課題の解決に貢献してまいります。
