食物学科・藤井研究室の学生が、盛岡市特産の黒豆「雁喰豆(がんくいまめ)」の商品開発に挑戦!

2026.03.27

【社会連携】令和7年度盛岡市アグリイノベーション事業成果報告会

日本女子大学は2024年8月、岩手県盛岡市と「連携・協力に関する包括協定」を締結しました。本学はその取り組みの一環として、2024年度より「文京区学生と創るアグリイノベーション事業」に参画しています。
本事業は、文京区内に所在する6大学が盛岡市と協働して進める産学官連携プロジェクトであり、フィールドワークなどを通じて盛岡市の農業資源を掘り起こし、各大学の知見を生かして農業の発展を目指すものです。文京区からは本学のほか、跡見学園女子大学、拓殖大学、東京大学、東洋大学、文京学院大学の5大学が参加しています。
このたび、令和7年度の研究成果を盛岡市民の皆さまへ共有する成果報告会が、2026年2月18日(水)に盛岡市「姫神ホール」で開催されました。会場参加に加えて Zoom を併用したハイブリッド形式で実施され、多くの方に本取り組みを知っていただく機会となりました。

大学の学びを地域へ生かす—盛岡市における成果報告会

今回の成果報告会に、本学からは食科学部食科学科・藤井恵子(ふじいけいこ)教授の研究室の学生5名が参加し、発表は家政学研究科食物・栄養学専攻の濱口紗世(はまぐちさよ)さん、藤井智乃(ふじいちの)さんが担当しました。
報告会は盛岡市副市長・小原由香(おばらゆか)氏のご挨拶からはじまり、各大学が今年度のフィールドワークや調査活動の成果を発表しました。会場には、農業関係団体、行政職員、地域住民など多様な立場の参加者が集まり、学生たちの発表に熱心に耳を傾けました。質疑応答では多くの質問や意見が寄せられ、活気ある議論が展開されました。

写真左から 藤井智乃さん、濱口紗世さん
写真左から 藤井智乃さん、濱口紗世さん

日本女子大学による発表—雁喰豆の商品・加工技術の開発

雁喰豆(がんくいまめ)は盛岡市玉山地域に昔から根付く黒大豆の一種で、種皮に皺が入った扁平な形状の黒豆です。粒が大きく光沢があることが特徴で、黒平豆と呼ばれることもあります。
そんな雁喰豆について、藤井研究室の学生たちは認知度向上と消費拡大を目指して研究を行っています。昨年度は圧力調理・真空調理の検証や雁喰豆豆腐の試作を行い、今年度はフィールドワークによる市場分析および商品開発に取り組みました。
商品開発は、スイーツと惣菜・おつまみの2つのジャンルで検討し、次の全7商品を考案しました。

① 豆腐deもっちりスイーツ~雁喰豆の風味を閉じ込めて~:雁喰豆を皮ごと使ったもっちり感と素材の味を楽しめる豆腐用食品
② こころに溶ける豆のひとさじ~The 雁喰豆アイス~:ワッフルコーンにもアイスクリームにも雁喰豆を使用
③ 啄木のさと 雁ぽり豆:雁喰豆の水煮をフリーズドライにしたスナック
④ 黒雁(くろがん):雁喰豆の黒い見た目を生かしたベーグル。中に塩煮した雁喰豆とクリームチーズが贅沢に閉じ込められている
⑤ AMAGOI(あまごい):雁喰豆の甘さともちっと感を生かした焼き菓子。「あまごい」は岩手弁で甘いという意味
⑥ くろフェル:中東発祥のひよこ豆を使った揚げ物料理「ファラフェル」に着想を得た、雁喰豆のコロッケ
⑦ 雁喰豆を使ったパン:拓殖大学様との共同研究。地元のパン屋である福田パンのフィリングを作製
写真左から 開発した商品(販売イメージ)①、②、③、④
写真左から 開発した商品(販売イメージ)⑤、⑥、⑦

発表後の質疑応答では、農業者、行政職員などから多数の質問があり、学生たちは自身の分析や考察をもとに丁寧に回答。マーケティングや機能性の伝え方といった実務的な視点から新たな気づきを得る場面も多く、学生にとっても大きな成長の機会となりました。
本学の報告に関して、全体講評では、小原副市長より「昨年度はデータ分析が中心の報告でしたが、今年度は1歩進んで多彩な商品を開発いただきましたので、来年度はぜひ商品を販売していただきたい」と温かい激励をいただきました。

2025年9月、盛岡市にてフィールドワークを実施
参加した学生の声

成果報告会に本学から参加した5名の学生に、調査・研究をとおして得た学びや発表を終えての感想、今後の展望について伺いました。

濱口 紗世(はまぐちさよ)さん 家政学研究科食物・栄養学専攻1年
雁喰豆の商品開発を進める中で、素材の価値をどのように伝えるかという難しさと、その重要性を強く感じました。成果報告会では、他大学が専門性を生かして地域創生に取り組む姿に大きな刺激を受け、多様な連携の可能性を実感しました。今回得た学びを今後の研究にしっかりと生かしていきたいです。

藤井 智乃(ふじいちの)さん 家政学研究科食物・栄養学専攻1年
雁喰豆の商品開発をとおして、素材・食材の価値を伝えることの大切さと難しさを感じました。また、他大学の発表内容や地元の方々の意見を直接伺えたことは、自分の研究の課題点を見つめ直す貴重な機会となりました。

石坂 莉子(いしざかりこ)さん 家政学部食物学科3年
今回初めて盛岡市を訪れ、地域資源を生かした取り組みに関わる方々の熱意を肌で感じました。雁喰豆の魅力を生かした商品を実際に販売までつなげるのは簡単ではありませんが、地域の魅力発信に寄与できる活動だと感じました。

田頭 春花(たがしらはるか)さん 家政学部食物学科3年
雁食豆の商品開発を通じ、豆の特性への理解を深めるとともに、商品開発の基礎を学ぶことができました。成果発表会では、各大学が多方面から地域にアプローチしており、多方面との連携の価値を改めて実感しました。今後は多角的な視野を持ち、食を通じて社会に貢献できる人材を目指し、さらなる学びを深めていきたいです。

尾藤 美咲(びとうみさき)さん 家政学部食物学科3年
今回初めて成果報告会に参加し、各大学の学生が専門性を生かして地域創生に取り組んでいることを知りました。また、「道の駅もりおか渋民(たみっと)」様や「福田パン」様を訪問したことで、開発した商品を製造・販売につなげる具体的なプロセスを考えるきっかけにもなりました。今回得た学びを、今後の活動にも積極的に生かしていきたいです。
写真左から 石坂莉子さん、濱口紗世さん、藤井智乃さん、尾藤美咲さん、田頭春花さん

※日本女子大学は、2025年4月に現在の家政学部食物学科食物学専攻/管理栄養士専攻をもとにした、食科学部食科学科/栄養学科を開設しました。