北区の学習支援教室運営者向けの研修会に協力

2025.03.21

【社会連携】人間社会学部心理学科の塩﨑教授が子どもとの関わり方について講義

本学では2022年度より社会連携教育センターが中心となって社会福祉法人 北区社会福祉協議会と連携事業を行っています。本年度は、2024年12月12日(木)に実施された北区における学習教室運営者向けの合同研修会にて、心理学科の塩﨑尚美(しおざきなおみ)教授が、「子どもの気持ちをくみ取るかかわり方 ~その行動はどんな気持ちから?~」と題した講義を行いました。
なお、本研修会は、北区社会福祉協議会が受託する区内9つの小学生対象の学習支援教室の運営を担う地域ボランティアが、子どもやその保護者からの学習以外の生活面・心理面での相談に対して適切な対応を学ぶ場として毎年実施されており、今回は運営者16名が参加されました。

子どもの「こころ」は
心でくみ取る

塩﨑教授は講義の冒頭で、子どもが大人の言うことを聞かない時は、子どもの「こころ」を頭で理解しようとせず、「こころ」の在り様を想像して、心でくみ取る必要があると話されました。その後、塩﨑教授が提示した事例から、子どもが何を伝えようとし、それに対してどのように関わるかを考えるワークを実施。行ったワークフローを自身の経験に落とし込む時間も設けられ、参加者たちには新たな気づきがあったようです。
講義の後半には、子どもの気持ちをくみ取るうえで参考になる「アタッチメント理論(子どもが不安になったときに、自ら養育者に近づき、養育者によって不安が和らげられると、子どもは再び探索に向かうという流れ全体を指す理論)」や「子どもの意欲を引き出す方法」が紹介され、講義後は質疑応答や意見交換の時間も設けられるなど、充実した研修会となりました。

ワーク中は塩﨑教授が各グループをまわって、アドバイスを行いました
ワーク中は塩﨑教授が各グループをまわって、アドバイスを行いました

「家庭が子どもにとって安全、安心の場所になっていないことも多い今日、子どもが地域の学習支援の場で出会うおとなとの関係はとても重要になっています。親とは違うおとなと関わり、困っていることを素直に表現できるような関係を築くことで、他者を信頼できるようになります。このような関わりをする上で、アタッチメント理論は役立ちます。本研修会では、子どもの困った行動の背景にある、“人を求める気持ち(アタッチメントニーズ)”を理解することが大切であることをお話させていただきました。参加してくださった方々は、すでにそのような実践をされている方が多かったのですが、あらためてその意義を参加者同士で振り返り、他の教室の方と共有していただく機会になっていただけたのではないかと思っています。」(塩﨑教授)

今後も本学では、社会連携教育センターを中心として地域や企業と連携し、より地域に根差した取り組みを進めてまいります。