2025年度JS『住まい・団地・まちづくり』論文・制作賞表彰式を行いました

2026.03.25

【イベントレポート】本学学生の優れた研究成果を褒賞し、創造性および自主性を備えた人材の育成を図る

2026年3月16日(月)、新泉山館大会議室にて2025年度JS「住まい・団地・まちづくり」論文・制作賞表彰式を行いました。JS「住まい・団地・まちづくり」論文・制作賞は、日本総合住生活株式会社(JS)の寄附のもと、本学学生の優れた研究成果を褒賞することにより、創造性および自主性を備えた人材の育成を図ることを目的としており、今年で5回目の開催となります。
卒業論文・制作および修士論文・制作に着手している学生を対象に、「住まい、団地、まちづくり」というテーマで募集され、学生はPDF資料に梗概をまとめた上で、4分程度の発表動画を作成して応募しました。それらを審査した結果、今年度は15点の応募があり、そのうち10名の学生が各賞を受賞しました。

表彰式では受賞者の表彰と、最優秀賞、産学連携賞、社会連携賞の受賞者3名による発表が行われ、それらに対する講評を日本総合住生活株式会社(JS)内田寛常務取締役、今市涼子理事長(録画)、篠原聡子学長(海外よりオンライン参加)、金沢創副学長および佐藤克志建築デザイン学部長よりいただきました。

氏名

学部学科名

論文・

制作

論文・制作のタイトル

最優秀賞

松前 美祝

家政学部住居学科

論文

ひょうご復興コレクティブハウジングの空間利用と運営実態
—入居開始から約27年後の評価—

産学連携賞

安田 栞

家政学部住居学科

制作

川辺の市場ハウジング
—暮らす 商う 繋がる—

社会連携賞

藤原 すみれ

家政学部住居学科

論文

空間の連続・分節が保育活動に及ぼす影響
—こども・保育者・保護者の動きに着目して—

優秀賞

若林 恵衣

家政学部住居学科

制作

変化し続ける共生のプロトコル
—保護猫と人間を媒介する集合住宅—

優秀賞

橋本 怜奈

家政学部住居学科

論文

路面装飾における住民参加がもたらす効果とデザインプロセスの可能性
—子ども向けデザインワークショップを通して—

特別賞

田中 杏佳

家政学部住居学科

制作

日常に沈む〈環世界〉への没入
—詩的断片から空間へ—

特別賞

和田 琴子

家政学部住居学科

制作

匿名と積極的参加の間にある都市型居住のかたち
—日常行為を通して偶発的交流を生む集合住宅—

奨励賞

武富 零央

家政学部住居学科

制作

テスト・エッジ
再開発に先行する都市の実験場

奨励賞

勝和 歌菜

家政学部住居学科

論文

歩行者空間としてのボンエルフの実態に関する研究
—ブリュッセル・ペンタゴン地区における交通静穏化を事例に—

奨励賞

早川 媛花

人間社会学部教育学科

論文

良いまちづくりワークショップのつくり方
—ファシリテーターの役割と学びに注目して—

最優秀賞の松前美祝さんとプレゼンターのJS内田寛常務取締役

JS内田寛常務取締役による最優秀賞 講評

コミュニティ空間の機能維持の難しさと、解決していくための設計上の配慮、さらに今後の課題について考察した論文でした。地震の多い日本における社会課題を意識したテーマ設定であり、また、行政・管理会社・住民へのヒアリングを通して、ソフト面と共同空間の在り方を結び付け、丁寧に実態調査を行っている点も高く評価しました。今後も、論文制作で得た知見や経験を生かしながら、社会課題に対する新たな解決策を見出し、ご活躍されることを期待しています。

松前美祝さんの最優秀賞受賞コメント

この研究は、私一人の力で成し遂げたものではなく、ひょうご復興コレクティブハウジングにお住まいの方々や行政の方々など、多くの方のご協力によって実現したものです。そのため、このような賞をいただけたことを大変ありがたく思うとともに、ご協力いただいた皆様にも改めて感謝を申し上げます。
4月からは社会人となりますが、これからの仕事においても、「住んでいる方の生活や地域を大切にして」取り組んでいきたいと考えています。本研究で居住者の方々とお話しした経験や得た学びを胸に、今後も精進してまいります。

産学連携賞を受賞した安田栞さんとプレゼンターの金沢創副学長

今市涼子理事長による産学連携賞 講評

本論文で提案されている、店舗と居住空間を連続させ、さらにその割合を任意に変更できるという発想を大変興味深く感じました。また、住居群の中に住民同士の交流の場となり、プライベートにもパブリックにも利用できる路地を設けることで、シームレスで緩やかにまとまりのあるまちづくりを提案している点は、住民にとってまさに理想的なまちづくりであると高く評価しました。加えて、多摩川の河川敷や土手とまちとの繋げ方についても、居住者が四季折々の自然を楽しむことができる提案になっていると感じました。

社会連携賞を受賞した藤原すみれさんとプレゼンターの佐藤克志建築デザイン学部長

篠原聡子学長による社会連携賞 講評

本研究は、建築としての保育施設の多様な可能性を切り開くものになっていると感じました。建築計画の分野において保育施設に関する研究は少なくありませんが、空間構成と保育内容を、子ども・保育者・保護者という三者の動きから分析した調査は、その視点やアプローチの点でも新規性の高い研究であると言えるでしょう。調査結果も大変興味深く、空間構成によって子どもの行為が大きく異なることを実証するとともに、子どもの行為と保育者・保護者との関係も、空間の在り方によって変化することを明らかにしています。この点において、本研究は保育施設の建築計画の今後の在り方にも大きな方向性を示すものとして評価しました。
受賞者と審査委員の記念撮影