\JWU PR アンバサダー/ 社会で活躍されている卒業生インタビュー 第6弾!—後編「フリーランスとして働くこと」—

2026.03.13

【卒業生インタビュー】suzukirieさん(家政学部被服学科2007年卒)、秋谷麻美さん(家政学部被服学科2008年卒)、脇本夏子さん(家政学部住居学科2009年卒)

こんにちは。JWU PR アンバサダーです。
前回に引き続き、学生時代に同じサークルで活動していたご友人同士で、現在はそれぞれフリーランスとして個人で活躍されているsuzukirie(すずき りえ)さん(家政学部被服学科※1 2007年卒)、秋谷麻美(あきや あさみ)さん(家政学部被服学科 2008年卒)、脇本夏子(わきもと なつこ)さん(家政学部住居学科※2 2009年卒)の3名にJWU PR アンバサダーの小野塚朱音(おのづか あかね)と遠藤なゆ(えんどう なゆ)がインタビューさせていただきました。

左:脇本夏子さん 中央:秋谷麻美さん 右:suzukirieさん
左:脇本夏子さん 中央:秋谷麻美さん 右:suzukirieさん

※1 被服学科は2028年4月よりファッションデザイン学部(仮称)への学部化を構想しています
※2 住居学科:現在の建築デザイン学部

前編では、学生時代の経験を中心に伺いましたが、今回はフリーランスとして働くことについて伺いました。

—— 現在のお仕事のお話を聞かせてください。フリーランスとして働くことは、まだそこまで浸透していない働き方かなと思うのですが、個人でお仕事をしようという考えはいつからあったのでしょうか? これまでの歩みと一緒に教えてください。
脇本夏子さん(以下、脇本):
建築はハードな仕事なので、まずは辞めずに10年くらい働き続けてみようと思っていました。就職先は企業ではなくアトリエだったので、「一生ここというわけではなく、いずれは独立するんだろうな」とぼんやり思っていました。夫と「SDレビュー2021」という建築の賞に応募する機会があり、応募したら、それが受賞して、実際に造ることになりました。それがきっかけとなり、いくつか仕事をいただけるようになり独立した、という感じの流れです。

SDレビュー2021で受賞した「ROOF HOUSE」と授賞式の様子
SDレビュー2021で受賞した「ROOF HOUSE」と授賞式の様子

秋谷麻美さん(以下、あきや):
私は新卒で就職した百貨店で、キャリアアップも視野にずっと会社で働き続けるだろうと思っていたのですが、小売りの景気がどんどん悪くなっていっている時期だったこともあり、自分から進んで会社を出ようと思い、独立しました。パタリーちゃん(suzukiさん)を含め、フリーランスの知人が多くて、それがうらやましくて会社員を辞めて独立したという理由もあります。

suzukirieさん(以下、suzuki):
私は就職活動などもしましたが、アルバイトをしながら活動をし、少しずつ軌道に乗せていったという形です。小学生の時からぼんやりと自分のブランドを持つという夢を思い描いていたので、30歳まではできる限り自分のやりたい活動をやってみようと思い、刺繍作家としての活動をスタートし、その中で刺繍のアクセサリーを制作していました。この本(『STITCH SHOW 刺繍のアート&デザインワーク、ステッチで描く50の表現』(矢崎順子編. ビー・エヌ・エヌ新社.2013))に作品を載せませんかという依頼をいただき、そこから徐々に軌道に乗って独立を決めました。

suzukiさんの制作したアクセサリー
suzukiさんの制作したアクセサリー

—— お仕事する上で大切にされている価値観を教えてください。
あきや:
クライアントが第一ということは軸にあるのですが、やはり面白いことをやりたくて、毎年「新しいこと」を始めようと思っています。ですから、やったことのない場所での講演やイベントも積極的に行っています。

あきやさんの新刊出版記念サイン会の様子
あきやさんの新刊出版記念サイン会の様子

—— 新しいことに挑戦するうえで、不安はないのでしょうか?
あきや:
基本的には「絶対いける」と思うようにしていますし、たとえ失敗したとしてもそれは振り返ってストーリーを語る中で一番物語の動くおいしい部分だと思っているので、不安はあまりないです。例えば講演会をやって、誰も来なかったとしても、むしろそこから上がるしかないと思えるから大丈夫。あとは会社員として10年間のキャリアがあるので、仮にフリーランスで失敗したとしてもどこかで働くことはできるだろうという気持ちがあります。

脇本:
あきやさんはたしかに会社員時代に結構ハードに働いていたから、引く手あまたでしょうね。

suzuki:
20代をハードワークで過ごすのはもしかしたら大事なことかもしれないですね。大変だったけれど全部が今に生きている感じがします。

脇本:
1つひとつ丁寧に積み重ねて取り組み、あとはなるようになるさとおおらかに思うことも大事かもしれません。ハプニングが起きても、気持ちは一歩引いて、俯瞰して見てみることもあります。こういう時は社会人経験が生きているのかもしれません。

suzuki:
私が大切にしているのは、イギリスへ留学したときに感じたわくわくした気持ちです。そしてあきやさんと同じく「新しいもの」への挑戦も意識するようにしています。
また、アクセサリーは肌に乗せるものなので、いろんな人の肌に合う絶妙な色合いを考えて作っています。温かくてほっこりする以外の要素も持ち合わせた刺繍作品になるようにしています。

イギリスの美大時代のスタジオデスク
イギリスの美大時代のスタジオデスク

あきや:
パタリーちゃん(suzukiさん)のアクセサリーは、カラーバリエーションが本当に豊富ですごい。個人だからこそできる色の多さだと思います。

リングやイヤリングのカラーバリエーションも豊富
リングやイヤリングのカラーバリエーションも豊富
—— フリーランスとして活動する中で大変だったことはありますか?またどのように乗り越えたのか教えてください。
あきや:
私はコロナ禍の時は本当に大変でした。独立して軌道に乗ってきた頃だったのですが、ファッション講座のお客様が全員キャンセルになってしまったり、対面での仕事が、コロナ禍の外出自粛によりなくなってしまいました。そのときに当時のTwitterで「仕事なくなっちゃった」とつぶやいたところ、みなさんが助けてくれて……。弱みを見せて素直に頼るのも大事だなと思いました。 

suzuki:
私は、刺繍が軌道に乗ってきつつも、まだアルバイトを辞めて生活するほどではなくて、作品作りとアルバイトの両立に悩んでいた時期が大変でした。販売の仕事をフルタイムで行った後、夜に縫っていると体力が持たなくなってきて。それを仲良しの近所の方に話したらスケジュールの融通が利くお仕事を紹介してくださって、徐々に刺繍の仕事を広げられました。あきやさんの話と同じで、困ったときに人に助けを求めるのが大事だなと思います。 

脇本:
私も人との縁に助けてもらっています。想像しているより何とかなるから大丈夫です。
—— 最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。
脇本:
20代は必死に働くことかもしれません。頑張った20代の自分が30代の自分を助けてくれると思います。 

あきや:
身体だけは壊さないようにしないといけないけれど、本当にその通りだと思います。他者の目を気にせず、自分のやりたいことを面白いと思いながら続けていると、もし何かに行き詰ってしまったときにも、そっちをやってみようかなと思えるので、それも大事だと思います。 

suzuki:
固定概念に囚われず、自分が信じたことにトライして欲しいです!
【インタビューを通して】
「その経験も、いつか何かに繋がるから大丈夫」 今までどこか慰めのように聞こえていたその言葉が、今回お話を伺ったことで、確かな「実感」へと変わったような気がします。「仕事=就職」というイメージが強かった私にとって、個人の経験やスキルがそのまま力になるフリーランスの生き方は、とても眩しく映りました。思うようにいかず足踏みをしているように感じていた過去も、今の学びも、すべてが糧になるというお話をうかがい、学年や学科を越えて繋がり続けるみなさんの姿に勇気をいただきました。
学生から社会人へ漠然とした不安の中にいた私に、「これから先が楽しみかもしれない」という光をくださったみなさんに、心から感謝申し上げます。(小野塚朱音) 

学生時代からつながりのあるみなさんだからこそ、インタビューは終始にぎやかで楽しい時間となりました。現在はフリーランスとして活躍されているみなさんですが、独立のきっかけや流れは三者三様です。いずれも独立のタイミングを逃さず、着実に進んでこられたのだと感じました。そして、フリーランスとして活動するには企業で働くのとはまた違った大変さもあると思いますが、それを経験として捉える姿や、失敗や変化を恐れない姿勢に感銘を受けました。
前編では学生時代にさまざまな経験をする重要性について伺いましたが、後編では卒業後の20代をどう過ごすか、という私たちにとって近い未来のことを伺うことができ、卒業後のあり方について考えるきっかけとなりました。本企画にご協力いただき、今後の進路や働き方を考えるうえで大きな示唆を与えてくださったことに、心より感謝いたします。(遠藤なゆ)

 

インタビュアー:小野塚朱音 / 執筆:遠藤なゆ 

OGのみなさんのプロフィール

suzukirie|刺繍アクセサリーブランド"patterie"デザイナー・刺繍作家
日本女子大学家政学部被服学科2007年卒。 卒業後にイギリスのBath School of Art and Designで刺繍を学ぶ。帰国後にファッションブランドでのアシスタントを経て、2011年に作家活動をスタート。
"あたたかい"だけではない、刺繍の表現を探りながら アクセサリーを作る刺繍作家。

https://patterie.stores.jp/

あきやあさみ|自問自答ファッション・制服化スタイリスト
日本女子大学家政学部被服学科2008年卒。
卒業後、都内百貨店に入社し、パーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経験後、2018年に退社しファッションスタイリストとして独立。著書である『一年3セットの服で生きる』『一セットの服で自分を好きになる』(共に幻冬舎)『自問自答ファッション 制服化スタイリストが自分らしく生きるヒント』(朝日新聞出版)では新しい視点から服選びのメソッドを提案するほか、オリジナルの教材で「心から自分らしい」と腑に落ちるようなスタイルを共に考え、見つける「自問自答ファッション教室」を開催中。

https://note.com/jimon_jitou

脇本夏子|玉田・脇本建築設計事務所共同代表・一級建築士
日本女子大学家政学部住居学科2009年卒。
横浜国立大学大学院Y-GSA 2011年修了。大学院在学中にSanaksenaho Architects (フィンランド)でのインターンシップに参加。設計事務所を経て、2019年に玉田・脇本建築設計事務所を共同設立。

https://www.twk-architects.jp/