妊産婦・乳児救護所の現場から考える、災害時の備え
2026.04.07
2026年3月14日(土)、日本女子大学社会連携教育センターJWU子育てサイエンス・ラボ(※以下、ラボ)主催による「第26回 子育てサイエンス・カフェ みんなの避難所教室—『妊産婦・乳児救護所』の現場を見て、いざというときの準備を始めよう—」を、目白キャンパス新泉山館1階大会議室にて対面で開催しました。
本企画は、子育てに関する研究や実践を社会にひらく「子育てサイエンス・カフェ」の第26回として実施されたもので、昨年度3月に続き2回目の対面開催となります。また、文京区と実施している「文京避難所大学」2025年度第2回となりました。
文京区の取り組みを知る——妊産婦・乳児救護所とは
冒頭では、ラボ担当長の麦谷綾子(むぎたにりょうこ)教授(心理学科)より開会の挨拶が行われ、続いて文京区防災危機管理課長の齊藤嘉之(さいとうよしゆき)氏より、文京区における妊産婦・乳児救護所の取り組みについて講義がありました。
文京区では、妊婦や0歳児を育てる家庭が一般の避難所では生活しにくい状況を踏まえ、日本で初めて「妊産婦・乳児救護所」を設置しています。講義では、
・妊産婦・乳児救護所で受けられる支援内容
・開設される条件やタイミング
・備蓄されている物資の種類や量
・各家庭で事前に準備しておきたいこと
などについて、具体例を交えながら説明が行われました。
妊産婦・乳児救護所の詳細はこちら(外部サイト)
現場を「見る」ことで理解を深める
続いて、ラボ担当の平田京子(ひらたきょうこ)教授(建築デザイン学科)より、日本女子大学に設置されている妊産婦・乳児救護所の特徴や、実際の運営を想定した説明が、救護所となる空間を使って行われました。
その後、学生が制作した動画にて救護所の開設訓練や避難所生活の様子を視聴しました。参加者は、どのような物資が用意されているのか、実際の生活空間はどのようになるのかを、具体的にイメージしながら確認しました。
さらに、備蓄物資を事前に確認してもらうため、備蓄物資の実物展示や地下1階の備蓄倉庫の見学も行われました。学生ボランティアの案内のもと、少人数のグループに分かれて施設内を巡りました。現物を見ることで、「足りないものは何か」「家庭で用意するものは何か」といった視点が自然と生まれる機会となりました。
立場を越えたグループトークと交流
後半は、参加者によるグループトークを実施しました。前半は、防災士と親子それぞれの立場で意見を交わし、後半では、防災士、子育て中の保護者、本学教員、文京区職員が交わって交流を行いました。
赤ちゃんと一緒に参加された方もいて「この子を連れて避難するためには、何の準備がいるのか」「ベビーベッドが小さすぎるのではないか」「避難経路は事前に確認する必要がある」などについて活発な意見交換が行われ、自治体と研究、そして支援者が結びつく場となりました。
大学・行政・地域がつながる防災の学び
まとめでは、文京区防災危機管理課、本学教員から、それぞれの立場での振り返りが行われました。災害時の備えは行政任せではなく、家庭や地域、大学が連携して考えていくことの重要性が改めて共有されました。
妊産婦や乳児を抱える家庭にとって、防災は日常生活の延長線上にあります。本イベントは、現場を見て、話し合い、考えることで、各々が「自分ごと」として防災を捉え直す機会となりました。
子育てサイエンス・ラボの取り組み
JWU子育てサイエンス・ラボは、本学の学際性を生かした子育て関連の研究・社会連携活動を行う機関として、2021年に社会連携教育センター内に設立されました。
研究成果や実践的な知見を社会と共有する場として、「子育てサイエンス・カフェ」を年に数回開催しています。
今後も地域や行政と連携しながら、安心して子育てができる社会づくりに貢献していきます。
