幼稚園から大学まで、ことばを越えてつながる

2026.09.07

【国際交流】マウント・ホリヨーク・カレッジのインターン生と育む、学園全体の国際交流

マウント・ホリヨーク・カレッジとの協定を生かした国際交流

日本女子大学では、協定大学である米国のマウント・ホリヨーク・カレッジ(Mount Holyoke College、以下MHC)から、毎年、学園全体の英語教育と国際交流を支援するインターンシップ実習生(以下 インターン生)を受け入れています。2026年度は、同大学の学生であるメーブさんとイザベラさんが、5月25日(月)から7月24日(金)まで本学園で活動しました。インターン生の2人は大学での授業や語学交流プログラムだけでなく、附属豊明幼稚園、附属豊明小学校、附属中学校、附属高等学校、ほうめいこどもクラブなどでも活動しました。

幼稚園から大学までを擁する日本女子大学の学園全体で行われるこの国際交流は、単に英語を学ぶためのものではありません。異なる文化や価値観を持つ人と出会い、相手に関心を持ち、自分の思いや考えを伝えようとする経験を重ねる取り組みです。

附属校園で育む、ことばを越えた交流

インターン生は、ほうめいこどもクラブ、附属豊明幼稚園、附属豊明小学校、附属中学校、附属高等学校の授業や行事にも参加しました。

園児や児童にとって、インターン生との交流は、英単語や表現を覚えることだけではなく、自分とは異なることばや文化を持つ人が身近にいることを知り、その人に関心を持ち、知っていることばや表情、身ぶりを使って思いを伝えようとする。その経験自体が、異なる背景を持つ人と関わる第一歩になります。

(1枚目)ほうめいこどもクラブで、児童の輪に入って交流するメーブさん(左)とイザベラさん(右)/(2枚目)英語の本の読み聞かせをするメーブさん

中学生や高校生になると、交流はさらに双方向のものへと広がります。メーブさんとイザベラさんからアメリカのキャンパスライフについて話を聞く交流会を行いました。
大切なのは、相手の話に耳を傾け、自分の考えていることを、相手に分かるように工夫して伝えることです。本格的に英語を学び始めて間もない中学1年生が、習得した表現を組み合わせて2人に伝えようとする姿がありました。

幼稚園から高等学校まで、成長段階に応じた形で異なる文化や価値観を持つ人と出会い、交流を重ねられることは、本附属校園ならではの特徴です。

(1枚目)中学校での交流会の様子/(2枚目)幼稚園で園児に挨拶する様子
(1枚目)中学校での交流会の様子/(2枚目)幼稚園で園児に挨拶する様子

交流を通して、異なる背景や価値観に出会う

大学では期間中、インターン生と学生が気軽にことばを交わせる場として、「English Chat Room」と「Japanese Chat Room」が定期的に行われました。英語や日本語の練習を入り口に、大学生活や文化、身近な話題について会話し、互いの背景や価値観を知る機会となりました。

また、インターン生は本学の若手職員を対象に、MHCの教育や学生生活、米国の文化などを紹介するプレゼンテーションも行いました。プレゼンテーション後には、職員から英語で質問が寄せられ、インターン生との質疑応答も行われました。職員にとっても、協定大学やそこで学ぶ学生を身近に感じ、学園における国際交流のあり方を考える機会となりました。

MHCフェアでは、インターン生がキャンパスや授業、寮生活などを紹介し、本学学生からの質問に答えました。当日参加した本学学生にとって、実際にMHCで学ぶ学生の話を直接聞くことで、海外の大学での学びや暮らしを具体的に知り、留学や異文化への関心を広げる場となりました。

(1枚目)「English Chat Room」では英語で交流/(2枚目)「Japanese Chat Room」では日本語で交流
(1枚目)「English Chat Room」では英語で交流/(2枚目)「Japanese Chat Room」では日本語で交流
(1枚目)若手職員向けプレゼンテーション後の記念の1枚/(2枚目)学生にMHCのキャンパスライフや魅力を伝えるメーブさんとイザベラさん
(1枚目)若手職員向けプレゼンテーション後の記念の1枚/(2枚目)学生にMHCのキャンパスライフや魅力を伝えるメーブさんとイザベラさん

授業を通して、留学と英語教育を実践的に考える

インターン生は、国際文化学科の田中有美教授が担当する「留学準備演習」に参加しました。授業では、文学作品の登場人物や物語の内容に関するクイズを英語で出題。学生たちはチームに分かれて相談し、答えを黒板に書きながら、本文の表現や根拠を確認しました。インターン生とのやりとりを通して、英語で自分の考えを伝え、異なる視点から作品を読み解く実践的な学びとなりました。

また、英文学科の早野薫教授が担当する「英語科教育法」では、学生がインターン生に英語でインタビューし、聞き取った内容をもとに相手を紹介する「他己紹介」に取り組みました。好きな食べ物や映画、休日の過ごし方、旅行したい場所などについて質問し、得られた情報を整理して英語で発表しました。相手の話を引き出す質問力に加え、会話の流れを整えながら、相手の人物像が伝わるようにまとめる実践的な英語活動となりました。授業の最後に、外国語での会話を進める際、相手の話が長くなった場合や想定外のやりとりが生じた場合にも、丁寧さを保ちながら会話を立て直すことの重要性について振り返りました。英語を話す力だけでなく、相手に配慮しながら対話を進める力についても考える機会となりました。

(1枚目)グループに分かれクイズの回答を黒板に書く学生たち/(2枚目)学生に回答の理由を尋ねるメーブさん(国際文化学科の授業)
(1枚目)グループに分かれクイズの回答を黒板に書く学生たち/(2枚目)学生に回答の理由を尋ねるメーブさん(国際文化学科の授業)
メーブさんとイザベラさんへの質問の回答をもとに、2人の他己紹介をする学生たち(英文学科の授業)
メーブさんとイザベラさんへの質問の回答をもとに、2人の他己紹介をする学生たち(英文学科の授業)

活動を振り返り、一人ひとりのつながりへ

活動の最後には、約2か月にわたる活動を締めくくる送別会が開催されました。メーブさんとイザベラさんは、幼稚園から大学までのさまざまな教育現場で過ごした日々を振り返り、園児や児童、生徒、学生との関わりをとおして学んだことや、本学園の教職員への感謝を伝えました。

2人は、年齢や英語力の異なる相手に合わせて、ことばの選び方や話す速さ、活動の進め方を工夫した経験を紹介しました。幼稚園やほうめいこどもクラブでは、当初は子どもたちとの距離の縮め方に戸惑いながらも、鬼ごっこなどの遊びに参加し、簡単な英語を織り交ぜることで、自然なコミュニケーションへとつなげていきました。附属豊明小学校では、歌やダンスを取り入れた英語の授業を支援し、緊張している児童に個別に声をかけながら、発音や活動をサポートしました。

大学の授業では、英語だけで進む活動に学生が戸惑う様子を見て、少人数のグループで相談できる形式に変更するなど、学生が安心して発言できる環境づくりを心がけました。また、難しい内容を簡単な質問に分けたり、理解しやすいことばで説明し直したりする中で、相手の状況に応じて伝え方を変えることの大切さを学んだといいます。

「English Chat Room」では、学生たちが間違いを恐れながらも、勇気を持って英語で話し続ける姿が印象に残ったと振り返りました。一方、「Japanese Chat Room」では、インターン生自身が本学学生から日本語の自然な表現や若者ことばを学びました。インターン生が英語や米国の文化を伝えるだけではなく、本学の学生や子どもたちから日本語や日本文化、相手に寄り添うコミュニケーションのあり方を学ぶ、双方向の交流となりました。

活動を振り返るプレゼンテーションをするメーブさん(左)とイザベラさん(右)
活動を振り返るプレゼンテーションをするメーブさん(左)とイザベラさん(右)

パーティでは、スーパーバイザーの田中有美教授と国際交流委員長の堀内ふみ野准教授から、2人に活動修了証(Certificate)と記念品が贈られました。お二人の先生からは、学生の隣に立って安心して参加できる場をつくったことや、難しい内容を分かりやすく伝えた2人の姿勢に触れ、学園のさまざまな場で交流を支えたことへの感謝を伝えました。

会の終了後も、2人と写真を撮ったり、SNSの連絡先を交換したりする学生が列をつくりました。約2か月にわたって顔を合わせ、ことばを交わした経験が、協定大学同士の関係にとどまらない、一人ひとりのつながりへと広がったことが感じられました。

日本女子大学では、これからもMHCとの協定を生かしながら、異なる文化や価値観を持つ人々が出会い、互いに学び合う機会を学園全体で育んでいきます。

交流会の様子
交流会の様子
(1枚目)田中有美教授から、メーブさんとイザベラさんに活動修了証が贈られた/(2枚目)送別会に参加した学生とともに記念写真
(1枚目)田中有美教授から、メーブさんとイザベラさんに活動修了証が贈られた/(2枚目)送別会に参加した学生とともに記念写真