明治と一緒に創る、大学生のための食育プログラム

2023.03.02

明治と一緒に創る、大学生のための食育プログラム

株式会社明治との社会連携授業

1月16日(月)と1月19日(木)の2日間で株式会社明治(以下「明治」)との社会連携授業が行われました。この授業は、JWU 社会連携科⽬「社会連携を学ぶB※1」として、昨年度に続き、明治の食育担当者と明治のクリエイティブ制作を担当する広告企画会社の方々をゲストに招き、「これからの食育」をともに考えていきました。

■1日目
明治 食育担当者と学生が一緒に企画を考えるワークショップ
テーマ:大学生を対象とした食育

明治社内で食育を担当する専門部署の若手メンバーで構成された「食育みらい会議」が考えた3つの食育プログラムについて、本学学生と明治メンバーがディスカッションしました。挙がった意見は、明治側でプログラムへのフィードバックが検討されます。
対面とオンラインのハイブリッド開催で、明治は北海道から福岡まで全国7拠点から食育担当者が参加し、学生の声に耳を傾けました。また「食育みらい会議」には本学OGもおり、卒業生と現役生の交流の場ともなりました。

授業では「食育みらい会議」のメンバーと学生らが混合でA、B、Cに分かれてグループワークを行いました。

Aチームの食育プログラムのテーマは、明治から発売しているフェムニケアフード※2でした。学生からは、女子大生は女性特有の問題がテーマであると参加しやすい一方、共学の場合は男性が興味を持ってくれるのかは疑問だ、男性がいる場では女性は参加しにくいのではないかといった懸念点や、プログラムのタイトルを女性向けに限定せず、男性も興味が持てるタイトルにしてはどうか、といった提案も挙げられました。
広島エリアの担当者からは、広島では男女が一緒にフェムニケアを学ぶ食育プログラムを実施しており、男性も女性の体のコトを学び、パートナーの体調を気遣えるようになると興味を持ってくれることもあると教えてくださいました。

Cチームはインターンシップがテーマでした。学生からは、食育の募集におけるSNSの活用や、商品パッケージを利用した募集告知アイデア、またインターンシップの内容についても意見が挙がりました。講義型よりもグループディスカッションなど参加型のプログラムにしてはどうか、仕事体験を盛り込んではどうか、といった就活生がより関心を持てる内容を提案しました。

初日のグループワークを終え、感想共有タイム。明治担当者からは、頭の柔らかい発想をいただいたことで固定観念に捉われていたことに気付いた、学生の意見を反映しながら明治側と受講者それぞれのメリットを見つけたい、といった感想がありました。学生からは、明治側の意図を聞きながら直接の意見交換ができて勉強になった、提供側である明治と対象者である大学生の感覚が、意外に合っていないこともあると気づけたことが発見だった、と話しました。

明治担当者は対面と遠隔で、学生とのグループディスカッションに参加

■2日目
学生が企画した食育プログラムを明治広報部にプレゼンテーション

5グループに分かれて本学学生が独自に検討した明治と本学の特色を組み合わせた社会連携アイデアを、明治広報部に向けプレゼンテーションをしました。
① Aチーム「健康食で社会貢献」
明治の食育の活性化(学ぶだけでなくアウトプット機会の創出)、明治=お菓子メーカーというイメージからの脱却
【具体案】レシピ開発コンテスト、SDGsカフェの運営、学食やカフェの利益の一部を明治開発部またはカカオ産出国への寄付、廃棄されたカカオの殻を再利用

② Bチーム「参加型食育の提案」
一方通行に感じる現在の食育について、双方向のコミュニケーションを重視した「リアル」な食育の場を提供。リアルとは、「わかっているけど、できない!」に寄り添う食育を届けること。明治が学生の悩みをヒアリングする場を設け、商品開発を通して悩みに応える。
【具体案】附属校園も含めた各校で『明治なんでも相談会』を開催、新しい明治らしさ=「リアル」な悩みに寄り添ってくれる企業というブランディング

③ Cチーム「心の健康にもアイデアを」
健康を促進しすぎる社会への嫌悪感、細身の身体が望まれる社会の風潮、間違った方法のダイエットなどによる心理的負担を軽減するための商品開発。体だけにとどまらない心の健康にも寄り添う企業であるという新しい明治らしさを作る。
【具体案】心の健康に効くとされる成分、セロトニンの増加促進を期待できる商品を開発(明治からの発売が少ないスナック菓子、ナッツ、豆類、乳製品(セロトニン多)を取り入れた商品、味噌とチョコレートを使用した商品

④ Dチーム「明治×水 カカオサーモンプロジェクト」
明治に「水」という新しいイメージを作る。明治のリソースを使い、水に関する課題解決に貢献。水にも優しい明治として、食に関する健康だけではなく、環境の健康にも配慮した企業を目指す。
【具体案】カカオの新しい価値創造(サーモンにカカオの非可食部を餌として与える陸上養殖)、本学が協定を結ぶ日高町(北海道日高管内7町のひとつ)との地域連携、ブランディング・PRへの学生の参画

⑤ Eチーム「ザバスと日本女子大学」
筋肉を付けたい人が飲むものというイメージのあるプロテイン飲料「ザバス」ついて、健康のために飲むものという新たなイメージ作り「プロテインをもっと身近なものに!」
【具体案】パッケージリニューアル、北海道の高校と牛乳消費のためのコラボレーション、文京区スポーツ施設とのコラボレーション

写真左)発表する学生
写真右)各チームのプレゼンに対して他チームの学生から質問が飛ぶ

各チームは堂々と自分たちの企画を発表し、そのさまざまな切り口や取り上げた課題、リアルなものから壮大な規模で取り組む提案は明治広報部にも多くの気づきがあったそうです。明治担当者からは、明治の企業イメージは若い学生たちの間では、まだお菓子のイメージが強いことが分かった。学生の皆さんのSDGsの知見が深く、健康に対する関心の強さを知ったことが収穫だったと講評をいただきました。

他方、学生にとっては企業の方々と一緒に考え、企業の企画に意見を出し、また自分たちの企画をプレゼンするといった貴重な機会に際し、率直な意見を述べ、プレゼン終了後も臆することなく明治担当者とディスカッションをしていました。

写真左)学生の発表内容をメモする明治、広告企画会社の明治担当者
写真右)最後に明治担当者全員から講評をいただいた

最後に授業担当の田井中慎先生は、社会連携を学ぶとは何か?を学生に問いかけました。それは社会とつながる/つなげる力を身につけることであり、学生の皆さんにおいては就職も自身が社会とつながる一つの連携であると伝えました。

この授業で学び考え、アウトプットしたことを糧に、学生たちが積極的に社会と繋がっていくことを期待しています。

※1 JWU社会連携科目とは?
学部横断型の選択科目。地域や社会が抱える多様な課題について実践的に取り組むことにより、女性が社会で力を発揮するための豊かな行動力を身につける科目です。学生たちは自身の学部での学びを生かし、当事者意識を持ちながらクリエイティブな提案力や協働力を身につけることを目標としています。

※2 フェムニケアフード
「女性(Female)」+「ケア(Care)」+「食品(Food)」をあわせた言葉。女性特有のカラダや健康をケアするための食品を表現したもので株式会社明治が創造する新カテゴリー名。