子どもたちと考える海のプラスチック問題

2022.10.17

子どもたちと考える海のプラスチック問題

理学部化学生命科学科の学生2名が「夏休み!多摩区エコフェスタ」に出展

授業で学んだ環境問題を子どもたちにも伝えたい

8月5日(金)、川崎市多摩区役所で開催された「夏休み!多摩区エコフェスタ」に理学部化学生命科学科の学生2名(田中彩桜さんと橘琴美さん、いずれも2年次)が、「体験!海のプラスチック問題」と題した体験プログラムを出展しました。
この出展は、本学と包括連携協定を締結している、川崎市多摩区役所からの協力依頼があり、理学部で募集したところ、田中さんと橘さんから手が挙がり、実験器具や機器類の貸し出しなど、化学生命科学科の協力も得て、実現することができました。

今回のプログラムについて、「環境科学の授業で『プラスチックによる海の汚染問題』の深刻さを知ったのがきっかけ」だと話す、田中さんと橘さん。
「マイクロプラスチックの存在を知り、私たちが出したプラスチックゴミが海や大気にまで影響を及ぼし、地球規模で生き物を傷つけていることに衝撃を受けました。私たちが学んだことを子どもたちに実験を通して伝えることで、身近なところにプラスチック汚染の影響がある事実を知ってもらいたいと思い、このテーマにした」そうです。

(写真左)小学生にも分かりやすいように、資料を作り説明
(写真左)学科から顕微鏡を借りマイクロプラスチックを観察

子どもたちの姿を見て感じた実験の大切さ

当日は、定員を超える応募があり、抽選の結果、小学生と保護者の計18名が参加。小学生たちは、田中さんと橘さんの指導のもと、砂浜で採取した砂を塩水に入れ、マイクロプラスチックを比重の違いで分ける実験を行い、大学から持ち込んだルーペや実体顕微鏡で、分けたマイクロプラスチックを観察しました。また、実験の合間には、プラスチックゴミに関する解説も挟むことで、海のプラスチック問題について考えてもらい、みんなで解決策も考えました。

参加した小学生からは、「思ったより海にはゴミが多いことがわかった」(小学3年生)、「今の日本の海にはプラスチックゴミやマイクロプラスチックがたくさんあって、あぶないと思った。自分にできる3R(リユース・リデュース・リサイクル)を積極的に行って、海に流出するプラスチックを減らしたい」(小学6年生)といった感想が寄せられました。

今回の出展に関して田中さんと橘さんは、「小学生向けの実験や資料を考えるのは難しかったですが、参加者の方々から『なるほど!』『面白い!』といった声を聞くことができて嬉しかったです。砂から分けたマイクロプラスチックを見て、『こんなにあるんだ!』という声も出ていて、私たちが伝えたかった海の汚染問題の重大性を伝えることができたように思います。また、子どもたちがルーペや実体顕微鏡で真剣に観察する様子を見て、五感を通して実験する大切さを再認識しました。この活動に参加して本当に良かったです。今回の経験を学びとして、今後に活かしていきたいです」と話していました。

(写真左)本プログラムのために砂浜で採取した砂
(写真右)塩水に入れることでプラスチックの比重分離を行う

今後も日本女子大学社会連携教育センターでは、地域や企業と連携し、学生の学びを深めていく取り組みを進めてまいります。