英語教育と心理学を掛け合わせ、多様な生徒に寄り添う——英文学科から「トビタテ!留学JAPAN」第17期生に採択
2026.04.22
文学部英文学科4年の吉永さんは、文部科学省が実施する官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」(以下、トビタテ)第17期生として合格しました。トビタテ合格までの道のりには国際交流課の存在が大きかったと語ります。
吉永さんの留学先は、アメリカのマウント・ホリヨーク・カレッジ。
トビタテにおける留学計画のテーマは「英語教育と心理学の融合で、多様な生徒の支援法を探求する」。留学を志した背景や、合格までの道のり、大学からのサポート、そして留学先で挑戦したいことについて語ってくれました。
合格を知ったときの率直な気持ち
合格を知ったのは、教育実習の期間中でした。国際交流課から連絡をいただき、結果を知りましたが、率直に驚きました。
面接当日は、会場に集まっている方々の様子を見て本当にすごい人ばかりだと圧倒されていました。自分自身は、特別に目立つような珍しいことを話したわけでもないと思っていたため、自信を持って面接を終えたという感覚はありませんでした。だからこそ、合格の連絡を受けたときは驚きの方が大きかったです。
応募のきっかけは国際交流課
留学費用の負担は大きいため、奨学金制度を探していました。その際、国際交流課からのお知らせを見て、OGの方のお話を聞き、トビタテに魅力を感じました。金銭的な支援はもちろんですが、トビタテ生同士のネットワークがあることも大きな魅力でした。
トビタテで留学するということは、自分で考え抜いた留学計画や挑戦したいことを、他の人に「良い」と認めてもらい、応援してもらえるということでもあります。その後押しがあるからこそ、留学をより一層頑張れるのではないかと思いました。
通っていた高校には国際コースがあり、トビタテのポスターが貼られていたため、名前自体は以前から知っていました。ただ、大学に入学した当初はその存在を忘れており、最初から応募しようと決めていたわけではありません。
大学1年生の頃から留学したいという想いはあったため、国際交流課には毎年相談に行っていました。教職課程の教育実習の都合で留学できるタイミングは4年生に限られていて、さまざまな奨学金制度を検討する中でトビタテを知りました。そのため、本格的に「トビタテで留学しよう」と決めたのは大学3年生のときです。
留学のために動き出したタイミングについて
漠然と留学したいという気持ちだけでは難しいかもしれませんが、留学先で何をしたいのか、どのような留学にしたいのかがはっきりしていれば、どのようなタイミングでも遅いことはないと思います。
私自身、当初は言語学を中心に留学したいと考えていましたが、大学で学ぶ中で心理学に強い関心を持つようになりました。やりたいことが明確であれば、いつ動き出しても遅れを取ることはないと感じています。
むしろ、考え始めた時期が遅いからといって諦めてしまうのはとてももったいないことだと思います。トビタテは、面接に向けた過程そのものが大きな学びになります。さまざまな人と出会い、自分の留学計画と真剣に向き合う機会になるため、決して無駄にはなりません。
ダイバーシティコースを選んだ理由
私はダイバーシティコースで応募しました。この分野は扱うテーマの幅が非常に広く、倍率も高いと聞いていました。実際、倍率は6.4倍でした。
それでもこの分野を選んだのは、自分がこれまで関心を持ってきた教育や心理学、異なる背景を持つ人への支援というテーマが、この分野に最も重なると感じたからです。
書類作成と国際交流課を中心としたサポート体制について
もともと考えていた留学計画を、トビタテに合う形に組み直しました。その中で最も助けになったのは、国際交流課が企画した「トビタテ生の卒業生とのオンライン相談会」に参加し、OGの方に相談できる機会を設けてくださったことです。出願前に2名のOGの方とお話しすることができ、留学計画やアンバサダー活動※、エヴァンジェリスト活動※について相談しました。
また、面接の雰囲気についても事前に聞くことができたため、心構えを持って当日を迎えることができました。過去の面接記録を共有していただいたことも、大きな助けになりました。
不測の事態でも国際交流課で受講した面接対策や柔軟なフォローが役立った
体調不良のため、予定していた講師による面接指導と、国際交流課による面接練習ができないというトラブルがありました。その際、国際交流課が私のために個別の質問リストを作成してくださいました。OGの方からも、応募書類を踏まえた鋭い視点でのアドバイスをいただき、想定質問を自分なりに整理しました。
ロールプレイング形式の面接練習はできていなかったため、不安は大きかったですが、以前、トビタテ以外の留学奨学金制度に応募するための面接練習を国際交流課にサポートしてもらっていた経験が、ここで役に立ったと感じています。面接前日には声が出なくなるというアクシデントもあり、当日はガラガラの声で臨みました。それでも、自分なりに準備してきたことを伝えようと心がけました。
プレゼンテーションでは、OGからの「印象を残すことが大事」というアドバイスをもとに方法を考え、教育について探求したいというイメージをつけるためにも黒板を使うことにしました。原稿を読むのではなく、黒板に図を書いたり資料を貼ったりしながら話せるように練習しました。一般的には完成されたフリップボードを使う人が多い中で、黒板は面接官の記憶に残ったのではないかと思います。
アンバサダー活動・エヴァンジェリスト活動への思い
アンバサダー活動※では、日本文化を伝えることを大切にしたいと考えています。高校時代の留学では、浴衣の着付け教室や折り紙教室、夏祭りの企画などを自分主体で行った経験があります。その際に、日本を知ってもらえたことが嬉しかったので、今回の留学では寮生活の中で日本文化を体験してもらったり、日本食を振舞ったりして日本のことを伝えられればと思っています。
また、高校時代に外国籍の子どもに日本語を教えた経験があり、現在も中学校で教育支援ボランティアとして活動しているため、その経験を生かし留学先の大学で日本語を学んでいる学生に、日本語を教えることにも挑戦したいです。
エヴァンジェリスト活動※では、学内の留学相談会や報告会などで、自分の体験を伝えたいと考えています。特に、英文学科には留学に興味を持つ学生が多いため、自分の体験が誰かの一歩につながれば嬉しいです。私自身が先輩方に背中を押してもらったからこそ、次は自分がその役割を果たしたいと思っています。
留学先で楽しみにしていること
留学先では、教育に関わるボランティア活動と授業の両方を楽しみにしています。発達心理学を学んでいるため、小学生から大人まで幅広い世代を支援する教育に関わりたいと考えています。
留学先の大学には「コミュニティ・ベースド・ラーニング」という、インターンシップやボランティアを授業として履修できる制度があり、実践活動の幅がさらに広がると感じています。
また、寮生活も楽しみの一つです。寮での食事やルームメイトとの生活には不安もありますが、それも含めて将来に役立つ経験になると思っています。
トビタテの経験を将来にどう生かすか
将来は英語教員になることが目標です。教員を目指すようになったのは、中学生の頃から人に教えることが好きだったことや、憧れの先生の存在が大きいです。授業だけでなく、生徒のために教室を整えたり掲示物を作ったりする姿を見て、教育の仕事の奥深さを感じました。その思いは今も変わっていません。英語の専門的な知識だけでなく、心理学的な視点からも生徒を支えられる教員になりたいと考えています。発達心理学や教育心理学の知識を生かし、一人ひとりに合った教育を実践したいです。
日本女子大学だからこそ新たな一歩が踏み出せた
日本女子大学は少人数で学べる環境があり、先生や職員の方との距離がとても近いと感じています。必修科目でも20名程度のクラスが多く、大学1年生の頃からアドバイザーの先生に留学について相談していました。
国際交流課にも頻繁に足を運び、どんなことでも相談できる雰囲気があります。専門分野に詳しい職員の方が多く、手続きなど細かい点まで丁寧に教えていただけるのは心強いです。国際交流課からさまざまな提案をしていただき、それが新しい挑戦のきっかけにもなりました。
高校生へのメッセージ
挑戦することはとても大切だと思います。一人で抱え込まず、周りの人や大学を頼りながら考えていくと良いと思います。まずは相談してみてほしいです。
トビタテはすごい人ばかりで、自分には無理なのではないかと不安になることもあると思いますが、英語に不安があっても大丈夫です。挑戦せずに諦めてしまうのは本当にもったいないです。
私自身4年生で留学することや、周囲が就職活動を進める中で留学準備をすることに不安はありました。それでも、諦めてしまったら後悔すると感じ、挑戦することを選びました。トビタテに合格したことは、大きな自信につながっています。留学を決断してよかったと今は心から思っています。
文部科学省は、意欲と能力ある全ての日本の大学生や高校生が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、2013年に留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を開始しました。
第1ステージ(2013年度~2022年度)に実施した海外留学支援制度「日本代表プログラム」においては約9,500人の若者が採択され、海外での多様な実践活動の経験等を経て、グローバル人材としての成長を遂げています。
このような成果を踏まえ、引き続き、産学官をあげてグローバル人材育成の取組を強化するため、2023年度から新たなビジョン及びコンセプトを掲げた第2ステージ(2023年度~2027年度)を実施しています。
第2ステージにおいては、新たなビジョン「日本の若者が世界に挑み、“本音と本気”で国内外の人々と協働し、創造と変革を起こす社会」及び、コンセプト「Challenge,Connect,Co-create」を掲げました。事業の3つの柱として返済不要の奨学金を支給する「新・日本代表プログラム(5年間で高校生等4,000人以上、大学生等1,000人以上)」、留学に関する情報の集約とステークホルダーの連携を強化する「留学プラットフォーム事業」、帰国後のトビタテ生が国内外の団体と協働し各方面で活躍する人材を育成する「価値イノベーション人材ネットワーク事業」を実施しています。
(「トビタテ!留学JAPAN」ホームページより)
※…アンバサダー活動とは留学先で「日本」や「日本文化」、「自身の出身地」の魅力を発信し、日本のファンを増やす活動で、帰国後はエヴァンジェリスト(伝道師)として留学経験を周りに伝える役割も担う。
