食物学科3年82名が、学園祭で発信! 世界に広めたい食習慣「The Japan Diet」

2025.11.27

2025年度食物学科3年有志企画「未来につながる食習慣!~世界に広めたい、The Japan Diet~」

食物学科3年82名が、学園祭で発信! 世界に広めたい食習慣「The Japan Diet」

10月18日(土)、19日(日)に本学の学園祭「第72回目白祭」が開催され、食物学科の有志が「未来につながる食習慣!~世界に広めたい、The Japan Diet~」をテーマに展示と食事提供を行いました。有志は食物学科食物学専攻および管理栄養士専攻の3年生で、専攻を越えて協力しました。

「The Japan Diet」から健康的な食習慣を考える展示

「The Japan Diet」とは、日本動脈硬化学会が推奨する動脈硬化の予防に役立つ食様式です。現代の日本人の食生活には栄養バランスの偏りや食塩の過剰摂取といった課題があることから、「The Japan Diet」をテーマに展示を実施し、2日間で約750名の来場者を迎えました。
展示にあたって、食物学科の学生やその家族など594名を対象にアンケートを行ったところ、「The Japan Diet」の認知度は約5分の1にとどまっていました。そこで、推奨される食品群の説明と、日常の食事に取り入れやすい「おいしい調理法」をポスターでわかりやすく紹介しました。
加えて、旧正月・お花見・ハロウィン・クリスマスの4つのテーマで、推奨食材を使った献立を学生が1から考案。様式にとらわれず実践できることを示す目的で作られたメニューは、麦飯とろろをおばけに見立てたハロウィン献立など見た目にも工夫を凝らし、季節や国籍を問わず楽しめる内容になっています。これらは会場ポスターとレシピブックにもまとめられ、多くの来場者から好評を得ました。

壁やパネルに資料や献立を掲示し、体験コーナーでは「食育SATシステム」を導入。フードモデルをセンサーに乗せるだけで栄養価と食事バランスが表示され、学生が不足しがちな栄養素を分かりやすく解説しました。
来場者は展示のクイズに答えながら見学し、全問正解者はガチャポンで景品を獲得。廊下にはフォトスポットも設け、楽しみながら学べる工夫をしました。

心と体に優しい「The Japan Diet」ランチ!

食事提供は給食経営管理実習室で行いました。1食600円の食券は販売開始から1時間以内に完売し、用意した140食を両日ともすべて提供しました。衛生管理を徹底した会場では、ホール担当の食物学科有志学生が来場者にご飯の量や飲み物の希望を伺い、献立の説明を丁寧に行いながら手際よく食事を提供しました。
メニューは学生が試作を重ねて考案し、雑穀・鯖・こんにゃくなど「The Japan Diet」で推奨される食材を取り入れています。鯖にはカレー粉やハーブを合わせ、海藻サラダには野菜の甘みをいかしたノンオイルドレッシングを手作りするなど、食塩を控えながらも満足できる味わいになるよう工夫しました。
2日間で延べ32名の学生が厨房を担当。事前に資料や動画で役割を共有し、オレンジのきれいで素早い剥き方なども全員で練習するなど細部まで準備を整えた結果、会場は「美味しい!」という声と笑顔であふれました。

十五穀米ごはん、鯖の香草パン粉焼き~トマトバジルソースがけ~、オレンジ香る♪海藻サラダ~手作りオニオンドレッシング~、大豆と野菜のジュリエンヌスープ、ヨーグルトパンナコッタ
カフェのような装飾とBGMで居心地の良い空間が演出され、来場者はゆったりと食事を満喫しました
厨房、ホール、チケット販売を担当する学生たち

企画・運営した目白祭委員へインタビュー

今年度は食物学科の3年生全員(食物学専攻3年生38名、管理栄養士専攻3年生44名)が有志メンバーとして企画に参加しました。全員が主体的に関われるよう企画を統括したのは、目白祭委員9名です。委員の中から、展示のリーダーを務めた食物学専攻3年の石坂莉子(いしざかりこ)さんと、食事提供のリーダーを務めた管理栄養士専攻3年の竹木田真優(たけきだまゆ)さんに、今回の企画にかける思いや学びを伺いました。

左から展示リーダーの石坂さん、食事提供リーダーの竹木田さん
左から展示リーダーの石坂さん、食事提供リーダーの竹木田さん

——展示と食事提供、それぞれ大変だったことは何ですか?

石坂:展示で大変だったことは「情報の正確性」を担保することです。ポスター作成の際には、全ての出典を確認しました。また来場者に伝わりやすくするために、レイアウトや改行までこだわって何度も確認・修正をしたのも大変でした。

竹木田:管理栄養士専攻3年次の前期授業「給食経営管理実習」で1日100食を提供した経験はありましたが、今回は140食を2日間連続で提供する必要がありました。厨房のスペースや器具が限られる中で、いかに効率的に時間どおりに提供するかを考えるのが大変でした。

 

左から展示チームが作成したレシピブック/食事提供チームが時間どおりに運営できるよう時間ごとの役割分担を示した作業工程表
左から展示チームが作成したレシピブック/食事提供チームが時間どおりに運営できるよう時間ごとの役割分担を示した作業工程表

——学園祭を終えて、感想を教えてください。

石坂:来場者のアンケート結果が全体的にとても高評価で、自分たちが伝えたかったことが届いたと感じられて嬉しかったです。
竹木田:280食を事故なく時間どおりに提供できて、本当に安堵しました。食事を終えたお子さんがカウンターに来て「おいしかったよ!お父さんのパンナコッタももらって2個食べたんだ」と話してくれたときは、とても嬉しかったです。

——今回の経験で得たものはありますか?

石坂:人を巻き込む力が身についたと思います。有志メンバーの人数が多かったため、目白祭委員の9名だけで企画を進めるのではなく、誰でも参加しやすい環境作りを意識しました。食事会を開いたり、情報共有を丁寧に行ったりして、これまであまり話したことのなかったメンバー同士の接点を増やす工夫をしました。
竹木田:私も似た点がありますが、とくにリーダーとして適材適所で役割を分担する力が磨かれました。食材発注やホール経験がある人にはそれを任せ、器用な人には野菜のカットやジャムでイラストを描くことをお願いするなど、1人ひとりが「大変だけど苦ではない」と思える役割を見極めてチームをまとめました。

——本学食物学科に入学した理由、そして入学してみて感じたことを教えてください

石坂:中学生のころから栄養や食に興味があり、栄養学からテーブルコーディネート、食文化まで幅広く学びたいと思って食物学科食物学専攻に進学しました(※2025年からは「食科学科」)。入学して感じているのは、興味のある分野だからこそ授業のすべてが面白いということです。幅広い食の分野に対してそれぞれ専門の先生がいて、学生に近い距離で親身に指導してくださいます。大学の雰囲気も明るくのびのびしている点が魅力だと思います。
竹木田:私はもともと「身近な人の幸せに貢献するような人になりたい」と漠然と思っていました。高校で進路を考えたときに健康=幸福だと考え、食が健康に直結すると感じて管理栄養士を目指しました。オープンキャンパスで本学の質問対応の丁寧さがとても印象に残り、「ここなら自分のやりたいことが見つかる」と感じて第一志望として受験。現在は企業で管理栄養士として働くことを目指しており、やりたいことが明確になったので、日本女子大学に入学して本当に良かったと感じています。

——高校生へメッセージをお願いします!

石坂: 学校生活はとても充実しています。中学・高校よりも自分の興味を深められるので、知識や技術が日々身についていく実感があります。食分野の商品開発に携わってみたい人、おいしさを科学的に探求したい人、食文化から最新テクノロジーまで学びたい人には、食物学専攻(※2025年から「食科学科」)はおすすめです。やりたいことが「食」領域にあるなら、絶対入学した方が良い学科だと思います。
竹木田:私は本学を第一志望にしていたので、入学前に先輩のメッセージをモチベーションに勉強を頑張っていました。今、読んでくださっている高校生の皆さんも受験勉強が本当に大変な毎日ではないでしょうか。食物学科管理栄養士専攻(※2025年から栄養学科)は専門的に深く学べ、管理栄養士という国家資格の受験資格が得られる専攻です。少人数だからこそ深まるクラスの絆も魅力的で、入学して後悔することはないと思います。私自身、大学生活がこれまでで一番楽しいので、安心して受験に挑戦してください。
展示、食事提供、会計の各チームの中心となって活躍した目白祭委員。撮影時に不在だった2名をあわせて9名で、企画を成功に導きました。
展示、食事提供、会計の各チームの中心となって活躍した目白祭委員。撮影時に不在だった2名をあわせて9名で、企画を成功に導きました。
※今回の出展は公益社団法人日本フードスペシャリスト協会の「令和7年度 啓発活動推進事業」に採択されて実施いたしました。

※日本女子大学は、2025年4月に現在の家政学部食物学科食物学専攻/管理栄養士専攻を基とした、食科学部食科学科/栄養学科を開設しました。