わらべ歌を録音してイタリアへ!児童学科根津教授による地域連携イベント開催

2024.05.27

【社会連携】板橋区教育委員会×日本女子大学社会連携教育センター

4月20日(土)、本学と板橋区教育委員会との連携イベント「歌って遊ぼう わらべ歌!」が板橋区立中央図書館で行われ、計11名の子どもたちが参加しました。これは2014年4月に学校法人日本女子大学と板橋区教育委員会が、学術研究の発展と教育施策の充実のために締結した、包括連携協定のもとで開催されています。

“わらべ歌”を録音してイタリアへ届ける

本イベントは、板橋区立中央図書館の姉妹図書館であるイタリアのボローニャ市立サラボルサ児童図書館との連携事業でもあり、サラボルサ児童図書館が取り組む「POLPA(ポルパ)※」と呼ばれる「わらべ歌の収集プロジェクト」に賛同して行われています。日本のわらべ歌を収集・整理して、イタリアのサラボルサ児童図書館とボローニャの子どもたちに紹介することを目的としており、すでにサラボルサ児童図書館のホームページには、これまで参加した子どもたちが録音した15曲のわらべ歌が掲載されています。
2023年2月12日(日)に本イベントの第1回を行っており、今回は4回目となりました。一連のイベントの講師を務めるのは、家政学部児童学科の根津知佳子(ねづちかこ)教授です。「音楽を通したコミュニケーション(音楽教育学)」を研究しており、わらべ歌には「世代や地域をこえた人と人を結びつける力」があると根津教授は話します。
今回のイベントでは、まず図書館の外で身体を動かして遊び、参加者が自然と歌を口ずさめるようなリラックスした環境を作り、その後、参加者に数え歌や遊び歌などを歌ってもらい録音しました。イベント最後には参加者の子どもたちに感謝状と記念品をサプライズで贈呈しました。今回収集した歌もサラボルサ児童図書館に送る予定です。

※「P(POESIA):詩」「O(ORALE):口伝えの」「L(LUDICA):遊戯的」「P(PUERILE):子どもの」「A(AUTENTICA):本物の、正真正銘」の5つの単語の頭文字を取った造語。このプロジェクトの理念を表しています。

【講師の根津教授より】第4回「歌って遊ぼう わらべ歌!」を振り返って

 根津知佳子教授に、今回までのイベントを振り返って、コメントをいただきましたのでご紹介します。

  

1回、第2回は「みんなで歌おう!わらべ歌」というタイトルで室内での絵かき歌や手遊び歌を中心に収集しましたが、第3回目以降「歌って遊ぼう わらべ歌!」とタイトルを変えて、屋外での遊び歌をも集めてきました。20231227日(水)に開催したボローニャ市立サラボルサ児童図書館とのミーティングにおいて映像を交えて報告したところ、大変関心を持っていただき「両国の子どもたちが一緒に遊ぶことができたら……」という夢を共有することができました。

POLPA(ポルパ)」では、歌い継がれている歌だけではなくテレビやコマーシャルの影響を受けた現代的な遊び歌も歓迎し、子どもたちの生活世界や文化を知ることを大切にしています。今回もスタッフやご家族の知らない遊び(CCレモン、ガチャガチャとまれ等)や歌詞が省略されたわらべ歌(はないちもんめ、かごめかごめ等)を介して世代を超えたさまざまな対話が繰り広げられました。

当日、図書館の来館者の方々も含めて、誰もが楽しい時間を過ごすことができたことを嬉しく思いました。老若男女問わず、歌いながら遊びを共有するという場で、私自身が「なつかしさ」を感じると共に「新鮮さ」も感じました。日曜日の午後に平和公園に響いた明るく元気な歌声は、きっと多くの人々を元気にしたのではないでしょうか。

今後も本学では、社会連携教育センターを中心として地域や企業と連携し、より地域に根差した取り組みを進めてまいります。