【学生インタビュー】理学部数物情報科学科3年 小原有以さん、早坂夏菜子さん、齋藤寿江さん、渡邉涼帆さん

2023.02.15

【学生インタビュー】理学部数物情報科学科3年 小原有以さん、早坂夏菜子さん、齋藤寿江さん、渡邉涼帆さん

WUSIC主催「夏休みアプリ開発ブートキャンプ」最優秀賞受賞

「夏休みアプリ開発ブートキャンプ」とは

高度情報化したSociety 5.0時代を牽引する女性リーダーの育成を目的に設立された女子大学生ICT駆動ソーシャルイノベーションコンソーシアム(WUSIC)が主催するイベント。夏休み中の10日間で、社会に役に立つモバイルアプリケーションの開発を競う。2回目の開催となる今回は、同コンソーシアムに参画している大妻女子大学、東京家政大学、東京女子大学、津田塾大学、日本女子大学の5大学から6チームが参加した。

◆開催概要
 開催日:2022年8月19日(金)〜9月1日(木)
 プログラム:アイデアソン、データ分析、デザイン開発、アプリ開発、発表

◆チーム・作品概要
 チーム名:晴れマカロン

 メンバー:理学部数物情報科学科3年
 バックエンド担当…小原有以さん(リーダー)、早坂夏菜子さん
 フロントエンド担当…齋藤寿江さん、渡邉涼帆さん

 アプリ名:「Kiitos Mole(キートスモウル)」
 ごみ拾い促進アプリ
 ごみを拾って記録、集計結果をもとにランキングすることで貢献度の可視化
 自分が参加しやすいボランティアイベントを掲出、イベント参加のきっかけになる参加報酬としてクーポンなどを配布

写真左)前列左から小原さん、齋藤さん 後列左から早坂さん、渡邉さん
(写真右)アプリのデモをする小原さん

夏休みアプリ開発ブートキャンプで見事最優秀賞に輝いた晴れマカロンのみなさんに、開発背景や、学科の学びについてうかがいました。

チーム内での見解の違いがあるときはとことん話した

-まずは最優秀賞の受賞おめでとうございます。ご自身の感想や周りの方の反応をお聞かせください。
渡邉さん:ありがとうございます!自分たちでもとてもいいアプリが作れたのではないかと話していたのですが、実際に1位と発表された時はすごく驚きました。自分たちが作りたかったものを評価されて嬉しかったです。

齋藤さん:どのチームの作品も技術面やアイデアのクオリティが高かったので、その中で選ばれたことは素直に嬉しかったです。

小原さん:母にアプリを見せたら「4人でこれを作ったの?すごいね」と言ってくれました。そして最高の結果だったことを一緒に喜んでくれました。

-皆さんがこのイベントに参加しようと思われたきっかけはなんでしょうか。
小原さん:私と早坂さんが目白祭に参加したいと考えていた時に、WUSICの発起人でもある長谷川治久先生の声かけでこのイベントを知り、ここで開発したアプリを展示しようと思って参加を決めました。それに、コロナ禍ではみんなで集まって何かをすることがなかったので、チームで何かやり遂げることに挑戦したかったんです。
長谷川先生のお誘いで齋藤さんと渡邉さんも加わり、チームができました。

早坂さん:私はプログラミングに苦手意識があったのですが、アプリ開発をやってみたくて、この機会にチャレンジしようと思いました。

-早坂さんがキャラクターのモグラを描かれたと聞きました。
早坂さん:そうです。家族向けのアプリだったので、何かキャラクターがあった方がいいねという話になりました。
モグラは綺麗好きで、自分の巣の中のごみを集める習性があるそうです。それを調べてくれた齋藤さんから、「モグラでキャラクターを描いて」とピンポイントで依頼されました(笑)。

-アプリを形にするまでどのような点で苦労したか、また、どのような点にこだわったかを教えてください。
渡邉さん:コードを書いても、表現したいことと違う動きをしてしまうのが難しかったですね。また、デザインの実装よりも、このイベントのテーマである「SDGs」に沿っているかという点と、利用者とサービス提供者側のメリット・デメリットなどのビジネスモデルの展開を重点的に考えました。実はその点を中間プレゼンで厳しく指摘されました。

齋藤さん:講師の方から、ゴミ拾いを活性化するアプリなのに拾いたくなる工夫がされていない、もっと促進させるために考えてみてと指摘された上で、ペルソナを家族向けにしてみては?と提案をいただきました。その後、実際のアプリ開発に移る前に、指摘によって揺らいでしまった「誰に向けたどんなアプリを作るか」の根本を固め直しました。チーム内で見解の違いが出てしまった時は、チームでの話し合いに多くの時間を費やしました。

小原さん:私はリーダーとしてメンバーの全員の意思を理解し、まとめることに注力しました。具体的な役割決めでも、3人の意見はどこかに絶対取り入れようと思いました。早坂さんは絵を描くことが上手なのでイラストを、渡邉さんはフロントのコードを書くのが上手いのでその担当を、齋藤さんは意見を発表するのが上手なのでプレゼンの重要な部分を任せました。

「どんなアプリにするか」の根本を固めるために齋藤さんが整理したメモ
「Kiitos Mole」の動作イメージ

-このイベントを通しての一番の気づきや収穫は何ですか。
早坂さん:全員が同じ認識を持って進めることがチーム開発では重要だと感じました。それと、未経験でも恐れずチャレンジすることで一気に学びを得られることに気づくことができて、今後も興味のあることはチャレンジしようと思えるようになりました。

齋藤さん:チーム開発において、よく話し合い、明確に目標を定めることが大切だと感じました。

小原さん:一番の収穫はチームで何かをやり遂げることの楽しさと達成感を得られたことです。

-皆さんが同じ目標と認識で進むためにたくさん話し合われたことが伝わりました。
続いて大学の学びについておうかがいします。本学を選ばれた理由を教えてください。
小原さん:私は数物情報科学科の多くの卒業生が、最先端の企業で幅広く活躍されている点に魅力を感じて選びました。

早坂さん:私は中学校から日本女子大学の附属校に通っていました。学園祭に通う中で先生や学生さんの優しさに触れ、大学も日本女子大学に進学しようと思いました。中高生時代に先生から丁寧に勉強のサポートを受けて苦手科目も克服できましたし、自由で個性を伸ばす方針である一方、最低限のサポートはしっかりしてくれます。実際に入学してもその印象は変わりません。私にとって日本女子大学を選んだことは最高の選択でした。ぜひ記事にも書いてください(笑)。

-はい、書きます!齋藤さんは小学校から附属校ですよね?
齋藤さん:はい。私は人間関係における距離感の良さが気に入っています。友人間、学生と先生の間など、干渉しすぎず、必要な時には助け合える距離感に居心地の良さを感じています。

数学・物理・情報で習う基礎がコードに活きる

-情報コースを目指したきっかけはなんですか。学科や情報コースの魅力も教えてください。
渡邉さん:私は自分のスマートフォンがハッキングされて解約を余儀なくされた経験から、ネットワークセキュリティの勉強をしたいと思いました。情報コースでは、実際にネットワークサーバーをいじったり、プログラミングをしたり、自由に試行錯誤しながら勉強できるところが楽しいです。

早坂さん:私が情報に興味を持ったのはゲームです。子どもの頃から色々なゲームをプレイする中で、分岐はどうしているの?3Dはどうやって作っているの?という興味が湧いたことから、情報コースを目指すようになりました。数物情報科学科は、1年次に数学・物理・情報の全ての基礎を学びます。情報コースでも数学と物理の結びつきを意識した授業も多く、コードを書く際に、それら基礎で学んだ点が線でつながります。難しいですけど、とても面白い学科です。

小原さん:高校生の時、世界が第四次産業革命の真只中にあり、超スマート社会の実現を目指していると知って、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など第四次産業革命の核となる技術に興味を持ったのがきっかけです。当時理科部だった私は、科学技術を作ってみたいと思いました。
この大学の良さは、少人数制で先生にも丁寧に教えてもらえること、大学で困ったことがあっても安心して先生に相談ができることです。

齋藤さん:IT業界の最先端を学ぶことができて、自由にのびのび過ごせる環境なので、多くの高校生にこの大学で学んで欲しいなって思います。

-将来はそれぞれ開発者やIT企業でのビジネス職、セキュリティエンジニアなどを目指したいと話す皆さん。今後の活躍が期待されます。


■取材後記
取材に同席してくださった長谷川先生から、アプリブートキャンプの作品について、審査員企業からの評価をうかがいました。「Kiitos Mole」は特に中のコードの作り方が巧妙だったことが評価されたそうです。授業を受け持つ長谷川先生にとって、プロ目線でコードを評価されたことが非常に嬉しいとお話しになりました。