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【学生インタビュー】家政学部通信教育課程生活芸術学科 3年 山本冴さん

カーリング世界ジュニア選手権で優勝!—学業との両立—(後編)

2022年5月、スウェーデンで行われたカーリングの世界ジュニア選手権に日本代表として出場し、見事優勝した本学の上野美優さん(文学部日本文学科 4年)と山本冴さん(家政学部通信教育課程生活芸術学科 3年)。二人とも長野県出身、SC軽井沢クラブに所属しています。今回は後編として、山本冴さんにお話をうかがいました。(取材は2022年11月8日に実施。山本さんは11月17日、北海道銀行女子カーリング部に移籍)

— カーリングに出会ったきっかけを教えてください。

2011年、長野県が冬季オリンピックのメダリスト育成を目的に行っているSWANプロジェクトに小学4年生のときに応募したのがきっかけです。募集パンフレットを見て興味を持ち、自宅から軽井沢の練習場は車で45分くらいなので、通えそうだと思って受けました。

それまでは陸上競技や水泳をやっていましたが、カーリングのことは全く知りませんでした。SWANプロジェクトにはスキー種目もあり、スキーには幼い頃から家族でよく行っていたので、スキーにも興味がありました。しかし、オリンピックでメダルを取るのは難しいだろうと思い、世界に行ける可能性を考えてカーリングを選びました。

昔から走ることが好きで、よく30分程度のランニングをしている、と話す山本さん

— 日本女子大学の生活芸術学科に進もうと思った理由ときっかけは?

長野ではなく東京での大学進学を考えていました。ただ、東京までは新幹線でも1時間ぐらいかかり、高校以上に移動時間が負担だと悩んでいたときに、母が「通信教育の大学も選択肢としてあるんじゃないの」とアドバイスをくれました。カーリングに取り組みながら通信教育課程を卒業するには、興味がある学問じゃないと難しいだろうと思い、通信教育課程で唯一家政学部があった日本女子大学に決めました。

幼い頃から裁縫や刺繍が好きで、カーリングをやっていなかったらハンドメイドショップをやりたいと思うぐらいに、制作活動が好きでした。家政学部で被服を学べたら、将来ハンドメイドショップを開く夢も叶えられるかもしれないですし、自己流ではない洋服の作り方を学べたら楽しいだろうなと考えていました。夏のオープンキャンパスでは通信教育課程の説明も受けられると知り、高校生のときに参加しました。図書館がとても綺麗で、感動したことを覚えています。

オープンキャンパスに行ってもらったグッズもおしゃれで、グッズが入っていたバッグの色や、かわいい付箋に、テンションが上がったのを覚えています。今でも、もらったペンや消しゴムを大事に使っています。

— 生活芸術学科では、どんな勉強をしていますか。

おもに被服について学んでいます。特に印象に残っている授業は、「衣造形実習Ⅰ」でジャケットを作ったことです。本当はスクーリング(対面授業)の予定でしたが、コロナ禍の影響でオンラインの授業になってしまいました。先生が実演する動画を見ながら真似して作るので大変でしたが、洋服の作られ方がよく分かりました。本来は自分のサイズで洋服を作るはずでしたが、オンライン授業のため製作サイズが2分の1サイズになり、すごく上手にできたのに人形の洋服になってしまいました……。悲しい感じもしましたが、それはそれでかわいくて達成感がありました。

山本さん製作のジャケット(左)と、日本女子大学グッズ(右)

生活芸術学科では、被服以外に住居に関する単位も取らないと卒業できないのですが、被服との共通点もあって興味の幅が広がりました。住居のリポートを作る時は、カーリングで泊まった遠征先のホテルのフロントにお願いして、写真を撮らせてもらったり、建築の作りを教えてもらったりしています。建築について学んだことで、遠征先で歴史的な建物を見るのも楽しくなりました。

— カーリングと学業の両立に関して、工夫されていることはありますか。

通信教育課程は勉強方法の自由が利くので、基本的には家でテキストを読んでリポートを書きます。合宿や大会が続く時期はカーリングに集中したいので、新幹線や飛行機の移動時間や、ホテルで寝る前に教科書を読んだりして、大会終了後やオフシーズンに、リポートを作成するようにしています。

大学は5年ぐらいかけて卒業できればと考えていましたが、ここまで順調に学修が進んでおり、4年で卒業できる見込みが立ってきました。今は4年で卒業することをモチベーションに、リポート作成をがんばっています。
私がカーリングと学業を両立できているのは、上野さんも含めてチームメートが4年制の大学に通って、授業や卒業論文をすごくがんばっている影響もあります。みんながいるから、私も大学生としてがんばれていると思います。

— 大学とのやりとりで、印象的だったことはありますか。

時間をかけて書いたリポートが戻ってきたときに、すごく読み込んでくれたと分かる先生からのコメントがあると、がんばって良かったなと感じます。直接お会いしたことがない先生でも、リポートの一番下に「カーリング頑張ってね」とか「応援しています」みたいに書いてくださると、競技をがんばろうと思えます。普段会えないからこそ、先生方のメッセージが特別に感じてすごく励みになります。

今年になって対面でのスクーリングに初めて行き、オープンキャンパスで説明をしてくれた浅見先生と再会しました。私の名前を見て、「高3の夏にオープンキャンパス来てくれたよね」と声をかけてくださいました。もう3年前なのに覚えてくれていて、とても嬉しかったです。

また、通信教育課程では、今まで交流することがなかったような世代の方、自分の両親や祖父母世代の人たちとも同級生として友達感覚でお話できるのは面白いです。家庭科の先生をされている人や、孫の年齢が私と一緒というおばあちゃんから、若いわねって言ってもらえます。持っている視野がまったく違うので新しい発見もあり、スクーリングってすごいなと思いました。

— 世界ジュニア選手権で優勝された時のお話を聞かせてください。

私は幸運なことにカーリングの世界ジュニア選手権(21歳以下)を4度経験することができましたが、今回の世界ジュニア選手権が私にとってはラストチャンスでした。世界大会は国内の大会と違い、会場の空気感が独特で、みんなここでプレーするために1年間がんばっているし、世界中のカーリングファンが注目していると実感します。

2022年世界ジュニア選手権にて(左:山本さん)
(本人提供写真)

ずっと優勝を目指していたのに何度も叶わなかったので、今回のラストチャンスにかけた思いは強かったです。決勝は、相手チームの最後の一投が決まると延長も想定された展開で、本当にどちらが勝つかわからない試合でした。何とか勝つことができた瞬間の嬉しさは、今思い出しても震えちゃうぐらいです。ずっと夢見ていた表彰台のてっぺんでトロフィーをもらった時に見た景色は、忘れられない思い出になりました。このワクワク感は、世界大会に行かないと味わえないものだと思います。

— 山本さんにとってカーリングの魅力や、次の目標は何ですか。

私はスキップというポジションでチームの戦略を立てているのですが、戦略に正解がないところがカーリングの一番の魅力だと思っています。セオリーはあるのですが、セオリーからは外れていてもチーム内で理由があって、みんなで納得して投げて、それが決まればそれが正解なんだよ、とコーチも言ってくれます。どんなレベルになっても新しい発見がありますし、終わりがなくずっと追求していけるところが本当に楽しいです。

オリンピックや世界選手権で優勝することが、カーリング選手としての一番の目標です。アスリートのピークはそこまで長くはないと思うので、大学を卒業したら、カーリング選手として叶えたい夢を叶えられるように、まずは競技に集中したいなと思います。

カーリング場での練習風景(左:山本さん、右:上野さん)
(本人提供写真)

— ありがとうございました。

(聞き手:広報課)



(あとがき)山本さんが語る、カーリング観戦を楽しむためのワンポイント

私たちが試合しながら考えているように、自分の作戦を考えながら、「自分だったらこうしてみたいな」「実際選手はこうした、自分が思っていたのと同じだった」みたいに、答え合わせをしながら観てもらうのがおすすめです。日本人は、たとえば野球でも「次はここに投げるだろう」「自分だったらここに投げる」みたいに、考えながらスポーツを観る人が多い気がします。カーリングは1投1投に時間をかけるので、ゆっくり考えながら観戦できるのが楽しいと言ってくれる方も多いです。

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