学科科目
衣生活・住生活を学ぶ上で基礎となる学科と専門的な分野からなる学科を、衣生活4系列、住生活4系列に配しています。
衣素材系
衣材料学 衣材料学演習 テキスタイル試験法演習 染色加工学 衣整理学 衣整理学演習
衣造形系
衣造形学 衣造形学実習I 衣造形学実習II 衣造形学実習III アパレルデザイン論 ユニバーサルデザイン論 色彩学 色彩学演習 衣環境学 色彩環境論
服飾・文化系
日本服飾文化史 西洋服飾文化史 生活文化論 生活史 服飾美学 生活デザイン論 造形芸術論 服飾・文化系特別講義
流通・消費系
アパレルのための品質管理 アパレル品質管理ケーススタディ(基礎) アパレル品質管理ケーススタディ(応用) マーケティング論 流通・消費系特別講義 消費者行動・調査法 消費生活論
住生活系
住生活学 住宅問題・政策 住居史 福祉環境論 住居安全情報論 建築保存再生論 住居マネジメント
計画系
住居環境学 住居設備学 まちづくり論 建築計画論 インテリア計画論 建築法規
設計・デザイン系
住居製図 住居設計I 住居設計II コンピュータデザイン インテリアデザイン演習
構造・生産系
力と形 住居構造 構造力学 建築・インテリア材料 建築施工
※上記の学科科目のほかに、住居学特講と卒業論文、関連科目があります。
主な科目の紹介
衣材料学
衣生活を学ぶ上でベースとなる知識を
衣服を構成する材料の最小単位は「繊維」であり、この繊維は天然繊維、化学繊維を問わず「鎖状高分子」から構成されています。このような繊維の成り立ちや性質を、まず理解します。さらに、繊維を集合した構造体である「糸」や、糸を集合して構成される「布」の種類や構造、性質などについて学び、衣服材料としての理解を深めます。「衣材料学」は、「衣造形学」、「衣環境学」、「衣整理学」などの各専門分野を学ぶ際に、その基盤となる大切な科目です。
衣造形学
快適な衣服の造形知識から技術まで
衣服の人間因子である人体構造や衣服サイズ、運動機能を理解します。その上で、審美的にも、機能的にも、快適な衣服設計のための体型のとらえ方や、パターンメーキングの基礎理論について学習します。また、衣服の生産、消費流通の立場から、アパレルCADの実際、素材の造形性、縫製上の問題、服装心理などについても学びます。さらに、これに対応する衣造形実習では、衣服の生産に関連する幅広い要素技術を習得できます。
日本服飾文化史 西洋服飾文化史
日本・西洋の服飾文化を歴史遺産を参考に
「衣」は、人間の生活文化の担い手として、長い歴史を共に歩んできました。「日本服飾文化史」では、日本の「衣」に焦点をあてて歴史的な変遷を学習します。「西洋服飾文化史」では、西洋の服飾の変遷を社会や文化との関わりにおいて学びます。いずれの科目でも、染織遺品、物語や日記、雑誌などの文献資料や絵巻、肖像画、版画などの美術資料によって、各時代の服飾や染織品の特徴や生活文化などを明らかにします。
アパレル品質管理ケーススタディ(基礎) アパレル品質管理ケーススタディ(応用)
衣類のトラブルを解決するために
着用や洗濯・保管時のトラブルは、クレームに繋がりますが、改善して製品の企画や生産に反映できれば、企業にも消費者にも大きな利益となります。この科目では、実物を見ながら、衣類のトラブルにはどのようなものがあるかを知り、原因や改善点は何かを学びます。繊維製品品質管理士(TES)取得にも必要な科目です。
福祉環境論
高齢社会に適応できる住環境を
「福祉環境論」では、近年頻繁に聞かれるようになった「ユニバーサルデザイン」の概念を基に、高齢社会における生活環境がどうあるべきかを、考えることを目的とします。具体的には、「バリアフリーデザインとユニバーサルデザインの概念」「高齢者・障害者の心身特性や介護と住環境の関係」「高齢社会に対応した住宅の計画手法」についての理解を深めます。
インテリア計画論
現代社会と住居の新しいあり方を
インテリアデザインを学ぶ目的は、様々な生活行為や生活様式と、物理的空間や装備との好ましい関係を学ぶことです。住居のあり方は、住む人のライフスタイルや生活の質に影響を与え、家族や地域社会のあり方とも大きく関わっています。自然環境や人工的環境との関係を考え、より快適な生活環境の創造を担う力を養います。
住居製図
設計図の読み解き方から描き方まで
住宅を中心とした設計図書の基本的な約束ごとを理解し、設計図の読み解き方から描き方までを身に付けることを目的にします。製図用具を用いた基礎的な設計図の描き方に則って木造住宅の設計図を描き、住宅設計に必要な条件を学びます。家庭科教員や建築士、インテリアプランナーなどの資格取得に向けた、基礎的な科目です。
力と形
安全な建物にするためには
住宅を含め建物を構築するには、その構造を安全かつ経済的に設計する必要があります。力のバランスがとれた構造は美しいものです。安全で快適な居住空間を確保するために、建物の構成の仕方を、構造安全の立場からとらえます。「力のつりあいと変形」、「力を支える構造物のかたち」を理解し、建物に作用する力とその効果を考察します。
卒業要件
- 基礎科目
- 外国語:8単位
- 情報処理:2単位
- 身体運動:2単位
- 教養科目:24単位
- 学部共通科目:6単位
- 学科科目
- 卒業セミナー:2単位
- 自由選択科目:10単位
- 合計 124単位
卒業に必要な単位数のうち、修得が必要な最小スクーリング単位数
- 1年次入学
- 2年次編入学
- 3年次編入学
- 3年次学士入学
修業年限と在学しうる年数
- 1年次入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:4年
- 在学しうる年数:10年
- 2年次編入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:3年
- 在学しうる年数:8年
- 3年次編入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:2年
- 在学しうる年数:6年
- 3年次学士入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:2年
- 在学しうる年数:6年
卒業までにかかる年数は各自の状況により異なります。
人材養成・教育研究上の目的
『生活芸術学科は、被服学と住居学について科学的・文化的・芸術的な側面から総合的に理解を深め、広い視野と専門的知識を生かして生活環境の問題解決と向上のために考え、実践する力をもった人材を養成することを目的とする。』
(日本女子大学人材養成・教育研究上の目的に関する規程より引用)
通信教育課程生活芸術学科の3ポリシー
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
生活芸術学科では、衣生活と住生活に関する幅広い専門領域の学修を通して、衣生活や住生活の創造に資する知識、技能、思考を科学的な視点から身につけ、豊かで充実した人間生活の実現や我々の生活における様々な問題の解決に貢献できる人材の育成を目指す。そのため、以下の能力の修得を教育上の目標とする。
- 〇生活芸術学科DP1
衣生活、住生活における科学的・文化的・芸術的な広い側面から生活の質の向上に役立つ、被服学と住居学の基礎ならびに関連諸分野の知識を習得している。(大学DP1)
〇生活芸術学科DP2
衣生活、住生活における様々な課題に関連した情報やデーターを収集し、体系的に分析、整理し、解決策を構築できる。(大学DP2)
〇生活芸術学科DP3
衣生活、住生活の学びを通して、多様性に関する理解を深め、共感力や協働する力を高める。(大学DP3)
〇生活芸術学科DP4
地球レベルの視野を持って、衣生活・住生活の質の向上に関心を持ち、社会における自らの役割と責任を自覚できる。(大学DP4)
〇生活芸術学科DP5
快適な生活や環境の実現に向けて、具体的な方法や工夫を反映でき、提案や成果物を他者にわかりやすく表現し説明し、生涯学ぶ態度を持つことができる。(大学DP5)
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
【教育課程・教育方法】
- 生活芸術学科では、幅広い、衣生活学、住生活学の専門領域を総合的に理解するために、衣生活分野には衣素材系、衣造形系、被服・文化系、流通・消費系を、住生活分野には、住生活系、計画系、設計・デザイン系、構造・生産系を置く。
衣生活、住生活に関する専門知識を実践的に学び応用できるように、演習授業、実習授業を配置する。
方法科目
テキスト科目、エニタイムスクーリングでは、リポ—ト課題を課し、知識をもとに自己の表現で論理的に記述し、図表や画像、絵なども用いて的確に表現できるように促す。
対面授業では、実践的な技能が習得できるよう、制作、実験・実習科目を置き、また意見交換やグループワークなどの協働の場を設け、他者の視点に関心を持ち、主体性をもって解決する機会とする。
関連科目
幅広い衣生活、住生活の専門領域を総合的に理解するために、1年次に「衣生活学概論」、「住居学概論」などを置く。
主題科目
2〜4年次に段階的に専門知識を習得するために、衣生活、住生活に関する講義科目を置く。衣生活分野には衣素材系、衣造形系、被服・文化系、流通・消費系を、住生活分野には、住生活系、計画系、設計・デザイン系、構造・生産系を置く。
資格科目
中学校教諭一種免許状(家庭科)、高等学校教諭一種免許状(家庭科)、学校図書館司書教諭の資格に必要な専門科目を置く。
繊維製品品質管理士の受験対策科目を配置する。
二級建築士、木造建築士試験指定科目を配置する。
【学習成果達成のための科目】
- 〇生活芸術学科DP1
「衣素材系」「衣造形系」「服飾・文化系」「流通・消費系」
「住生活系」「計画系」「設計・デザイン系」「構造・生産系」
〇生活芸術学科DP2
「衣素材系」「衣造形系」「服飾・文化系」「流通・消費系」
「住生活系」「計画系」「設計・デザイン系」「構造・生産系」「卒業論文」
〇生活芸術学科DP3
「衣素材系」「衣造形系」「服飾・文化系」「流通・消費系」
「住生活系」「計画系」「設計・デザイン系」「構造・生産系」
〇生活芸術学科DP4
「衣素材系」「衣造形系」「服飾・文化系」「流通・消費系」
「住生活系」「計画系」「設計・デザイン系」「構造・生産系」
〇生活芸術学科DP5
「衣素材系」「衣造形系」「服飾・文化系」「流通・消費系」
「住生活系」「計画系」「設計・デザイン系」「構造・生産系」
取得できる資格
- 中学校・高等学校教諭一種免許状(家庭)
- 学校図書館司書教諭
- 木造建築士・二級建築士(受験資格)
教員からのメッセージ
衣生活の分野では、着心地の良い衣服や快適な暮らしと環境を追求するために科学的分野と文化的分野の両面から学んでいきます。衣生活の分野は、環境への負荷が大きいと言われています。これからのファッションのあり方を持続可能なものにアップデートしていきましょう。家政学は、生活の質の向上と人類の福祉に貢献する実践的な学問です。私たちと一緒に、さらなる学びを深めましょう!
私は建築士として住宅設計に携わる中で、居住者の生活に基づく住居学的アプローチの重要性を痛感しています。ライフスタイルが多様化し、生き方を自分で選択、実現できる今日では、どのように学び、暮らすかは一人一人違い、住宅においても多様なものになっています。皆さんの中には、年齢による学習への不安を抱いている方もおられるかと思いますが、学びたいと思った時こそが、多くの知識を吸収でき実りある成果を出せると信じ、共に歩みましょう。
教員紹介