学科科目
児童学科の科目は、心理、教育、健康、文化、社会の5つに分類されています。その他に共通、関連科目があります。
共通
心理
発達心理学1 発達心理学2 青年心理学 人格発達論 児童臨床心理学 表現アートセラピー基礎 表現アートセラピー1 表現アートセラピー2 応用表現アートセラピー 分析的アートセラピー(描画)基礎カウンセリング1 基礎カウンセリング2 発達臨床支援
教育
幼児教育方法論 保育・教育課程論 保育内容総論 乳幼児教育論 子どもとマルチメディア 音楽表現 子どもと表現 身体クリエイティブ表現 音楽療法的アプローチ
健康
小児保健学1 小児保健学2(精神保健を含む) 小児栄養学 母性保健
文化
子どもと造形1 子どもと造形2 子どもと造形3 児童文学 児童文学特論 幼年文学 児童文化論 子どもと絵本 絵本学概論
社会
児童福祉 子どもと環境教育 家族心理学 児童虐待の構造と支援
※上記学科科目のほかに、卒業論文、関連科目があります。
主な科目の紹介
発達心理学1・2
個性・自己意識の形成される姿を学ぶ
受精卵としての母体の中で誕生したヒトは、多種多様な環境と相互作用を行いながら、唯一無二の“その人らしさ”を持つ個人として、成長・発達していきます。授業では、そのような個性や自己意識が、生涯を通じて、どのように形成されていくかを中心に学んでいきます。子どもたちの成長・発達を促す社会的な担い手や、人格や認識の発達過程などが取り上げられます。生涯発達という観点を大切にしていきたいと考えています。
表現アートセラピー1
心理的成長を促す
表現アートセラピーは、様々な表現(絵や粘土、ダンス・ムーブメント、音楽、ドラマ、詩や物語等)を用いる芸術療法です。アート表現がどのように人を癒し、心理的成長を促進し、共感力や協働する力、コミュニケーション力を高めるかを学びます。人間性心理学に根ざすカウンセリングマインドを習得し、実習を通して自己の内面を探求し、自己理解を深めることも目標となります。
幼児教育方法論
資格取得に、実践に役立つ
子どもの豊かな成長や発達のためには、保育・教育を成り立たせるための大人の働きかけが必要です。しかし近年、子どもたちを取り囲む状況は大きく変化してきています。中でもインターネットを始めとする情報技術の革新による生活環境の大きな変化は、好むと好まざるとに関わらず子どもたちの日常生活に大きな影響を及ぼしています。現代社会で育つ子どもたちのより豊かな成長・発達を実現するために、保育・教育目標に合致した適切な教育の方法及び技術とはなにか。それらについて教育学、心理学などの立場から学んでいくのがこの科目です。
小児保健学1
心と身体の両面からケアするために
小児保健学では、小児の心身健全な成長を図るための育児や保育の考え方、方法を習得します。また、心身の健康におよぼす環境の影響、事故防止、安全教育、感染症に対する予防などについても学びます。子どもの場合、特に心身未分化なため、心と身体の両面を、いつも留意する視点を養うことが重要となります。
児童文学
子どものために書かれた本-児童文学とは何か、その文化的・歴史的背景を探り、「子ども観」の変遷を考える
児童文学は子どものためにおとなが書く読み物です。それがいつ、どんなところから発生し、発展して今に至ったのか、児童文学が持つ二つの働き-楽しませること/教えること-はどのようにその中で絡んでいるのかを学びます。一見、単純に見える物語の中に、おとなが子どもをどう見ているか、子どもを取り巻く社会はどう変わってきているか、などの問題が浮かび上がってくるでしょう。児童文学の世界の深さに様々な角度から迫り、絵本、ファンタジー、ノンフィクションなどその諸ジャンルの多彩さを詳しく検証していきます。
「芸術・子ども支援プログラム」について
「芸術・子どもプログラム」は、音楽、文学、美術、身体表現などの芸術と芸術療法的アプローチを用い、子どもに自由で豊かな表現の場を与え、健全な成長を支援することを目的とします。児童学科の必修科目を含む、「子どもの発達と教育」「子どもと創造」「芸術療法関連科目」「心理的支援」「芸術・子ども支援専門科目」の5 領域から合計23 単位以上を履修します。これらの科目を学ぶことにより、子どもの自由で独創的な表現を促進し、自己肯定感や個性を育て、子ども同士のコミュニケーションを活性化できる保育者や教育者を育てること、さらに、福祉・医療などの領域でも役立つことを目指しています。
子どもに関わる者は、自身のイマジネーションや創造性を解放することも必要となることから、学生が自己を知り、自己表現を促進できるようにもデザインされています。
このプログラムで学ぶことで得られること
個人差はありますが、以下のようなことを得られるでしょう。
- 子どもの自由で独創的な表現を促進する、安全な場を作れる
- カウンセリングマインドを持って共感的に子どもや人に接するスキルが向上する
- 芸術療法的なアプローチを使って、発達障害などコミュニケーションが難しい子どもを指導・教育できるようになる
- 芸術の持つ、人の可能性を開花させる力を理解し、それを用いることができる
- イマジネーション・創造性が賦活される
活躍が期待される場やフィールド
- 保育園、幼稚園、小中学校
- 幼児教育・児童教育の場で、子どもの自由な表現、個性や創造性を伸ばす
- 保健室や特別支援教室など
- 問題を抱える子どもの援助、障害を持つ子どもの成長を支援し、コミュニケーションを向上させる
- 様々な職場や企業内
- 医療やカウンセリングの場
- 学童保育や児童館など
- 幼児・児童に自由な表現を促し、創造性を伸ばし、子どもの心のケアを行う
- 学習や学びの促進に用いる(学校の授業内、様々な学びの場)
「芸術療法」とは
芸術療法は、人が癒され、心身が解放され、人が成長することを援助する学問です。芸術は、人間存在の体験すべてを受け止める大きな器を持っています。芸術表現は人の成長を促し、他者や世界とのつながりを深めます。芸術療法において大切とされるのは、その場にいる人を受けとめ、見守る存在(セラピスト)です。セラピストがいる安全な場があって初めて、成長を促進できます。そして自由で芸術的な表現(上手下手ではなく、その時その人から表出する表現)を分析・解釈せずに大切にします。自己表現は内面を豊かに育て、さらに人と外界をつなぎコミュニケーションを促します。
オープンバッジの授与について
2023年度以降の「芸術・子ども支援プログラム」修了者には、修了証書に加え、オープンバッジを授与します。
オープンバッジとは、世界的な技術標準規格にそって発行しているデジタル証明書です。公開したり、インターネット上で共有したり、内容証明を行うことができるものです。
「認定絵本士」について
児童学科では認定絵本士の養成講座を2021年度に開設しました。2021年度入学者より指定の科目を修得することで資格取得できます。
認定絵本士とは、独立行政法人国立青少年教育振興機構に事務局のある絵本専門士委員会が認定する資格です。絵本は発達段階にある子どもたちの言語力、感性、理解力などを促進させ豊かな人格形成をもたらします。認定絵本士資格は、絵本について様々な角度から理論的に深く学んだ証明となる資格です。
資格取得のためには、同一年度内に目白キャンパスで行うスクーリング科目「絵本学概論」「子どもと絵本」「子どもとマルチメディア」の3科目を履修する必要があります。入学時期又は履修開始時期によって、希望年度の1年以内にすべてを履修することができないこともありますので開講時期を確認し、履修を開始してください。 認定絵本士の資格取得後、絵本の魅力や可能性を伝え地域の読書活動を充実させる等の実務実践経験※を3年積み、絵本専門士委員会に認められると、絵本の専門家である「絵本専門士」の認定を受けることができます。絵本専門士養成講座では、絵本についての「知識」「技能」「感性」を学びます。絵本に関するこれらの資格は各種保育施設や学校、図書館、児童館、医療機関などで活躍が期待される資格となっています。
【参考】国立青少年教育振興機構のホームページ
※実務経験には、例えば保育士や幼稚園教諭、小学校教員として従事することなどが含まれます。
卒業要件
- 基礎科目
- 外国語:8単位
- 情報処理:2単位
- 身体運動:2単位
- 教養科目:24単位
- 学部共通科目:6単位
- 学科科目
- 卒業セミナー:2単位
- 自由選択科目: 10単位
- 合計 124単位
卒業に必要な単位数のうち、修得が必要な最小スクーリング単位数
- 1年次入学
- 2年次編入学
- 3年次編入学
- 3年次学士入学
修業年限と在学しうる年数
- 1年次入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:4年
- 在学しうる年数:10年
- 2年次編入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:3年
- 在学しうる年数:8年
- 3年次編入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:2年
- 在学しうる年数:6年
- 3年次学士入学
- 修業年数(在学すべき年数)★:2年
- 在学しうる年数:6年
卒業までにかかる年数は各自の状況により異なります。
取得できる資格
人材養成・教育研究上の目的
『児童学科は、子どもの成長・発達や子どもを取り巻く環境を総合的に研究し、実際に子どもと触れ合うことをとおして理解を深め、理論と実践をバランスよく学ぶことにより、子どもに関する問題を解決できる人材を養成することを目的とする。』
(日本女子大学人材養成・教育研究上の目的に関する規程より引用)
通信教育課程児童学科の3ポリシー
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
児童学科では、「心理」「教育」「健康」「文化」「社会」の5分野からなる児童学の先端的な専門的知識に基づき、18歳未満の子どもを生活者として多角的に理解し、国際社会の一員として子どもと共に文化を継承・創造することのできる人材の育成を目指す。児童学科における学修の成果として、以下の能力を修得することをディプロマ・ポリシーとする。
- 〇児童学科DP1
児童学の先端的な研究方法や「心理」「教育」「健康」「文化」「社会」の5分野の専門的知識を身につけ、子どもについて多角的に理解することができる。(大学DP1)
- 〇児童学科DP2
子どもに関する現代的課題や社会的ニーズを把握し、子どもや子どもを取り巻く環境を的確に分析することができる。(大学DP2 大学DP3)
- 〇児童学科DP3
家庭や地域における生活者としての子どもの育ちや環境をよりよくする目標達成のために、多職種の専門職と協働するための基礎力を身につけることができる。(大学DP3、DP4)
- 〇児童学科DP4
子どもの最善の利益を考えながら、子どもに関する課題の解決のために主体的に行動することができる。(大学DP4 大学DP5)
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
【教育課程・教育方法】
児童学科では、ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を系統的に習得させるために、以下のカリキュラム・ポリシーに則り、「児童学専門科目」「共通科目」「関連科目」からカリキュラムを編成する。また、資格取得に必要な専門科目を置く。
- 児童学専門科目
児童学の専門必修科目として、「発達に関わる専門科目」「教育に関わる専門科目」「健康に関わる専門科目」「文化に関わる専門科目」「社会に関わる専門科目」の5分野に関する専門科目群を置く。
共通科目
児童学に共通科目として、「児童学研究法」「児童学特講」「児童学演習」などを置く。
関連科目
児童学に関連する科目群を置く。
資格科目
幼稚園教諭一種免許状資格取得、学校図書館司書教諭のための科目群を置く。また、「芸術・子ども支援プログラム」「認定絵本士」に関する授業科目群を置く。
【学修成果達成のための科目】
- 〇児童学科DP1
児童学専門科目 共通科目
〇児童学科DP2
児童学専門科目 共通科目
〇児童学科DP3
児童学専門科目 共通科目 関連科目 資格科目
〇児童学科DP4
児童学専門科目 共通科目 関連科目 資格科目
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
児童学科は、「発達」「社会・臨床」「創造・文化」の3領域からなる児童学を学ぶ学科である。専門の学びを通じて、18歳未満の子どもを生活者として多角的に理解し、国際社会の一員として子どもと共に文化を継承・創造することのできる人材を育成することを目指している。
本学科が求める学生像は、以下のとおりである。
【求める学生像】
- 児童学を学びたいという意欲のある人
- 「発達」「社会・臨床」「創造・文化」の3領域に幅広い興味を持つ人
- 子どもや子どもを取り巻く課題を多角的に理解し、解決しようとする人
- 子どもと共に文化を継承し、創造しようとする人
【入学までに修得すべき学力】
- 論理的に物事を考える基礎的な知識と思考力
- 自分の考えをまとめ他者に正しく伝えることができる基礎的な表現力
- 他者とコミュニケーションをとり、協働して課題解決する力
上記の学力を身につけているかを判定する入学者選考を以下の基本方針で行う。
入学までに身につけるべき基礎的な学力を有しているか、ならびに学修への意欲、自分の考えを表現する力、コミュニケーション力および協働性を有しているかを出願書類により総合的に判定する。