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【学生インタビュー】文学部日本文学科 4年 上野美優さん

カーリング世界ジュニア選手権で優勝!—学業との両立—(前編)

2022年5月、スウェーデンで行われたカーリングの世界ジュニア選手権に日本代表として出場し、見事優勝した本学の上野美優さん(文学部日本文学科 4年)と山本冴さん(家政学部通信教育課程生活芸術学科3年)。二人とも長野県出身、 SC軽井沢クラブに所属しています。今回は前編として、上野美優さんにお話をうかがいました。(取材は2022年11月1日に実施。 山本冴さんは11月17日、北海道銀行女子カーリング部に移籍)

— カーリングに出会った きっかけを教えていただけますか。

私の生まれ育った軽井沢では、1998年(注:上野さんが生まれる前)の長野オリンピック(冬季)でカーリングが正式種目となったこともあり、身近にカーリングがありました。小学校の友達がカーリングをしていて私も興味を持ち、カーリング体験に行ってみたらどっぷりはまってしまいました。
カーリングは誰でもできるスポーツだと思っていますが、上達するには継続力が必要かもしれません。私は小学4年生 から始めて、競技歴は約12年になります。

— 日本女子大学、日本文学科を選んだ理由は?

カーリングだけではない部分でも成長したいという気持ちから、大学進学を決めていました。カーリングとの両立のために自宅から通える範囲で考えたときに 、少人数の教育を受けられる日本女子大学への入学を選びました。
日本文学科を受けたのは、小さい頃から読書が好きだったからです。とくに高校の授業で古典の面白さを知り、書かれた当時の習慣や物語の面白さに触れたことがきっかけでした。
日本文学科では中世ゼミに所属し、「お伽草子」と呼ばれる短編物語の中の『雨やどり』という作品を卒業論文のテーマにしています。その作品はいろいろな話型を取り込みつつ、最後はその話型をずらしながら結末を迎えるのですが、そこがすごく面白いなと思って研究しています。

1年生のときに石井倫子先生が担当された必修の授業を受講したことがきっかけで、中世の作品の面白さに引き込まれました。2年生の演習でも中世を選択し、ずっと石井先生の授業を受けています。とくに「中世王朝物語」という作品と出会い、一昔前の平安時代に多かった正統派な物語からは時代も変わり、作品の流れも少しユニークなものに変わっていった中世の文学に惹かれていきました。原典を読めるよう、1年生の時にくずし字も頑張って覚えました。

小説から漫画まで幅広く読み、読書が気分転換にもなる、と話す上野さん

— 大学生活での思い出は何ですか。

軽井沢から新幹線通学をしていて、1年生の時は週5で通っていました。片道2時間くらいかかるので、2限(10:50 ~)からだと8時くらいに新幹線に乗れば間に合いますが、1限(9:00 ~)があるとかなり朝が早くなります。2年、3年はコロナ禍のためオンラインで授業を受けたので、友達に会えなかったのはすごく残念でしたが、通学時間がなくなりありがたい面もありました。授業もたくさん受けられましたし、時限を気にせずに自分が受けたい授業を選べたのは嬉しかったです。
カーリングの練習は平日の夜7時から9時までなので、学校を3限か4限で終わらせて、そのままカーリング場に向かって練習し、9時半くらいに帰宅してお風呂に入って…… という生活です。新幹線の中では課題をやるか、もしくは休息の時間に充てていました。
大学の友達も比較的遠いところから通っている子が多かったので、時間を合わせて学食に行ったり、カーリングの練習がない日に夕ご飯を食べ行ったりしたことはすごく楽しかった思い出です。

— 2022年の世界ジュニア選手権ではどんな体験をしましたか。

日本カーリング界で世界一を取ったチームがいなかったので、表彰台の一番上に登って、日の丸が映像で映し出され、君が代が流れてきた時はすごく感動しました。決勝が終わってすぐに表彰式だったので、最初は実感がなかったのですが、ちょっとずつ実感が湧いてきて。なかなかできない経験でした。
中学3年のときに世界ジュニアB選手権という大会でフィンランドに行ったことがあり、大学1年でも同じくフィンランドやロシアに遠征しました。そういう意味では、世界大会にも少しは慣れた状態で今回の世界ジュニア選手権に臨めました。
私は中学3年で一度日本一になった後ずっと勝てていなかったので、まず絶対に日本一になりたいという思いが大きかったです。3年前の世界ジュニア選手権では、山本(山本冴さん)と私の妹(上野結生さん)のいるチームが全日本ジュニア選手権で優勝して日本代表になりました。私のチームは3位で、日本代表に控えの選手(フィフス)として選ばれて、世界ジュニア選手権 について行きましたが、メンバーをサポートする立場で、試合に出ることはありませんでした。しかし、それを経験することで、この舞台に立ちたいという思いがこれまで以上に大きくなり、それが今回の世界一になりたい、優勝したいという思いにも繋がっていたのかなと。ジュニアとして最後の一年だったので、この舞台を楽しもう!と思い、リラックスして気負ずに戦えました。

2022年世界ジュニア選手権にて(左:上野さん)
(山本冴さん提供写真)

ちなみに、カーリングではハーフタイムの栄養補給も注目されますが、世界ジュニア選手権では羊羹や地元のケーキ屋さんにいただいた焼き菓子などを食べていました。海外では生のフルーツが入手しづらいので、ドライフルーツなどもよく食べています。

— カーリングと学業との両立は、どうでしたか。

もともと中学、高校でもカーリングと学業の両立をしてきたので、急に環境が変わったという意識はなかったです。ただ移動時間が長くなったので、その時間をどう活用しようかというのは考えました。前期・後期末はレポート提出などでつらい時もありましたが、うまくスケジュール管理をして乗り越えられたかなと思います。
世界ジュニア選手権が5月に延期になってしまった関係で、授業を休まなくてはならなくなったのですが、石井先生や友達は「頑張って!応援するから行っておいで」と背中を押してくれました。優勝したら、先生がゼミのグループに「上野さん優勝しました」とメッセージを流してくださって、みんなから「すごい」と返信があり、その時はスウェーデンにいましたがすごく嬉しかったのを覚えています。
地元の軽井沢ではカーリングが根付いていますが、東京で「カーリングをやっているんだよね」と言うと「何それ」と言われたこともあります。なので「そうなんだ、頑張って」と言ってもらえると、カーリングが広まっていると感じられて、すごく嬉しいし、試合を観ていただければもっと嬉しいです。試合が長いので、ちょっとでも観てもらえれば(笑)。

— 次の目標や、カーリング選手としての夢があれば教えてください。

直近の大会が、2023年1月にアメリカ・レークプラシッドで開催される「ワールド・ユニバーシティ・ゲームズ」です。今は日本代表候補として活動していて、正式に出場が決定したらそこで金メダルを取りたいです。最終的な夢はオリンピックや世界選手権での金メダルですね。そして、カーリングを純粋に楽しみながら続けたいです。

日常のカーリング練習風景(左:上野さん、右:山本さん)
(山本冴さん提供写真)

— ありがとうございました。

(聞き手:広報課)



(あとがき)上野さんが語る、カーリング観戦を楽しむためのワンポイント

カーリングは氷上のチェスと呼ばれるように、ショットの精度だけでなく、作戦も大事です。試合をたくさん観れば観るほど 、どのような作戦を立てているかがだんだん分かってくるので、奥深いと思います。同時に、氷やストーンは自然のものなので、会場やその日のコンディションによっても滑り方や曲がり方が変わってきます。なので、狙ったとおり100%完璧に決まるかというとそうでもありません。狙いとのズレがあるからこそ、こうなった場合にはどうする、といろんなパターンを想定します。そこがまた面白いと思います。

カーリング世界ジュニア選手権で優勝!—学業との両立—(後編)へ続く