【学生インタビュー】隈研吾建築奨学財団・2022年度奨学生

2022.10.19

【学生インタビュー】隈研吾建築奨学財団・2022年度奨学生

家政学研究科住居学専攻修士課程1年 篠原聡子研究室 尾﨑 美都さん

2021年2月、建築家の隈研吾氏が、建築学を専攻する国内の大学院生を対象に、返済義務のない奨学金を支給する公益財団法人隈研吾建築奨学財団を設立されました。2022年度奨学生として、家政学研究科住居学専攻修士課程1年の尾﨑 美都(おざき みと)さんが選出されました。

選出された感想や今後の展望について、尾﨑さんにお話を聞きました。



———この度は見事奨学生に選出、おめでとうございます。

まず初めに、今回の応募のきっかけをお聞かせいただけますか。



ありがとうございます。篠原学長から募集のご案内があり、勧めていただいたことがきっかけで応募しました。また、ポートフォリオの作成が必須だったので、自分の作品を振り返る良い機会になるのではと思いました。



———どのような選考試験があったか教えていただけますか。



小論文がありました。私が通学で利用している湘南新宿ラインは、南北に首都圏を貫いている特殊な路線なのですが、郊外から都心へと移り変わる車窓の風景に想いを馳せ、風景の一部を担う建築や誰かの帰る場所であるまちのコミュニティの在り方と絡めて、将来どのような建築をつくりたいかをまとめました。



———9月17日には2022年度発表報告会と懇親会があったそうですね。参加した感想をお聞かせいただけますか。



はい。コロナ禍の影響でこれまで他大学の学生と交流する機会があまり無かったため、自分と近い研究をしている方と話したり、全く違う研究をしている方の話を聞いたりして、とても刺激を受けました。研究においては、フィールドワークで得た知見をそのまま使うのではなく、自分の言葉で他人に価値観を共有できるところまでテーマを深めることの重要性を痛感し、今後の活動に対する意欲が高まりました。



———すばらしい体験でしたね。さらにその報告会ではプレゼンテーションをされたそうですね。



はい。「都市の多様性を包摂する建築」というテーマで発表しました。修士の研究テーマはまだ模索中なので、地域福祉的なまちづくりに取り組んだ学部の卒業制作の振り返りや、東京都清瀬市の清瀬旭が丘団地プロジェクト(※)でのコミュニティ形成を実践した際の活動報告を行いました。それを通じて、今後どのようにテーマを深めていくかの展望を発表しました。



(※)本学と日本総合住生活株式会社の産学連携による団地の共用空間に関する研究によって完成した、コミュニティスペース「ぷらっとあさひ」のリノベーションプロジェクト

写真左:報告会にて建築家の隈研吾氏と一緒に
写真右:報告会でのプレゼンテーション「ぷらっとあさひ」について

———それでは、尾﨑さんご自身のことを少しお聞かせください。

尾﨑さんは、家政学部住居学科建築デザイン専攻を卒業されて大学院に進学されましたね。日本女子大学を選んだ理由や大学院に進学した理由は何だったのでしょうか。



私は小さい頃から住宅やインテリアに興味があったので、ヒューマンスケールから建築を学べる住居学科がある日本女子大学を選びました。

大学院に進学した理由は、学部では、建築の楽しさを知った反面、社会とつながる機会をうまく見つけられず、自分は誰のために、何のために設計や研究をしているのか、目的を見失い不安を感じることが多々ありました。篠原研究室の院生としての活動は、ワークショップや国内外の調査など、さまざまなプロジェクトでフィールドワークが数多く体験できること、時代や人々のニーズを設計にフィードバックする能力を身に付けられると考えて進学を決めました。

———今後の研究が楽しみですね。今後の進路や目指す道はありますか。



進路については、考え始めたばかりです。一人で建築に向き合う時間も大切ですが、違った考えを持つさまざまな方々と、ああでもない、こうでもないと意見交換しながらつくりあげることが好きなので(笑)、そのようなざっくばらんな環境で設計が出来たらいいなと考えています。



———最後に、奨学金の使い道は決まっていらっしゃいますか。



具体的にはまだ考えられていませんが、国内外の建築や暮らしを見たり、本を読んだり、たくさんの引き出しを蓄え、建築に対する視野を広げるために使いたいと考えています。



——— 今後のご活躍を楽しみにしております。お話を聞かせてくださりありがとうございました。