日本語日本文学科の学びは進路にどうつながる?卒業生が語る大学生活とキャリア

2026.08.07

【イベントレポート】日本語日本文学科進路ガイダンス

日本語日本文学科の卒業生が、大学生活と進路を語る

2026年7月4日(土)、文学部日本語日本文学科卒業生有志(通称:そつぶんちょう)の企画による「日本語日本文学科進路ガイダンス —大学生活とキャリアを考える—」が成瀬記念講堂で行われました。毎年恒例の本ガイダンスは、同学科の1年次学生を対象とした必修行事で、保護者のほか、2年次以上の学生や日本女子大学附属高等学校の生徒も希望に応じて参加しました。
今年度のトークテーマは「今に繋がる出会いと変化」。さまざまな業界で活躍する卒業生が登壇し、前半では大学時代の経験を振り返り、後半では日本語日本文学科で培った力や、それぞれの仕事のやりがいについて議論を深めました。

登壇した卒業生たち

ファシリテーター
松本英里子(まつもとえりこ)さん(2019年卒業)
中世文学を専攻し、競技ダンス部で活動。現在は印刷業界で働いています。

パネリスト
田村桜子(たむらさくらこ)さん(2018年卒業)
近代文学を専攻。寮長やサークル活動、教職課程を経験し、現在は教育業界で働いています。

R.Hさん(2019年卒業)
中世文学を専攻し、観世流能楽研究会の代表を務めました。現在は地方公務員として働いています。

石策智子(いしずかともこ)さん(2024年卒業)
近代文学を専攻し、在学中はアナウンサーを目指していましたが、就職活動を通して方向転換し、現在は建設業界で働いています。
(左)ファシリテーターを務めた、そつぶんちょうメンバーの松本さん (右)教育業界で働く田村さん
(左)ファシリテーターを務めた、そつぶんちょうメンバーの松本さん (右)教育業界で働く田村さん
(左)地方公務員として働くR.Hさん (右)建設業界ではたらく石策さん
(左)地方公務員として働くR.Hさん (右)建設業界ではたらく石策さん

大学時代の出会いと経験が、今につながる

学科内外を問わず学んだことや、観世流能楽研究会に所属するなど、大学でしか経験できないことを生かして、就職活動に挑んだというR.Hさん。田村さんは、教職課程での経験を通して、自分が目指したい教育との向き合い方を見つめ直したといいます。ゼミや授業だけでなく、部活動や寮生活、アルバイトなど、学生時代のさまざまな経験が、自分の強みや仕事を選ぶ際の価値観につながっていました。

卒業生からは、印象に残っている授業や、大学生活を通じて考え方が変化した経験も紹介されました。
コロナ禍のオンライン授業で文学作品にじっくり向き合えたこと、教職課程で仲間と学んだこと、専門分野以外の授業から新しい視点を得たことなど、それぞれの学びが現在の自分につながっています。
なかには、第一志望ではなかった本学への進学や、理系から文系への進路変更など、入学当初に迷いや葛藤を抱えていた卒業生もいました。しかし、授業や研究に取り組み、人との出会いを重ねるなかで、少しずつ大学生活への向き合い方が変わっていったといいます。

自己紹介から始まり、さまざまなトークテーマで盛り上がるディスカッション
自己紹介から始まり、さまざまなトークテーマで盛り上がるディスカッション

当初の希望とは異なる進路へ

後半のディスカッションでは、卒業生が進路を変更したきっかけや、現在の仕事の魅力について語りました。
教員志望から教育支援の仕事へ、民間企業志望から公務員へ、アナウンサー志望から建設業界へ。現在のキャリアは、入学時や就職活動を始めた頃に思い描いていたものと、必ずしも同じではありません。
学びや就職活動、仕事を通じて自分の価値観を見つめ直し、その時々で選択を重ねた結果が、現在のキャリアにつながっています。
卒業生からは、人の成長に立ち会える喜び、部署異動を通じて幅広い仕事を経験できる面白さ、社会に残る仕事に携わる誇りなど、それぞれが感じている仕事のやりがいも紹介されました。

日本語日本文学科で培った、社会で生きる力

日本語日本文学科で培った、文章を読み解き、情報を調べ、要点を整理して伝える力は、現在の仕事にも生かされています。また、ゼミや発表を通じて身につけた論理的思考力や質問力、コミュニケーション力も、業種を問わず役立っているといいます。
卒業論文の執筆を通して身につけた、根拠を示しながら筋道を立てて考える姿勢が、社会人として課題を解決する際の基礎になっているという話や、大学で学んだメールの書き方が、就職後すぐに役立ったという具体的なエピソードも紹介されました。
文学を学ぶことは、作品や作家についての知識を深めるだけではありません。調べ、読み、考え、書き、他者と対話する経験の積み重ねが、社会のさまざまな場面で役立つ実践的な力となります。

保護者にも伝えたい、多様な進路と学びの価値

多数の学生が保護者と参加していた
多数の学生が保護者と参加していた

本ガイダンスは毎年、学生だけでなく、保護者も参加できる形で実施されています。
石井倫子教授は、その理由について「卒業生の姿を通して、日本語日本文学科での学びが社会でどのように生かされているかを、保護者の皆さまにも知っていただきたいと考えています。文学を学ぶなかで重ねる、調査、読解、思考、表現、対話の経験が、社会で課題に向き合うための土台となっています。多様なロールモデルに触れることが、学生と保護者の皆さまにとって、大学での4年間を前向きに捉えるきっかけになればと思います」と話します。

参加した学生と保護者の声

学生からは、「今はやりたいことが決まっていなくても、さまざまな出会いを通して見つけていけることの希望が持てました」「第一志望ではなかったという同じ境遇の卒業生の話が参考になりました」といった声が聞かれました。
保護者からは、「自分のために自分で決めていくことの大切さを感じました。就職活動だけでなく、これからの大学生活への向き合い方を聞くことができ、参加してよかったです」との感想が寄せられました。

大学4年間で、自分の進路を選ぶ力を育てる

ガイダンスの最後には、就職活動だけにとらわれず、大学4年間でさまざまな経験をしてほしいというメッセージが学生に送られました。
進路やキャリアは、最初から一つに決まっているものではありません。授業や研究に打ち込むこと、部活動やアルバイトに打ち込むこと、興味を持った人や場所に出会うこと。その一つひとつが、自分の関心や価値観を知るきっかけになります。
「今に繋がる出会いと変化」というテーマの通り、今回の進路ガイダンスは、学生がこれからの学生生活を充実させ、自分らしい進路を考えるきっかけとなる時間になりました。

(左)配布された『別冊そつぶんちょう』。卒業生たちのリアルな大学生活とキャリアが掲載されている (右)『別冊そつぶんちょう』を手にガイダンスを聴く学生
(左)配布された『別冊そつぶんちょう』。卒業生たちのリアルな大学生活とキャリアが掲載されている (右)『別冊そつぶんちょう』を手にガイダンスを聴く学生
そつぶんちょうメンバーとパネリストの皆さん、日本語日本文学科 石井倫子教授(前列中央)、岩田芳子准教授(前列右から2人目)、渡部麻実教授(後列右から2人目)、福田安典教授(後列一番左)
企画・運営を担った「そつぶんちょう」
そつぶんちょうは、学科公認の卒業生サークルで、現在は4名のメンバーで活動しています。現役学生が将来を具体的に思い描けるよう、就職活動や仕事、卒業後のライフステージに関する情報をnoteで発信するほか、イベントの企画・運営や冊子の発行にも取り組んでいます。
そつぶんちょう公式note:https://note.com/sotsubuncho