K-POPから始まった学びの旅 〜韓国・誠信女子大学での研修『K-Cultureで完成させるパーソナルスタイリング』に参加して〜
2025.11.25
2025年8月4日〜8月21日の約3週間、本学の協定大学でもある韓国の誠信女子大学 ビューティー産業学科が開催する短期プログラム「K-Cultureで完成させるパーソナルスタイリング(以下 K-Culture)」に、選考を通過して参加した国際文化学部国際文化学科2年 結城麻衣花(ゆうきまいか)さんにお話を伺いました。
韓国を好きになったきっかけや研修での学び、国際文化学科の魅力について話を聞きました。
韓国文化との出会いは小学生。独学で韓国語能力試験最上級を取得。
「字幕なしでK-POPを理解できるようになりたい」——そんな小さな憧れが、今の学びや将来の夢へとつながっています。
私が韓国に興味を持ち始めたのは小学校6年生の時。きっかけはK-POPです。当時、TWICE(トゥワイス)が流行っていて、地元・富山から東京に行ったときに新大久保で韓国コスメを買うのが楽しみでした。その後のアイドルたちの曲やパフォーマンスを見る中でさらに好きになっていきました。
音楽、ファッション、メイクなど、ポップカルチャーを通じて自然に韓国文化へ関心が深まっていきました。
私は独学で韓国語の勉強を始め、高校生時代に韓国語能力試験(TOPIK)の5級を取得し、大学1年の秋には最上級の6級を取得しました。今では日常会話は支障なく理解でき、話すことができます。「字幕なしでアイドルのライブ配信を理解したい」「アーティストと直接話せるようになりたい」という純粋な動機が、語学習得の原動力になりました。
韓国文化に対する知見を深めたくてK-Cultureに応募
大学のメールでK-Cultureの研修を知り、現代の韓国文化を学びながら、文化理解と語学力を深めたいと考えて応募しました。選考時の小論文では、韓国の方が持っている日本文化への印象や、韓国の方から直接学べる韓国文化を知りたいという思いを詰め込みました。
研修前は韓国の現在の文化と伝統文化を学べる機会にワクワクした気持ちと、知っている人がいない中での参加への不安な気持ちが半々でした。事前準備としては韓国語を勉強したり、韓国文化に関する本を読んだりしました。日本語を通して話すより、その方の言葉をそのままのニュアンスで受け取ることの意義は大きく、現地でしか得られない喜びを感じられることに期待感を持っていました。
一番の思い出はHOOK(韓国のダンスクルー)のメンバーから直接学べたK-POPダンス
研修の1週目はK-ビューティの授業が中心で、肌診断&リップバーム作りやビューティーパーソナルカラー、ネイルケアなどの授業があり、他には国立中央博物館でのフィールドワークも行われました。2週目はK-POPダンスの授業が中心で、加えてキムチやビビンパ作り、韓服の体験が行われました。全体的に文化体験が多く、K-POPダンスや韓国メイクの授業など、自分の“好き”が詰まった内容でした。
特に印象的だったのは、K-POPダンスの授業です。韓国のダンスサバイバル番組「street woman fighter」という番組で見ていたHOOK(フック)というダンスクルーのメンバー全員にダンスを習えたことが、個人的には非常に嬉しく思い出に残っています。
トラブルも楽しめた韓国での共同生活
韓国滞在中は学校の食堂に加えて、観光地ではない地元の行きたいお店に食事に行くことができましたし、韓国の学生と一緒に食事や観光ができてとても楽しめました。一方で、寮のトイレが詰まるというトラブルがあり、先輩学生がいかにも慣れた手つきでで助けてくれたこともありました。日本より厳しいゴミの分別など気をつける点もありましたが、全体的にとても楽しい経験でした。
踏み出す勇気やK-POPダンスの楽しさ、韓国学生の学ぶ姿勢が自分の殻を破るきっかけに
今回の研修では、現代の韓国文化を学ぶことができたことが大きな収穫でした。加えて、マーケティングの授業で教えてもらった、韓国ブランドによるSNSの戦略的活用、実行力の早さなど、企業が商品を売るための姿勢がとても学びになりました。
今回K-POPダンスに挑戦したのですが、実はこれまでダンスを習ったことがなくて自信がありませんでした。挑戦するうちに自分を表現する楽しさを知り、研修後には本格的にダンスを習い始めました。新しいことを始めるのは勇気がいるけれど、自分の殻を破れるきっかけになった大きな経験でした。
また、一人で参加したことも自分を成長させる要因にもなったと思います。勇気を出して参加して、最初は緊張もありましたが現地で多くの友人ができました。もともとは自分のことを社交的ではないと思っていたのですが、思い切って飛び込んだからこそ、初対面の人と話すことが楽しくなりました。オープンマインドで人と向き合えるようになったと思います。
研修を終えてみて、得たものは語学力や知識だけでありません。韓国の学生は、自分から手を挙げて発言したり、先生に積極的に質問したりする姿勢が印象的でした。そんな姿を見て、自分ももっと主体的に学びたいと、マインドも変化しました。
国際文化学科の魅力は、やはり単位内で海外に行けること!
大学選びの際、私は女子大学で国際系に絞って探していました。そこで日本女子大学に行き着き、当時開設されたばかりの国際文化学科を調べました。この学科を選んだ一番大きな理由は全員必修の『スタディ・アブロード・プログラム(SAP:海外短期研修)』と『実践プログラム』(※)という“脱教室・脱キャンパス型”の新しい学びに魅力を感じたからです。また、調べ進めていくと、韓国の文化に関する授業が行われていることや韓国人の教授がK-カルチャーについても扱われていることが決め手になりました。
実際に1年次のSAPでは韓国・梨花女子大学に研修に行きました。そして今回誠信女子大学の学びも経験したことで、自分の中で学びたい環境が整理できて、3年次の実践プログラム(海外b)では、協定大学留学制度にて誠信女子大学に留学することになりました。
好きが学びに変わる場所、国際文化学科の多彩な授業
私は国際文化学科の『ポップカルチャーと笑い』『Kカルチャー論』など、文化を切り口に社会を考える授業が好きです。
また、特に印象に残っているのが伊藤由希子先生の「死生学(日本)」。
“お茶が入りました”といった表現に表れる、行為の主体を曖昧にする日本語の特徴の背景にある、日本人の価値観・死生観を考える授業でした。
“みずから”のすることを“おのずから”のいとなみに重ね合わせることで 自然と共に生きようとする日本人の思想を学べたことが印象的でした。
こういった授業は日本文化を客観的に捉え直すきっかけになりました。海外文化を学ぶだけでなく、自分たちのルーツを見つめ直す授業があるのが、日本女子大学の魅力だと思います。
国際文化学科は、ポップカルチャーから社会問題まで幅広く学べる学科です。“文化を知りたい”と思う人にはぴったり。やりたいことがまだ見つかっていなくても、ここでならきっと見つかりますよ。
好きを突き詰め、世界へ発信したい
現在は来春からの誠信女子大学留学(実践プログラム海外b)に向けて準備中です。
将来は、音楽やエンターテインメントの分野で日本の魅力を世界に発信したいと考えています。実力はありながら海外ではまだ知られていない日本のアーティストを、世界へ発信する架け橋になることが夢です。
もし今海外への挑戦に迷っている学生がいたら、こう伝えたいです。
一歩の勇気と、好きなことを突き詰める気持ちが大事です。直感で『やりたい』と思ったなら、迷わず進んでほしいです。
(※)スタディ・アブロード・プログラム(SAP):
