国内4年制大学唯一の食品包装学研究室が「TOKYO PACK 2024」に出展
2024.11.14
本学の家政学部食物学科には、北澤裕明(きたざわひろあき)准教授が主宰する4年制大学では日本唯一となる「食品包装」の研究室があります。このたび、10月23日(水)から10月25日(金)にかけて東京ビッグサイトで行われた国際包装展「TOKYO PACK 2024」(主催:公益財団法人日本包装技術協会)に同研究室が出展しました。
また、25日(金)に開催されたセミナーセッション「学生と共に考える未来“パッケージに求められるサステナビリティ”」に、研究室を代表して、4年生の太田眞唯子(おおたまゆこ)さんが登壇。環境省の「サステナビリティ広報大使」も務めるお笑い芸人のマシンガンズ滝沢秀一(たきざわしゅういち)氏や国立環境研究所の稲葉陸太(いなばろくた)氏、東京大学や東京農業大学でサステナビリティ活動に取り組む学生らと、「これからのパッケージ」についてディスカッションを行いました。
パッケージの「あるべき姿」と「現在のギャップ」
学生を交えてディスカッション
太田さんが参加したセミナーセッション「学生と共に考える未来“パッケージに求められるサステナビリティ”」では、はじめに登壇者それぞれの活動を紹介する時間が設けられました。太田さんは、所属する食品学・食品包装学研究室が扱う食品包装に関する2つのテーマ「食べ物のおいしさを保つための品質保持設計」「壊れやすい食べ物を守るための損傷防止」を紹介し、その中で自身の研究「モールドトレイの透湿性と青果物の品質変化の関係」について詳細を説明しました。説明の最後には「最終的に青果物の流通方法や梱包資材の最適化に貢献したい」と今後の抱負も述べました。
同じく登壇した東京大学の「GX学生ネットワーク」や東京農工大学の「プラスチックごみ減らし隊」の学生たちも活動を紹介し、後半は登壇者によるディスカッションに。
司会者より提示された「パッケージによる賞味期限の延長は良いことか?」というテーマについて、太田さんから「パッケージによって食品の“味や食感を変えず”に賞味期限を延長することができます。味や食感の品質劣化の原因として、酸素や水分、温度などさまざまな要因がありますが、それらを制御するためにパッケージは品質保持設計によりpHや水分活性を調整しています。食品ロス削減の面からもパッケージが果せる役割は大きいと思います」と食品包装学の観点から発言がありました。それをきっかけとして、「パッケージによる健康被害の可能性は?」「不必要に延長するのではなく、食品ごとに見合った賞味期限があるのでは?」などの疑問や意見が飛び交い、ディスカッションは盛り上がりました。
「私の研究の軸になっている包装について、さまざまな視点をもつ方々と意見を交わすことができ、たいへん勉強になりました。この経験を今後の研究に生かすことは勿論、これからの私たちの生活に長く寄り添うことのできるパッケージとは何か?より多くの人が考えるきっかけとなりましたら幸いです。」(太田さん)
食品学・食品包装学研究室が
包装設計に関する研究事例を紹介
「TOKYO PACK」は2年に1度開催され、今回で30回を数えます。国内外から包装資材・容器や包装機械のメーカーなど700社を超える出展があり、3日間で延べ22万人以上の来場がありました。各社のブースで賑わうなか、今回からの新企画として「Packaging Academia」と題したエリアが設けられ、本学の食品学・食品包装学研究室は東京科学大学らとともに展示を行いました。このエリアは「包装」をテーマとする産学連携のコミュニティーゾーンとして、大学の最先端の技術・情報等と、来場者のニーズを掛け合わせ、包装産業の一層の活性化を促進することを目的としています。
本学は、最近の研究テーマや「取り残しを減らすための包装設計」に資する研究事例を紹介し、大学における食品包装研究について多くの来場者に興味を持っていただけました。
「まだまだ新しい研究室ですが、多くの方々にお越しいただき、研究室の存在と趣意を大いにアピールすることができました。特に印象的だったのは、本学の卒業生の方々が、『激励』するかのように駆けつけてくださったことです。本学の学びが卒業生の食品業界・包装業界における活躍に結びついていることを改めて認識することができました」(北澤准教授)
本学の食品学・食品包装学研究室では、今後も食品包装に関する産業および研究分野の発展に貢献できるよう活動してまいります。
※日本女子大学は、2025年4月に現在の家政学部食物学科を基とした、食科学部を開設します。