成瀬先生告別講演記念瞑想会の映像配信について

2026.01.29

成瀬先生告別講演記念瞑想会

創立者成瀬仁蔵先生の告別講演記念瞑想会につきまして、今年度も映像配信(録画)を行うこととなりました。

映像については、以下の各リンクからご視聴お願いいたします。
なお、配信期間は1年間の予定で、期間中いつでもご視聴可能です。

【挨拶】学校法人日本女子大学 理事長 今市涼子

 成瀬仁蔵先生の告別講演記念瞑想会を、本年も開催させていただきます事、学校法人日本女子大学理事長として、大変嬉しく思います。
 
 成瀬先生が、「我が継承者に告ぐ」と題する告別講演をされたのは、今から107年前の1919年1月29日でした。これはご逝去される約35日前のことです。ご講演の中で、先生は、ご自身の病気の経過や、死に直面しての心境、今後の学校経営のことや後継者のこと等についてお話されました。大病を患っているにもかかわらず、先生は「私は病床に就きましても呼吸のつづく限りこの私の仕事に熱中して諸子と共にこの学校の精神教育の基礎を養い育ててゆくために奮闘いたします」と、本学への強い思いを述べられました。

 本学創立当初、成瀬先生は大変厳しい逆風の中で、本学の創設に尽力されました。そして創設から125年が経った現在、本学をはじめとする女子大学は、再び厳しい状況に直面しています。
 このような時代だからこそ、「成瀬先生の教育理念を大切に受け継ぎながら、女子大学として本学がどのような歩みを続けていくべきか」、私達が背負う大きな課題です。成瀬先生に思いを寄せるこの告別講演の日に、先生が目指された女子教育の原点に立ち返り、その意義を考えることは、非常に重要なことだと考えます。

 本年の瞑想会では、本学の名誉教授で元教育学科教授であり、成瀬先生のご研究の第一人者である片桐芳雄先生より、「成瀬仁蔵にとっての女子教育」と題し、成瀬先生の生い立ちから教育方針確立に多大な影響を与えた米国留学、『女子教育』の出版に至るまでをお話いただきます。
 片桐先生のお話を通して、成瀬先生の教育理念が如何に先見性に富んだものであったか、そしてその理念を現代の社会でどのように生かしていくべきかを、皆様と共に考えたいと思います。

【挨拶】一般社団法人日本女子大学教育文化振興桜楓会 理事長 高野晴代

 成瀬仁蔵先生告別講演記念瞑想会にあたりまして、文書にてのご挨拶の機会をいただきました。そのため、当日の告別講演を掲載する、1919年2月5日発行の「家庭週報」502号の巻頭記事「我が継承者に告ぐ 1月29日午後、母校講堂に於いて、教職員並びに母校の娘に後事を嘱す」を再度熟読しました。
 成瀬先生は始めに不治の病のため、告別講演会を開くことにした理由と今の心境を詳細に語られました。次に、総合大学を目指すこと、精神教育を強固に確立すること、そして、教職員、生徒、卒業生(桜楓会員)に後事を託されました。特に、後継者を職員生徒に発表され、「今後だんだんと女子の位置を高めて行くといふことになるのであります」と述べられたことに成瀬先生の強い思いを感得しました。
 この日より今年は107年、日本女子大学は毎年学部の新設、改組を行い、女子大学ならでは特性を活かして発展をし続けています。
 そして桜楓会も一昨年は、設立120周年を迎え、成瀬先生の「単なる卒業生団体であってはならない」という考えのもとに、様々な事業を展開しています。10年後を見据えて、中長期計画を作成し、生涯学習・社会貢献・ジェンダー平等・桜楓会はプラットホームと4つの柱を立てて、各事業を進めています。
 さて、今回の講演録は、2月5日号に収載されています。まさしく週報です。成瀬先生はこの機関紙の発行を強力に進めました。当時に於いて、迅速な広報の手段の必要性を説かれると共に、機関紙の編集、発行こそが、当時、女性が勤められる職業が少ない中、そこに働く卒業生の自活の途を開くことも目的の一つだったのです。そうした「桜楓新報」の前身である「家庭週報」は、今、当時の様々な社会情勢を知ることもできる歴史資料の宝庫です。設立120周年事業の一つとして、「家庭週報」(明治期)総目次データベースが完成し、日本女子大学学術情報リポジトリより公開されております。
 この告別講演記念瞑想会に際して、再度創立者の声を聞きつつ、桜楓会は、母校を支援し、さらなる発展を目指して、力を尽くしてまいります。 

O Lord! Correct Me

“O Lord! Correct Me”は、古くから日本女子大学の学園で親しまれ、卒業生たちにも忘れ難い「学園のうた」のひとつであり、成瀬仁蔵先生の「愛唱曲」だったと伝えられています。この曲のメロディには成瀬先生が好まれたフリージアの花のようなつつましい気品があり、キリスト教会における祈りや讃美歌を思い起こさせます。本学の同窓会組織「桜楓会」の機関誌である『家庭週報』や、広報誌である『桜楓新報』でも成瀬先生のご命日に有志によって歌われたことが掲載されており、本年の瞑想会においてもこの曲とともに成瀬先生や本学の教育理念に思いを巡らせていただければ幸いです。

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【瞑想】

【講演】日本女子大学名誉教授 片桐芳雄

演題:成瀬仁蔵先生からのメッセージ「なぜ、女子高等教育?」

片桐 芳雄(かたぎり よしお)
1944年生まれ。東京大学教育学部教育学科教育史・教育哲学コース卒業。同大学院教育学研究科を経て1975年愛知教育大学講師、助教授、教授。2000年日本女子大学人間社会学部教育学科教授。2007年から2011年まで人間社会学部長。2012年3月定年退職。愛知教育大学名誉教授。日本女子大学名誉教授。
専門・教育史。教育学博士(東京大学、1989年)
著書に「自由民権期教育史研究-近代公教育と民衆-」(東京大学出版会、1990年)、「教育と歴史、あるいはその認識と記述」(世織書房、2009年)、「(日本女子大学創立120周年記念出版)評伝・成瀬仁蔵-女子高等教育から「社会改良」へ-」(風間書房、2021年)等。

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※成瀬仁蔵先生からのメッセージシリーズ(全3回)の第1回目です。
 第2回は次回公開予定です。