フードスペシャリスト試験で全国トップの快挙!日々の授業こそ、最大の強みに

2025.04.14

【学生インタビュー】専門フードスペシャリスト(食品開発)全国1位 松前明衣里さん(食物学科食物学専攻3年)、フードスペシャリスト全国1位 永田有佳理さん(通信教育課程食物学科4年)

左から永田さん(通信教育課程食物学科4年)、松前さん(食物学科食物学専攻3年)
※2025年3月取材時点

家政学部食物学科食物学専攻3年生の松前明衣里(まつまえあいり)さんと、通信教育課程食物学科4年の永田有佳理(ながたゆかり)さんが、令和6年度フードスペシャリスト認定資格試験において、全国でもトップクラスの成績を収めました。松前さんは全国2位、永田さんは全国1位を獲得。さらに松前さんは、より難関の専門フードスペシャリスト(食品開発部門)試験で全国1位という快挙を達成しました。

今回は、お二人に試験に向けた取り組みや学びの環境、食に対する思い、そして今後の目標についてお話をお聞きしました。

全国トップの快挙!

—試験結果を知ったときのお気持ちを教えてください。

松前さん:合格することが目標でしたが、まさか専門フードスペシャリスト(食品開発部門)の試験での全国1位や、フードスペシャリストの試験で全国2位をいただけるとは思いませんでした。結果を見たときは驚きとうれしさでいっぱいでした。食物学専攻の多くの学生はこの資格の受験を目指しますが、試験内容は多岐に渡り、とくに専門フードスペシャリストの試験は合格率が20%台と難しいので、努力が報われてよかったと実感しました。

永田さん:通信教育課程なので、独学の難しさもありましたが、全国1位という結果を聞いたときは、信じられない気持ちでした。さらに専門フードスペシャリスト(食品開発部門)でも優秀賞をいただくことができ、これまでの努力が形になったことをとてもうれしく思いました。

食に興味を持ったきっかけ

—お二人とも素晴らしい成果を出されていますが、そもそも食に関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

松前さん:小さい頃から料理が好きで、家族のために料理を作るのが楽しみでした。とくに祖母が作る和食が大好きで、その味を再現しようと試行錯誤するうちに、食材の組み合わせや栄養バランスに興味を持つようになりました。最近は、子どもの頃にたべた給食で、おいしかった懐かしい味の再現を楽しんでいます。

永田さん:私は現在、WEBメディアのライターとして、食の分野の記事を書く仕事もしています。食の安全や栄養バランスの重要性を知るうちに、『安全でおいしく健康的な食の情報を多くの人に届ける仕事がしたい』と思うようになり、食の専門知識を深める道を選びました。

—フードスペシャリストの資格試験を受けようと思ったきっかけは何ですか?

松前さん:もともと食品開発に興味がありましたが、より専門的な知識を身につけることで、自分の将来の選択肢を広げたいと思ったのがきっかけです。授業で学んだことを試験勉強に生かせる資格でもあるので、学びを深めながら実力を証明できる点にも魅力を感じました。

永田さん:通信教育課程で学ぶ中で、資格を持つことが現在の仕事に役立つと考えました。食品の安全性や流通に関する専門知識を持つことで、より正確で信頼性の高い情報を届けられるようになりたいと思ったことが、資格取得を目指した理由の1つです。通信教育課程で学ぶ中で、資格を持つことが現在の仕事に役立つと確信し、挑戦を決めました。
—資格取得がキャリアの一歩になるという意識が強かったのですね。

松前さん:はい。フードスペシャリストは食品業界での専門性を示す大きな武器になると思います。試験を受けることで、自分の知識のレベルを確認できたのもよかったです。

永田さん:食に関わる仕事がしたいと思っていましたが、資格を取ることでより明確な道筋が見えました。

学びを力に—試験対策と支えになった環境

—試験勉強は大変だったと思いますが、どのように取り組まれましたか?

松前さん:過去の問題を繰り返し解くだけでなく、授業で学んだ内容をノートに整理し、知識を体系的に身につけるようにしました。大学の定期試験などを通して、日々の授業がしっかりと基礎を築いてくれていたおかげで、スムーズに知識を整理できました。とくに、食品の機能性や栄養学の分野では、先生方が提供してくださった資料がわかりやすく、理解を深めるのに役立ちました。また、大学では実験実習が多く、理論だけでなく実際に手を動かして学ぶ機会が豊富にあります。食品の成分分析や調理科学の実験を通して、知識を深く定着させることができたことが、試験勉強を有利に進める大きなポイントになったと思います。

永田さん:通信教育課程では、対面授業がない分、自分で計画的に勉強を進めることが大切です。しかし、サポート体制が充実しており、疑問点はすぐに質問できる環境が整っていました。集中力が続かないときは、一度机から離れてリフレッシュすることを大事にしていました。とくに、スーパーへ行って食品のラベルをじっくり見たり、新商品の成分表示をチェックしたりするのが私の気分転換でした。例えば、『この食品にはどんな添加物が使われているのか?』『栄養成分はどうなっているのか?』と考えながら見ることで、勉強した知識と実生活がつながり、自然と学びにつながることも多かったです。

資格を活かして、描く未来とは?

—今回の資格取得を経て、今後の目標を教えてください。

松前さん:将来は食品開発の分野で活躍したいと考えています。今回の資格取得を通して得た知識を活かし、安全でおいしい食品を作る仕事に携わりたいです。4月からは、食品機能学研究室の新藤先生のもとで、食品の中に存在する、健康維持や生活習慣病予防・改善に効果のある新しい物質を探索します。食事や食品を通して、多くの人を笑顔にできるような研究がしたいです。

永田さん:通信教育課程で学びながら資格を取得できたことで、自分の可能性が広がったと感じています。WEBライターとして食に関する情報を発信しているうちに、食の流通や販売に関わる仕事の重要性を強く感じるようになりました。今、世の中には添加物や食べない方が良いとされる食品など、食をジャッジする情報があふれ、食べることに窮屈さを感じている方もいるかもしれません。しかし本来、食は楽しむものです。今後は、より多くの人に『食を選ぶ楽しさ』を正確な情報ととともにお伝えし、豊かな食文化を未来へとつなげていきたいです。
受験した25名全員がフードスペシャリスト試験に合格!最優秀賞、優秀賞を受賞した5名の学生のみなさんに表彰状が授与されました
受験した25名全員がフードスペシャリスト試験に合格!最優秀賞、優秀賞を受賞した5名の学生のみなさんに表彰状が授与されました

家政学部食物学科食物学専攻は、2025年4月より「食科学部 食科学科」として新たなスタートを切りました。これからも資格取得の支援を積極的に行い、食の未来を担う人材の育成に力を注いでいきます。

【フードスペシャリストについて】
フードスペシャリストとは、食の本質が「おいしさ」、「楽しさ」、「おもてなし」にあることをしっかり学び、食に関する幅広い知識と技術を身につけた食の専門家です。
フードスペシャリストは、食品の開発製造、流通、販売、外食などを担う食品産業をはじめ、食関係の広範な分野での活躍が期待されています。
また、専門フードスペシャリスト資格は、フードスペシャリスト資格の上位資格として、平成26年度に創設されたものです。この資格は、フードスペシャリスト資格に比べ、より専門性や実用性が高いものとなっており、フードスペシャリスト資格を取得済み又は取得見込みの方がチャレンジすることができます。(公益社団法人 日本フードスペシャリスト協会HPより抜粋)

公益社団法人 日本フードスペシャリスト協会HP