ポリシー
ポリシー
理学部 紹介

本学の理系教育の伝統を背景に1992年、私立女子大学としては唯一の理学部が創設されました。理系女性研究者育成は我が国の緊急の課題になっていますが女子大学にこそその役割が期待されています。

本理学部は上記2学科で構成されています。基礎学力をつけるとともに多様な領域で社会に貢献できる応用力を身につけます。

実験実習科目が多く充実した実験施設で少人数によるきめこまかな指導が行われています。卒業研究ゼミでは1人ひとり与えられた課題に取り組み4年間の大学生活の集大成として報告書にまとめます。
理学部Q&A
数物情報科学科
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学科のポイントはなんですか?
1.数学、物理学、情報の3つの分野の科目を学ぶ
2.豊富な演習、実習、実験授業や目白祭を通じ、自ら企画し、実行し、まとめる力を養う
3.卒業研究では1年間一つのテーマを学び、追究する
4.研究を支える情報機器・実験設備が充実
5.卒業後は多くの学生が専門を生かして社会で活躍し、キャリアの充実を追求 -
他大学の理学部数学科・物理学科・情報系学科との一番の違いは何ですか?
他大学の数学科との違いは、4年次の卒業研究が必修であることです。全ての学生が4年次で1年間かけて卒業研究を行い、その成果を論文にまとめ、卒業研究発表会で発表します。これにより、学生のグループワークやプレゼンテーションの能力が高まります。また、学科の科目の中に教職志望の学生のための授業を用意し、中学や高校で数学を教える際の基盤となる知識を身に付けます。頑張ってたくさんの科目を履修すると、数学と情報の2教科の教員免許を取得することができます。さらに、数学コース希望の学生も、1年次に力学と実験が必修となっており、高校で学んだ微分積分が物理学にどのように生かされるかを学びます。また、プログラミングの基礎はもちろんのこと、情報科学理論の基礎も本格的に学び、大いに数学が活用されていることを知ります。
一般の物理学科との違いは、学年毎に実験科目が必修であることです。実験を通して物理法則を実践的に理解するだけでなく、グループワークを通してコミュニケーション能力やリーダーシップ、さらに毎回課されるレポート課題により理科系の作文能力を鍛えます。3年次の実験では、結果をグループ毎に発表としてまとめることでプレゼンテーション能力の向上も図っています。学年毎の実験により養われた実践的な問題解決力、発表やレポートでの表現力は4年生で卒業論文をまとめる際に大きな力になりますし、社会に出てからも大いに役立ちます。さらに物理学科との大きな違いは、1年次に数学・情報の必修科目があり、選択科目として数学や情報系の科目を履修し、数学的な論理力やプログラミング力を鍛えることができる点です。問題解決のために幅広い知識・能力を身につけることができます。
他大学の情報系学科との違いは、ソフトウエアとハードウエアの両面から情報科学を学べることです。また、情報科学を中心にしつつ、数学や物理の科目も選べるため、社会のさまざまな分野で求められる能力を身につけることができます。1年次から3年次まで系統的なプログラミングの実習科目が用意され、情報系の学生に求められるコンピュータの活用能力を鍛えます。また、人工知能やデータサイエンスに対応した科目を提供し、これからの社会で求められる能力を育成します。4年次全員が取り組む卒業研究では、このような学びに基づいて広い範囲から研究テーマを設定することができます。また、基本情報技術者試験やG検定などの資格取得に役立つ知識も身に付けることができます。さらにプログラミングコンテストや産学連携イベントなどの課外活動も積極的に企画し、より実践的で立体的な学びを実現しています。 -
高校では選択制なので、理系クラスでも数学Ⅰ~Ⅲ、A~B、物理基礎・物理を全員が勉強しているとは限らないと思います。数物情報科学科では1年次に数学と物理が必修と聞いていますが、授業についていけるでしょうか?
1年次の数学及び物理の科目「微分積分学」「線形代数学」「物理学概論」「物理学基礎実験」は、クラスを分け、比較的に少人数で授業を行っています。特に、「微分積分学Ⅰ」・「微分積分学Ⅱ」の授業は,高校の数学Ⅲで学ぶことを、もう一度、厳密に考えていきます。「微分積分学」と「線形代数学」のいずれの講義にも問題を解いて理解する演習の時間があり、担当教員がていねいに質問に対応しますので、課題等に真剣に取り組めば,十分に授業についていくことができます。また、「物理学概論Ⅰ」・「物理学概論Ⅱ」という科目は、高校物理の未履修者にも理解できる内容になっています。 -
本人の希望どおりコースを選択できますか?
コースは、原則として本人の希望をもとに決定されます。卒業研究の研究室は、本人の希望、各研究室で指導可能な人数、成績などを考慮して総合的に決定されます。 -
中学校・高等学校の「数学」「理科」教員免許に加えて、高等学校の「情報」教員免許が取得できるそうですが、複数を取得できますか?
取得可能な教諭第一種免許は以下の通りで、「数学」と「情報」、または「理科」と「情報」の2科目の免許を取得することもできます。2科目の免許を取得するには、たくさんの科目を履修する必要がありますが、十分に単位を修得していれば、一括申請で卒業時に2科目の免許を取得することもできます。(なお、「数学」と「理科」の組み合わせは履修が必要な科目の時間割がぶつからないような配慮をしていません。)
・数学コース:「数学」, 「情報」
・物理コース:「理科」, 「情報」
・情報コース:「情報」, 「理科」, 「数学」(「情報」とそのほかの1科目が取得可能)
「数学」は「中学&高校」または「高校のみ」、「理科」は「中学&高校」または「高校のみ」、「情報」は「高校のみ」です。「情報」の中学校の教員免許は存在しません。 -
実習・演習の授業は、1クラスどの位の人数で行われるのでしょうか?
数学コースでは、多くの専門科目にセットした形で演習をつけています。2年次以上の科目の通常の演習は1クラス20~40人です。
物理コースや情報コースの実験は1クラス10~15人でほとんどのテーマを2人1組で行っています。各実験は、担当教員1名と助手1名以上で指導して、細やかな実験教育を行っています。
情報コースの専門に関わる演習では、コンピュータは1人1台で、担当教員に加えて助手や大学院生のT.A.(教育アシスタント)をつけて、理解しながら演習できるように丁寧な指導を行っています。 -
コンピュータを使った実習の環境は充実していますか?
学内のメディアセンターには最新のパソコンシステムを備えた6つの演習室があり、どの学科の学生も利用できます。実習は1人1台のコンピュータを用いて行われ、教員と学生との間でコンピュータの交信が可能な教育システムも導入されています。在学生はセンターにID登録しますので、実習室の空いている時はいつでも使用できます。
さらに数物情報科学科には,学生が使えるコンピュータを設置した複数の演習室があります。このコンピュータは学科の学生向けに設定されているため、より高度な数値計算やプログラミング、画像処理のための環境が充実し、レポート作成や課題提出だけでなく、卒業研究や大学院の研究,学園祭の自由研究などに利用されています。
学内には無線LANが整備されていて、自分のノートパソコンからインターネット接続や大学の情報サービスを利用することができます。学内には、授業外の勉強に使えるラーニングコモンズも充実しているので、友達と相談しながらそれぞれのパソコンで課題などに取り組むこともできます。 -
研究職が希望なので大学院進学も考えています。研究職への就職状況について教えてください。
研究職の採用は大学院修士課程(博士課程前期)修了者以上を対象としている企業が多いです。このことから、研究職を希望する場合は、大学院に進学し、修了後に目指すことを勧めます。また、本学専攻修了者は、研究職の他に、総合職、技術開発職に就いています。また、学部卒でも本人の志向と能力により、技術職開発職に就いています。
このように、本学科・本専攻のほとんどの卒業生・修了生は大学や大学院での勉強や研究を生かした業種・職種に就いています。過去5年の主な進路状況は、以下の通りです。なお、括弧内の数字は、採用者数です。
過去5年の主な内定状況は、以下の通りです。なお、括弧内の数字は、採用者数です。
2022年度:
[学部卒]JR東日本(株)(2)、NEC(株)(3)、NHK、NTTコムウェア(株)(2)、NTT東日本(株)、PwCコンサルティング(合)、SMBC日興証券(株)、(株)SUBARU、SONY(株)、大日本印刷(株)(2)、凸版印刷(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、日本オラクル(株)、(株)日立製作所、富士通(株)(2)、(株)富士通ゼネラル、三菱電機(株)(3)
[大学院修了](株)NTTドコモ、アクセンチュア(株)、セイコーウォッチ(株)、NEC(株)、(株)日立製作所、日産自動車(株)
2021年度:
[学部卒]JR東日本(株)(3)、NTTコムウェア(株)、SCSK(株)(2)、NEC(株)、アクセンチュア(株)、宇宙技術開発(株)、キヤノン(株)、ソフトバンクグループ(株)、大日本印刷(株)、東京海上日動システム(株)(2)、東京電力ホールディングス(株)、凸版印刷(株)(2)、富国生命保険(相)、富士通(株)、三菱電機(株)、(株)りそな銀行、(独)都市再生機構、厚生労働省、
[大学院修了]NTT(株)、アンリツ(株)、北海道電力(株)、リコー(株)、気象庁(2)
2020年度:
[学部卒]NHK、NTTコムウェア(株)、NTT東日本(株)、NEC(株)(5)、TIS(株)(2)、アクセンチュア(株)、アンリツ(株)、ソフトバンクグループ(株)、第一生命保険(株)、大日本印刷(株)(2)、日本アイ・ビー・エム(株)、日本銀行(株)(2)、日立製作所(株)(2)、富士通(株)(3)、三菱電機(株)、明治安田生命保険(相)、ヤマハ発動機(株)、金融庁
[大学院修了]SUBARU(株)、セコム(株)、三菱電機(株)
2019年度:
[学部卒]JR東日本(株)(2)、NEC(株)(2)、NTTコミュニケーションズ(株)、(株)NTTデータ、(株)NTTドコモ(2)、NTT東日本(株)、アクセンチュア(株)、キヤノン(株)(2)、セイコーエプソン(株)、大日本印刷(株)、凸版印刷(株)(3)、日本銀行(2)、富士通(株)、明治安田生命保険(相)、(株)村田製作所、総務省
[大学院修了] JR東日本(株)、KDDI(株)、(株)NTTドコモ、アクセンチュア(株)、東京電力ホールディングス(株)、大日本印刷(株)、三菱電機(株)
2018年度:
[学部卒]JR東日本(株)、NEC(株)、NTTコミュニケーションズ(株)、SCSK(株)(2)、キヤノン(株)、凸版印刷(株)(2)、東京電力ホールディングス(株)、(株)東芝、(株)大和総研、日本アイ・ビー・エム(株)、日本銀行(2)、(株)日立製作所、富士通(株)、本田技研工業(株)
[大学院修了]NTT西日本(株)、(株)日立製作所、三菱電機(株)、三菱自動車工業(株)(2)、三菱重工業(株)
です。 -
大学院へ進学する方は多いのですか?
毎年、20~30 %の学生が、本学大学院(理学研究科 数理・物性構造科学専攻 )をはじめ、他大学大学院に進学しています。また、修士課程(博士課程前期)修了後、博士課程(博士課程後期)に進学する学生も増えています。
過去5年の主な進学状況は、以下の通りです。なお、括弧内の数字は、採用者数です。
2022年度(計 20名):
[博士課程]日本女子大学大学院(2)
[修士課程]日本女子大学大学院(13)、お茶の水女子大学大学院、東京工業大学大学院、奈良先端科学技術大学大学院
2021年度(計 20名)
[修士課程]日本女子大学大学院(13)、埼玉大学大学院、筑波大学大学院、東京海洋大学大学院、北海道大学大学院、横浜市立大学大学院、横浜国立大学大学院(2)
2020年度(計 20名)
[修士課程]日本女子大学大学院(17)、東京大学大学院、東京都立大学大学院、横浜国立大学大学院
2019年度(計 16名)
[博士課程]日本女子大学大学院
[修士課程]日本女子大学大学院(9)、東京大学大学院、東北大学大学院、横浜国立大学大学院(2)、奈良先端科学技術大学院大学、早稲田大学大学院
2018年度(計 13名)
[修士課程]日本女子大学大学院(8)、東京大学大学院(2)、北海道大学大学院、横浜国立大学大学院(2)
です。 -
大学卒業後に教員を目指しています。教員の採用状況はどうですか?
各都道府県の教員採用は厳しい環境が続いていましたが、2002年度頃から改善の傾向が見られ、例えば東京都では数学・理科の教員採用試験に合格すれば(実際には補欠でも)、100%教員として採用されるようになりました(数学や英語は少人数教育が拡大したため)。また、中学・高校の教職免許を取得した場合でも、地域によっては、実際には小学校への採用となる場合も生じてきています。この場合、採用後の授業の実績や科目等履修生制度による単位の修得によって、小学校の教員免許を取得します。
過去5年の主な進学状況は、以下の通りです。なお、括弧内の数字は、採用者数です。
小学校の教員としては
2021年度(計 1名)
[学部卒]狭山市立富士見小学校 1名
数学の教員としては、
2022年度(計 1名)
[学部卒](学)創志学園 クラーク記念国際高等学校
2021年度(計 2名)
[学部卒]埼玉県公立中学校(2)
2020年度(計 3名)
[学部卒](学)信愛学園 浜松学芸中学校・高等学校、東京都公立中学校
[大学院修了](学)学習院 学習院中等科(非常勤講師)
2019年度(計 2名)
[学部卒] (学)安房家政学院 千葉県安房西高等学校
[大学院修了](学)杉並学院 杉並学院高等学校
2018年度(計 6名)
[学部卒](学)井之頭学園 藤村女子中学・高等学校、神奈川県公立中学校、茨城県公立中学校、
[大学院修了](学)学習院 学習院中等科、(学)高橋学園 千葉学芸高等学校、
(学)慶應義塾 慶應義塾中等部(非常勤講師)
理科の教員としては、
2022年度(計 1名)
[学部卒]非常勤講師として、埼玉県立高等学校 1名
2021年度(計 2名):
[学部卒]東京都立高等学校 1名、茨城県公立中学校 1名
2020年度(計 1名):
[大学院修了]東京都公立中学校 1名
2017年度(計 1名):
[大学院修了]東京都立高等学校 1名
が採用されました。
また、本学科は、横浜市、川崎市、相模原市、大阪府、京都府、京都市、徳島県、広島県などの公立学校教員採用選考試験の大学推薦特別選考を受けています。 -
情報処理技術としてプログラミングだけでなく、各種資格試験を在学中に受験したいと思います。大学の授業では、どのような勉強が可能か、具体的に教えてください。
学科の科目では情報処理技術者試験の対策とは謳っていませんが、プログラミング、コンピュータのハードウエア、ソフトウエアに関する知識、ネットワークのしくみ、セキュリティ、暗号などの専門的な知識を学ぶことができ、試験範囲を高いレベルでカバーしています。また、人工知能や統計、データサイエンスに関する科目も充実しており、G検定や統計検定などの受験に役立てることができます。さらに、本学のメディアセンターではWEB学習システムを通じて「ITパスポート試験 対策講座」と「基本情報技術者試験 対策講座」を無料で利用できる環境を提供しており、受験対策に活用することができます。 -
学園祭では研究発表を行うと先輩に聞きました。ユニークな研究内容をいくつか教えてください。
本学の学園祭である『目白祭』では毎年2・3年生が研究発表を行っています。2022年度は3年ぶりに目白祭が対面開催となり、学生たちが顔を合わせて準備をしたり来場者に直接説明をしたりする様子を見ることができました。2022年度のテーマは、「きれいな和音を作ろう」「パワーポイントでプロジェクションマッピング」「理論のり巻き」「最強のアニメキャラクターは?」「ドット&ボックス必勝法」「最速降下曲線とパスマスイッチ」「社会に役立つモバイルアプリケーション」「Proof of Workにおけるマイニングの実験」「p5jsで作るブロック崩しゲーム」「天体写真と画像処理」「重力加速度の測定」、など数学、物理学、情報科学に関連する多彩な発表がされました。
オンライン開催された2021年度の研究発表のテーマには以下のようなものがありました。
「数独と統計」「数学マジック」「写真からの立体復元」「一筆書きと曲率」「フレームワークを動かなくするパネルの張り方」「ぱすますいっち(からくりジェットコースター)」「ファッション評価AI」「子供見守りアプリ」「早押し判定機」「自作ドローン制御」「スマートフォン&PC連携Webプログラムについて」
これらの発表内容は以下のWEBページでも公開しています。ぜひご覧ください。
*数物情報科学科については学科ホームページもご覧ください。
化学生命科学科
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学科の特色はなんですか?
1.化学と生物学、そして両者の複合領域も学べる
2.実験科目重視、幅広い分野の科目を選択できる
3.理系女性育成の伝統を受け継ぐ教育
4.教育設備の充実 -
他大学の理学部の化学科、生物学科との一番の違いは何ですか?
ほとんどの科目が選択科目であり、化学と生物学の幅広い分野の中から、自分の興味に合ったカリキュラムを組むことができます。化学と生物学の両方またはいずれかを中心とした時間割を作ることが可能です。また、複合領域である分子生命科学分野や環境科学分野の授業を加えることもできます。 -
バイオテクノロジーに興味があります。関連分野で現在どのような研究がされていますか?
多くの教員が、バイオテクノロジーの基礎となる遺伝子組換えや細胞培養などの技術を駆使した研究・教育に取り組んでいます。例えば、分子生物学を専門とする教員は、蛍光タンパク質を融合させたDNA複製因子の遺伝子をヒト培養細胞に導入して、DNAの複製機構に注目した研究に取り組んでいますし、遺伝学を専門とする教員は,動物の体色の進化に関して、遺伝子突然変異によって、色や模様を変化させたメダカを使って解析しています。また、遺伝子組換え植物を用いた学生実験も行われています。 -
生物の生態調査や野外での生物行動観察の授業・研究は行っていますか。
野外での植物観察・採集を行う実習や臨海実習があります。卒業研究では野外の観察・調査を取り入れた研究、森林のもつ環境浄化作用に関する研究も行われています。動物の生態調査や野外での行動観察の授業は行っていませんが、外部との共同研究は行っていますので、今後は卒業研究で扱う可能性があります。 -
将来、化粧品や食品の会社で働きたいのですが、化学生命科学科でそのための知識を学べますか?
そのような分野の基礎となる知識を学べます。化学、分子生命科学、生物学、環境科学の幅広い分野を履修可能なので、化粧品や食品会社で要求される広い基礎知識を学べます。また、学生実験で身につけた技術は、研究職についたときに役立ちます。 -
環境問題に関心がありますが、化学生命科学科で学べますか?
化学と生物学の両面から環境について学べます。例えば、「環境化学I,II」「環境生物学」「環境分析化学実験」「環境生物学実験」などの講義や学生実験があります。また、環境物質を対象にした分析化学、無機化学を研究している研究室もあります。また、環境汚染物質の生物分解に取り組んでいる研究室もあります。授業や卒業研究を通して環境分析の実験技術や解析方法などを身に付けることができます。 -
実験設備は充実していますか? 実験・演習の少人数とはどれ位でしょうか?
教育装置は充実しており、日本で最高水準を誇ります。1年次から分析機器を用いた実験を行い、3年次ではNMRやICP発光分析装置という、通常は研究用にしか使われない高価な装置を受講者全員が使用します。またデジタル画像解析装置を連結させた高度な生物顕微鏡システムを、1人1台の割合で1年次の学生実験から使用します。授業の実験は2~4名のグループに分かれ、1人1人が全てのテーマに参加しています。この他、2, 3年次には「化学生命科学英語」という少人数(10名内外)での英語論文の輪読の科目があります。 -
食品添加物や農薬など食品関係の実験・研究に興味があります。家政学部の食物学科と理学部の化学生命科学科では、どちらに進むべきでしょうか?
どちらの学科でも、実験・研究を行うことが可能ですし、どちらの学科の学生も食品関係の企業に就職しています。ただし大学で学ぶ内容には違いがあります。食物学科では、農学系の食品・栄養学、医学保健学、調理科学を柱とした食と健康に関する基礎知識を学ぶことができます。(食物学科のWebページ:「食物学科では、食を通して命を守り社会に貢献できる専門家の養成を目指し、食品学、栄養学、調理学、医学などの基礎的専門分野を修め、それらを生活に応用して発展させる力を養います。」)
化学生命科学科では、化学の基礎知識を活用しながら生物学を深く学ぶことも、化学の学習を中心としながら、生物学の素養を身につけることもできます。これによって、医薬、食品、農薬など幅広い分野で必要とされる基礎知識と技術を身につけるのみならず、専門分野の大学院への進学も可能です。こうした違いをよく考えて、進路を選択してください。 -
研究/技術職が希望なので大学院進学も考えています。研究/技術職への就職状況について教えてください。
大学卒であっても、研究/技術職(研究補助を含む)に就職される方が一定数います。企業によっては、技術系の採用に修士課程修了以上が要求される場合もあります。就職先としては、一般企業の他、大学や大学併設の研究所、国家公務員などがあります。本学科では、凸版印刷、日本食品分析センター、東芝などの研究/技術職で、多くの採用実績があります。 -
他大学の大学院へ進学する方は多いのですか?
卒業生の15~30%が毎年大学院に進学しています。2022年度の大学院進学者は33名でした。そのうち本学大学院への進学者が21名で、他大学の大学院へは、東北大学大学院、筑波大学大学院、東京大学大学院、東京工業大学大学院、東京農工大学大学院、名古屋大学大学院、早稲田大学大学院に進学しています。 -
化学や生物の知識を生かせるような就職はできますか?
化学や生物の知識を生かせる分野は、食品、化粧品、製薬、醸造などがありますが、それらの知識が必要となる業種は製造業に限られません。従って、卒業生は、ソフトウェア開発なども含めた幅広い分野の会社に就職しています。たとえば、2022年度は、島津製作所(院卒)、Mizkan Holdings(院卒)、キリンビール、凸版印刷、岩城製薬、日本電気、農林水産省など、2021年度は、ポーラ、シミックファーマサイエンス、丸大ミート、大日本印刷、東京電力、ウェザーニュース、志賀国際特許事務所など、理系の知識を生かせる会社に毎年多数採用されています。 -
中学校・高等学校の「理科」教員免許を取得する学生はどのくらいいますか?また近年の採用状況を教えてください。
例年10名前後が免許を取得しています。その中には卒業と同時に専任教諭として採用される方もいます。2022年度は埼玉県公立中学校に、2021年度は横浜市公立中学校に採用されました。
*化学生命科学科についてはホームページが役に立つと思いますのでご覧下さい。
2023年7月更新
理学部の3方針(2023年度まで)
自然と人間が調和する世界を、柔軟な思考で創造する。
宇宙はどのように生まれたのだろう、DNAでどこまで生命の起源に迫れるのだろう、地球温暖化をくいとめたい、原子力に変わるエネルギーを何とかしたい、そんな「なぜ?」に惹かれ、「なんとかしたい!」という強い思いをもった仲間たちが理学部に集まっています。理学部では、数物情報科学科と化学生命科学科を設置。数学・物理学・情報科学・化学・生物学を学びます。さらに、学際領域である情報科学・分子生命科学・環境科学を含む応用諸科学分野とも連携した学びが得られます。「人類と科学文明」「持続型社会の形成」という視点に立った、総合知としての基礎科学の研究の重要性が再認識される現在、科学者・技術者の意義と役割は一層大きいものとなっています。本学部ではヒューマニズムに根ざした、志の高い「理系女性」を育てます。
数物情報科学科の3方針
化学生命科学科の3方針
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
・理科や数学が好きで、もっと深く体系的に学びたいと思っている人。
・実験や演習が好きで、論理的な思考能力を高めたいと思っている人。
・自然界の様々な現象を理論的・科学的に明らかにしたいと思っている人。
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
・高等学校教育からの連続性に留意した基礎教育として、各分野の基礎的な力を身に付けるために、数学・物理学・化学・生物学・情報科学等の理学基礎系列の科目を置く。
・自然科学の各分野、及び境界領域分野における専門的知識や論理的思考法を修得させるため、数学・物理学・化学・生物学・分子生命科学・環境科学・情報科学の各分野の体系的な授業科目として専門科目を置く。
・各分野の講義で修得した内容を実証するための実験科目並びに演習科目を置く。
・4年間の学修の集大成として、卒業研究を必修とする。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
・自然科学についての総合的な知識に基づいて、様々な角度から系統的に考えることができる。
・自然科学の各分野の専門的知識に基づいて、環境問題等社会がかかえる問題の解決に貢献できる。
・論理的な思考により、問題の発見と解決に自ら努力することができる。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
知識・理解
・化学と生物学及びその複合領域である分子生命科学の基礎的な知識を修得し、更に、いずれかの分野の高度な学問内容及び方法を理解している。
思考・判断
・自ら設定した課題について、化学、生物学、もしくは分子生命科学の研究方法を用いて、取り組むことができる。
関心・意欲・態度
・自然科学的な論理的思考法を有する者として、社会における自らの役割と責任を自覚でき、それぞれの場において、ニーズに応えるべく努力できる。
技能・表現
・化学的、生物学的及び分子生命科学的な基本技術を持っており、更にそのいずれかの技術を実践の場で活用できる
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)(2024年度から)
化学生命科学科では、化学や生物学の専門分野を通じて自然や社会の現象を論理的に考察する力を持ち、その専門知識を活かして社会で活躍できる人物、科学的考え方を活用しつつ他者と協力して問題を解決することのできる人物の育成を目的とする。そのため、以下の能力の修得を教育上の目標とする。
DP1 化学と生物学を主とした自然科学系分野における基礎的な知識を持ち、基礎的な実験を行うことができる。【大学DP1・DP2】
DP2 化学か生物学、または複合領域のいずれかを専門とする科学分野において、専門的な知識を持ち、対象物に関する原理や理論を理解し、それらを論理的に説明することができる。【大学DP1・DP2】
DP3 専門とする科学分野において、英語で書かれた基礎的文献を読み、要点を理解し説明することができる。【大学DP4】
DP4 他者と協力して実験や調査を行うことができ、その結果について他者と議論することができる。【大学DP2・DP3】
DP5 実験の計画と実施を行い、実験から得られるデータを分析・整理してその実験の内容と結果の有意性を評価し、結論を導くことができる。【大学DP2】
DP6 実験の目的や方法、結果および考察について、図表や文章を用いて論理的に表現し、成果を口頭で発表することができる。【大学DP2・DP4】
DP7 現代社会の中での科学技術の役割を理解し、自然現象や社会への影響を論理的に考察し、科学的考え方に基づいて、社会に貢献できるよう自ら努力することができる。【大学DP5】
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
知識・理解
・「理学基礎」科目で得た知識を基礎として、より専門性の高い化学、生物学及び分子生命科学の広く深い知識を段階的に身に付け、理解できるよう、学年を考慮した専門科目を置く。
思考・判断
・勉学によって得た知識を実地に用いて、提起された問題を論理的に解決でき、結果を順序立てて伝達できる能力を養えるよう、演習及び実験科目を置く。
関心・意欲・態度
・学問的知識や技能を、環境保全や社会貢献等、生活や社会に活用できるよう、授業や演習、実験を通じて、自然や社会への関心を刺激、促進する。
技能・表現
・実践的なプレゼンテーションやレポート作成、実験技術を身に付けられる講義や演習、実験科目を置く。
・問題解決能力を養うために、各人が独力で新規の研究テーマに取り組む卒業研究を置く。
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)(2024年度から)
【教育課程・教育方法】
1年次
数学・物理・情報・化学・生物学・地学の様々な分野を含む系列「理学基礎」から、科目を選択して履修する。科目名に「概論」が付いているものは、基本的に2年次以降の専門科目への導入として重要なものである。特に、「化学」「生物学」の名称が付されている科目の履修は強く推奨され、2年次以降の化学と生物学の基礎的知識と実験技術を身につけることができる。
2年次および3年次
化学と生物学に関する多くの選択科目(系列「展開」・系列「総合」)の中から、自ら設定した目標や志向に応じて科目を選択し、2年間かけて段階的に科学的な専門知識と論理的な思考力を醸成する。また、系列「実験」においては、定められた単位数の実験を選択履修する必要がある。この実践的な実験科目の履修を通じて、他者と協力して実験し議論する力を養い、分析力や考察力、レポート作成力等を深めていくことができる。さらに、系列「特別研究」に含まれる「化学生命科学英語」は少人数の演習授業であり、英語の基礎的文献を読み発表する力を育む。
4年次
化学か生物学、または複合領域のいずれかを専門とする研究室に所属して、独自の新規テーマの研究に取り組む。「卒業研究演習」では、専門性の高い英語の文献を読む力を養い、専門分野の知識を深め、科学的な議論を行い、プレゼンテーション能力を高める。「卒業研究」では、原理や目的を理解して適切な実験を行う技術と能力を培うとともに、データ分析力、問題解決能力、論理的な考察力などの総合的な応用力を身につける。1年間の集大成として卒業論文を執筆し、口頭で研究発表を行う。
なお、中高(理科)の教諭一種免許状が取得できる教職課程、および博物館学芸員課程のカリキュラムも提供する。
【学修成果達成のための科目】
DP1 系列「理学基礎」
DP2 系列「展開」、系列「総合」
DP3 「化学生命科学英語」、「卒業研究演習」
DP4 系列「展開」と系列「総合」の一部の科目、系列「実験」、「卒業研究演習」、「卒業研究」
DP5 系列「実験」、「卒業研究」
DP6 系列「実験」、「卒業研究」
DP7 ほぼ全ての授業が該当する
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
化学生命科学科は、化学と生物学、また、両者の複合領域を学ぶ学科である。専門の学びを通じて論理的な考察力を養い、専門知識と科学的考え方を活かして社会で活躍できる人物を育成することを目指している。
本学科が求める学生像は、以下のとおりである。
【求める学生像】
・化学か生物学または両者の複合領域を深く学びたいという意欲のある人
・化学や生物学を軸としつつ、理系の様々な学問領域に幅広い興味を持つ人
・化学や生物学に関する「実験」を面白いと感じ、その重要性を認識している人
・知的好奇心と探究心を持ち、主体的に学修や研究に取り組む意欲のある人
・科学的な知識・技術や考察力を身につけ、社会で活躍したいと望む人
【高等学校段階までに修得すべき学力】
・理科や数学の十分な基礎学力
・英語の読解力
・論理的に物事を考える基礎的な思考力と、自分の考えをまとめ他者に正しく伝える基礎的な表現力
・他者とコミュニケーションを取り、協働して物事に取り組む力
上記の学力を身につけているかを判定する入学者選抜試験を以下の基本方針で行う。
(1)一般選抜
一般選抜では、各入試区分で課している科目における基礎的な知識を身につけているかを、思考力および表現力も加味しながら判定する。
・一般選抜(個別選抜型)
筆記試験により、外国語(英語)に加え、数学または理科における基礎的な知識を身につけているかを、思考力および表現力を加味しながら判定する。
・一般選抜(英語外部試験利用型)
英語外部試験を利用して英語の4技能をバランスよく十分に修得しているかを判定する。さらに、筆記試験により、数学と理科の基礎的な知識を身につけているかを、思考力および表現力を加味しながら判定する。
・一般選抜(大学入学共通テスト利用型前期)
大学入学共通テストの外国語(英語)、国語または数学、理科の3科目の試験によって、それぞれの科目における基礎的な知識、思考力および表現力を身につけているかを判定する。
・一般選抜(大学入学共通テスト利用型後期)
大学入学共通テスト利用型前期と同じ方針で判定する。
(2)総合型選抜
総合型選抜の第一次選考では、調査書を用いて高等学校等における取り組み状況を調査し、高校までに身につけるべき基礎的な知識と技能、主体性および協働性を総合的に判定する。また、全学科共通課題を通して主体性、論理的思考力および表現力を判定する。第二次選考では、適性検査(筆記試験)にて理科と数学の基礎的な知識の修得を判定し、小論文にて論理的な思考力、判断力、表現力を見る。さらに、面接試験ではコミュニケーション力や他者と議論する力などを審査する。以上の調査と試験を通して総合的に判定する。
(3)学校推薦型選抜
高等学校等学校長によって推薦された人は、高校までに身につけるべき基礎的な学力を有していると判断する。さらに、出願書類と面接試験(口述試験)によって、学修や研究への意欲、自分の考えを表現する力、コミュニケーション力および協働性を総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(附属高等学校推薦)
日本女子大学附属高等学校長が推薦する人を対象に、出願書類と面接試験によって総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(指定校制)
本学科が指定する高等学校(指定校)の学校長が推薦する人を対象に、出願書類と口述試験によって総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(公募制)
高等学校長が推薦する人を対象に、小論文にて論理的な思考力と表現力を判定し、口述試験にてコミュニケーション力、表現力および他者と議論する力に加え、理科に関する基礎的な知識の修得を判定する。出願書類も合わせて総合的に判断する。
(4)外国人留学生
日本留学試験の日本語、理科(化学)、理科(生物)の3科目の試験によって、十分な基礎学力を有しているかを判定する。出願書類および口述試験によって、学修意欲、主体性、日本語能力、コミュニケーション能力、他者と議論する力、および英語や理科に関する基礎的な知識を有しているかを審査し総合的に判定する。
(5)編入学・学士入学
大学・短期大学・高等専門学校を卒業した人(見込みを含む)や他大学在学中の人を対象に、化学または生物学の筆記試験を行い、大学2年次もしくは3年次に相当する専門的な知識を有しているかを審査する。出願書類および口述試験によって、学修意欲、主体性、コミュニケーション能力、他者と議論する力、および英語や理科に関する十分な知識を有しているかを審査し総合的に判定する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
知識・理解
・数学及び物理学の基本的な概念を確実に身に付け、その専門的応用力を有し、関連する基本的な情報学的あるいは工学的知識もあわせ持つこと。
思考・判断
・数学あるいは物理学の知識を応用し、情報化社会の諸問題を論理的に把握し判断できる能力と姿勢を持つこと。
関心・意欲・態度
・数学あるいは物理学の素養を基として、複雑な現象に隠されている原理を発見し、数学や物理学と関連して理解・応用する努力ができること。また、新しい問題、課題に自主的に取り組む姿勢を持つこと。
技能・表現
・数学的及び物理学的な思考力と応用力を身に付け、演習や実験等で培った知識と技能によって問題を把握表現し解決する努力ができること。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)(2024年度から)
数物情報科学科では、数学、物理学および情報科学の基礎的な知識と、数学、物理学、情報科学またはそれらの融合分野の専門的な知識と論理的な思考力に基づいて、現代社会の諸事象を理性を持って分析・判断し、新しい未来を創生する人物の育成を教育の目的とする。
DP1 数学、物理学および情報科学の基礎を理解している。なお、ここでの基礎とは、これら3分野に共通してよく使われる事項とする。【大学DP1】
DP2 数学、物理学、または情報科学の専門的な知識を持ち、それに基づいて現象や事象を理解できる。【大学DP1・DP2】
DP3 数学、物理学、情報科学、またはそれらの融合分野について、他者とコミュニケーションをとり、学問上および現代社会の課題の解決に向けて協働することができる。【大学DP3】
DP4 数学、物理学、情報科学、またはそれらの融合分野において課題を設定し、専門的な知識に基づき、自らの意見や考えを論理的に伝えることができる。【大学DP2・DP5】
DP5 数学、物理学、情報科学を中心におきつつ、分野の境界を超えて広く理学の分野を概括的に理解している。【大学DP1・DP4】
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
知識・理解
・数学、物理、及びそれらに関連する情報分野を体系的に学修できるように基礎及び展開系列の科目を置く。
思考・判断
・学生自ら問題を発見・設定し、解決のために道筋を考える努力ができるように卒業研究を置く。
関心・意欲・態度
・数学、物理及びそれらに関連した情報科学分野への強い関心と積極的な学修姿勢を涵養するために、演習科目と実験科目を豊富に置く。
技能・表現
・講義で修得した知識や思考力を発表・報告できるように演習科目と実験科目を豊富に置く。
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)(2024年度から)
【教養課程・教育方法】
数物情報科学科では、主に初年次に数学、物理学および情報科学の基礎を学び、主に2年次以降に数学、物理学、情報科学およびそれらの融合分野から専門を想定し、高度な知識と技術を身につける。ただし、専門外の授業を受講することもできる。
数物情報科学科の授業科目は「基礎」「展開」「講究」「特論」「卒業研究」「理学基礎」「教職課程」の科目群に分かれる。学科科目と学科ディプロマ・ポリシーとの対応はカリキュラム・マップ中に提示する。
基礎
数学、物理学、および情報科学の基礎を学ぶため、1年次に「基礎」科目群を設置する。1年次の全ての学生は、この内容を学修する。
展開
2~4年次に、数学、物理学、情報科学、およびそれらの融合分野に関する専門的な内容を学修するため、「展開」科目群を設置する。各学生はその専門分野と興味に合わせて履修する科目を選択する。
講究
2年次と3年次に数学、物理学、情報科学、およびそれらの融合分野に関する文献の読解や調査を通じて専門分野の知識を深め、さらに質疑応答や議論を通じて自らの考えを論理的に伝える能力を身につける。
特論
4年次に、数学、物理学、情報科学、およびそれらの融合分野に関する高度に専門的な内容を学ぶため、大学院との共通科目である「特論」科目群を設置する。
卒業研究
4年次に卒業論文を書く。そのために、専門やその隣接する分野の専門書や論文を読んで最近の学問の発展を学び、その内容について説明したり、意見交換したりすることによって、自分の研究の方向性を探り、構想を練る。研究テーマについて調べたり、実験したり、考えたことを発表し、それに対する教員や他の学生の意見を参考にしつつ、さらに自分の研究を深め、論文をまとめる。
理学基礎
数学、物理学、情報科学だけでなく、化学や生物学なども含めた、専門分野の周辺をなす理学の基礎を学ぶ。
教職課程
中学校教諭一種免許状(数学、理科)、高等学校教諭一種免許状(数学、理科、情報)の資格取得のために必要な専門科目を設けている。数学と情報、あるいは理科と情報の2教科の免許状を取得することも可能である。
学生が実践的に学ぶための科目として、先述の「講究」と「卒業研究」に加えて、授業形態が演習、実験、実習の科目がある。1年次から4年次まで、どの学年にもそのような科目が設けられている。演習では数学や物理や情報の問題を解き、それを発表したりレポートしたりする。物理に関する実験では、物理現象に関し測定やシミュレーションを行い、考察し、発表する。情報の実習、演習では、アルゴリズムを考え、それを具体化させるためのプログラミングを行う。また、情報の実験では基盤となる機構を動作させて、原理と応用性について理解する。講究や卒業研究では実践的な学びとともに、その成果を論理的な形式にまとめ、発表を行う。これによって、論理的思考力とプレゼンテーションスキルを身につける。
【学修成果達成のための科目】
DP1 科目群「基礎」
DP2 科目群「展開」「特論」「講究」「卒業研究」
DP3 科目群「講究」「卒業研究」、および演習、実験、実習の科目
DP4 科目群「講究」「卒業研究」、および演習、実験、実習の科目
DP5 科目群「理学基礎」
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
数物情報科学科は、数学、物理学、情報科学、およびそれらの複合領域を学ぶ学科である。専門の学びを通じて論理的な考察力と表現力を養い、専門知識と科学的な思考力を活かして社会で活躍する人物を育成することを目指している。
本学科が求める学生像は、以下のとおりである。
【求める学生像】
・数学、物理学、情報科学またはそれらの複合領域を深く学びたいという意欲のある人
・数学、物理学、情報科学を軸としつつ、理系の様々な学問領域に幅広い興味を持つ人
・数学、物理学、情報科学に関する「実験」、「実習」、「演習」などの実践的な学修と研究を面白いと感じ、その重要性を認識している人
・知的好奇心と探究心を持ち、主体的に学修や研究に取り組む意欲のある人
・科学的な知識・技術や考察力を身につけ、社会で活躍したいと望む人
【高等学校段階までに修得すべき学力】
・数学、理科、情報の十分な基礎学力
・英語の読解力
・論理的に物事を考える基礎的な思考力と、自分の考えをまとめ他者に正しく伝える基礎的な表現力
・他者とコミュニケーションを取り、協働して物事に取り組む力
上記の学力を身につけているかを判定する入学者選抜試験を以下の基本方針で行う。
(1)一般選抜
一般選抜では、各入試区分で課している科目における基礎的な知識や思考力を身につけているかどうかを、論理的に記述する力を加味して、判定する。
・一般選抜(個別選抜型)
筆記試験により、数学、理科、外国語(英語)における基礎的な知識や思考力を身につけているかどうかを、論理的に記述する力を加味して、判定する。
・一般選抜(英語外部試験利用型)
英語外部試験を利用して英語の4技能をバランスよく十分に修得しているかを判定する。さらに、筆記試験により、数学、理科における基礎的な知識や思考力を身につけているかどうかを、論理的に記述する力を加味して、判定する。
・一般選抜(大学入学共通テスト利用型前期)
大学入学共通テストの外国語(英語)、数学、国語または理科の3科目の試験によって、それぞれの科目における基礎的な知識、思考力および表現力を身につけているかを判定する。
・一般選抜(大学入学共通テスト利用型後期)
大学入学共通テストの外国語、数学または理科から2科目の計3科目の試験によって、それぞれの科目における基礎的な知識、思考力および表現力を身につけているかを判定する。
(2)総合型選抜
総合型選抜の第一次選考では、調査書を用いて高等学校等における取り組み状況を調査し、高校までに身につけるべき基礎的な知識と技能、主体性および協働性を総合的に判定する。また、全学科共通課題を通して主体性を判定する。第二次選考では、適性検査(筆記試験)にて基礎的な知識の修得を判定し、小論文にて論理的な表現力を見る。さらに、口述試験では数学または物理または情報の基礎的な学力、他者に伝える力、主体性などを審査する。以上の調査と試験を通して総合的に判定する。
(3)学校推薦型選抜
高等学校等学校長によって推薦された人は、高校までに身につけるべき基礎的な学力を有していると判断する。さらに、出願書類と面接試験(口述試験)によって、学修や研究への意欲、自分の考えを伝える力、および主体性を総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(附属高等学校推薦)
日本女子大学附属高等学校長が推薦する人を対象に、出願書類と面接試験によって総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(指定校制)
本学科が指定する高等学校(指定校)の学校長が推薦する人を対象に、出願書類と口述試験によって総合的に判定する。
・学校推薦型選抜(公募制)
高等学校長が推薦する人を対象に、小論文にて論理的な表現力を判定し、口述試験にて数学、物理、情報の基礎的な学力、他者に伝える力、主体性などを審査する。以上の調査と試験を通して総合的に判定する。
(4)外国人留学生
日本留学試験の日本語、数学、理科(物理)の3科目の試験によって、十分な基礎学力を有しているかどうかを判定する。出願書類および口述試験によって、学修意欲、主体性、日本語能力、他者に伝える力、および数学、物理、情報に関する基礎的な知識と思考力を有しているかどうかを審査し、総合的に判定する。
(5)編入学・学士入学
大学・短期大学・高等専門学校を卒業した人(見込みを含む)や他大学在学中の人を対象に、数学または物理の筆記試験を行い、大学2年次もしくは3年次に相当する専門的な知識を有しているかどうかを審査する。出願書類および口述試験によって、学修意欲、主体性、他者に伝える力、および数学、物理、情報に関する基礎的な知識と思考力を有しているかどうかを審査し、総合的に判定する。