学びを止めるな!コロナ禍においてシステム部門はどう対応したか?
2021.03.02
管理部システム課
コロナ禍においてシステム部門はどう対応したか?
システム課では、教育の高度化、ペーパーレス化などのDX化を推進しています。
今回、システム課が行っている取り組みの一部を紹介いたします。
2020年度からの遠隔授業への対応
これまでLMS(授業支援ツール)を利用する本学教員は2割程度でしたが、2020年度、新型コロナウイルスの影響で前期授業はすべて遠隔へと変更になり、教員全員がLMSを利用する状況に直面しました。
メディアセンターでは、まずオンライン授業支援ポータルを作成し、説明会を実施するなどして、教員のオンライン授業への変更を支援し、学生に対してはメディアセンターのホームページ上にオンライン授業支援サイトを作成、専用の窓口を設けて、問い合わせフォームを設置しました。
遠隔授業に参加できない等、緊急の場合は、電話で直接サポートを行いました。さらに新入生・在学生を対象に、LMS上にオリエンテーション用のコースを作成し、各事務部署・各学科と連携し、コンテンツ作成をサポートしました。
遠隔授業開始当初は、問い合わせの電話が1日に約100件、問い合わせフォームからも同数程度受信がありました。これら一つひとつ丁寧に対応し、その中で全体へも知らせた方が良い内容は、オンライン授業支援サイト等のHPに随時反映して全体に情報を周知していく・・・この繰り返しでサポートを行い続けました。
本学は、マイクロソフトのOffice365を利用しています。LMSはmanaba、ビデオ会議ツールとしてZoomを導入しています。Office365は、これまで主に電子メール(Outlook)が主に使われていましたが、現在はTeams、OneDrive、Stream、Forms等も活発に使われるようになりました。これらツールの利用支援をすることも重要な業務です。
遠隔授業だけでなく、多くの業務がオンラインへ変更
大学に限らず、幼稚園・小学校・中学校・高等学校、さらには通信教育課程やリカレント教育課程、その他附属機関において遠隔授業の問い合わせだけでなく、会議やその他の業務もオンラインに変更したい旨の相談が当課に寄せられました。
例えば、これまで紙ベースで行っていた各種申込をオンライン化したいという相談です。定員を設定する必要のあるもの、抽選が必要なもの、担当者が承認する必要のあるものなど内容は多岐に渡りました。
また、これまで対面で行っていた入試相談会、面接などの各種イベントもオンラインへの変更を余儀なくされました。これらのオンライン化の支援もシステム企画課で行いました。
コンピュータ演習室のリモート接続サービスを開始
本学では、2020年8月に、学生が自宅のPCからコンピュータ演習室PCを利用できるサービス開始を開始しました。
本学のコンピュータ室には、授業で利用するデザイン系ソフト、CAD系ソフト、統計ソフトの他、特定の学科で利用する専門的なソフトが含まれています。
対面授業の実施が困難な状況の中、メディアセンターには、教員から「なんとか遠隔授業でコンピュータ演習室を使わせてもらえないか?」、学生からも「卒業論文の作成でコンピュータ演習室を利用したい」の要望があがりました。
これを受けてメディアセンターでは、まず実現できるのか?から検討することになりました。
事務部門では、すでに2020年4月よりテレワークを実施しており、自宅から事務用PCに接続するサービスを開始しておりました。これは職員に割り当てられた特定のPCに接続しますので、技術的にはそれほど難しくありません。
一方でコンピュータ演習室でのリモート接続は、任意のPCに学生が接続できるようにしなくてはなりません。同じPCに同時に接続できない仕組みが必要です。
この問題を解消するためには、本学学生・教員を対象にした専用の予約システムを構築する必要がありました。
また、予約している期間だけ指定したPCに接続可能に制御する必要もあります。これには高度な技術を要求されます。セキュリティを担保したまま、これら要件を実装する必要もあります。本学は、学生の中でMac利用者も多い。Macからの接続も可能な構成にする必要もありました。
技術的なことは省きますが、2020年7月に一部の教員対象に試行でサービスを開始し、2020年8月10日に正式にサービスを開始することができました。授業期間中は、平均して1日50名、多いときで100名を超える利用者がいました。冬期休暇期間などの授業期間外でも1日平均10台程度の利用があります。
2021年度に向けて
本学では、2021年度より大学・大学院の授業でTeams履修連携サービスを開始します。
2021年度にコンピュータ演習室はリニューアルされますが、学生が自宅からリモート接続できるサービスは引き続き提供します。対面授業でリモート接続用のPCが確保できない場合は、授業終了後の時間から深夜までの時間帯で学生がリモート接続できるようシステムの準備を進めています。学生が、自宅でもコンピュータ演習室を自学自習に活用できるように準備をしています。
これらの対応は、本学ならではのものだと思います。
新型コロナウイルスへの対応は、各大学も非常に苦労していることを聞きます。システムの重要度が増し、また対応できる技術レベルでサービスレベルが変わる状況にあります。
そのような状況の中で、日本女子大学のシステム部門は縁の下ではありますが、以上のような取り組みを行い、さらには次年度に向けてより良い形での学修支援を発展させていく所存です。