被服学専攻
被服学専攻
豊かな創造力と行動力を身につけ、社会に貢献するスペシャリストを養成します
被服学専攻は、多様な側面を持つ「衣」を専門的に追究し、高度な学識と創造力を備える優れた研究能力を有する人材を育成します。研究対象は、乳幼児から高齢者、障害者、極限環境に至るまでの広範囲に及び、これらを科学的ならびに文化的な視点から分析を加えることにより、安心・安全・快適な生活支援を可能とする確かな能力を獲得させ、研究・教育・企画・開発などのさまざまな分野で活躍できる「衣」のスペシャリストを育成します。
人材養成・教育研究上の目的
本専攻は、衣服をとおしてすべての人々の快適で質の高い生活を追求するために、幅広い専門分野の基礎と応用理論を修得し、豊かな創造力と表現力、高い研究能力を身につけ、被服学の専門家として広い視野で社会に貢献できる人材を養成することを目的とします。
カリキュラム構成
「衣」をとりまく環境が世界的規模で急速に変貌している今日、未来の衣生活の本質を見つめる多角的な研究が求められています。本専攻は大きく自然科学系・社会科学系・人文科学系の3つに分け、専門に応じた研究を進めていくことを可能としています。自然科学系では衣服素材、染色・加工、人体生理、衣服設計を有機的に捉えて衣服の快適性を追究しており、幅広い視点からの性能評価研究、ニーズ研究、新用途開発研究を行っていますが、これらはアパレルのみならず生活用品全般、高齢者、障害者、さらには極限環境における活動を視野に、ユニバーサルな研究に展開されています。社会科学系では衣服を中心とした流通や消費に関わる消費者問題や消費者政策、法制度に関する研究を行っており、同時に消費者教育のあり方を究明しています。人文科学系では衣服の源流となる西洋と東洋における服飾史や染織史、服飾美学に関する研究を行っており、流行の変遷、時代や地域と美意識との関わりを探求しています。各専門分野には繊維製品性能測定・分析機器、人間環境制御装置、三次元人体計測器、アパレルCADなどの諸設備や図書、資料が整備されています。
修了後の主な就職先
■民間企業(総合職・一般職・技能職)
ヨネックス,JANOME,花王,東レ,オリエンタルランド,エドウイン, 富田染工芸 他
■中学校,高等学校(家庭科教員)
公立学校教員(埼玉県,石川県),日本女子大学附属高等学校,頌栄女子学院高等学校,白百合学園中学高等学校,麹町学園女子中学高等学校,平塚学園高等学校,京都西山高等学校,昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校 他
■大学,短大(教員)
日本女子大学,山野美容芸術短期大学,屏東技術学院(台湾),鳴門教育大学,名古屋女子大学,一宮女子短期大学,淑徳短期大学,福島大学,杉野女子大学,和洋女子大学,目白大学,神戸松蔭女子学院大学
■検査・研究機関 他
日本繊維製品卸検査協会,ボーケン品質評価機構,ニッセンケン品質評価センター,東京都立産業技術研究センター,宇宙航空研究開発機構,日本規格協会,京都服飾文化研究財団
研究テーマ(主なもの)
- 素材特性を考慮したシームパッカリングの補正法と持続効果
- VR技術によるレースカーテンの視認性評価手法の検討
- 袖のデザインが衣服の熱抵抗に与える影響
- 曖昧で微少な精神的な刺激を客観化する方法の検討
- 骨盤矯正下着の効果と姿勢への影響
- 衣服着脱容易性を配慮した高齢者用上衣構造の検討
- リン酸塩加工綿布における難燃効果の分析
- 色文字の読みやすさに及ぼす照度レベルの影響
- 謡曲文様の研究ー小袖雛形本を中心としたその表現と展開ー
- ファッション雑誌・広告からみる19世紀後半のフランスの子ども服