建築デザイン学部Q&A

建築デザイン学科(仮称)

  • 学科の特色・ポイントはなんですか?

    以下に挙げるポイントが建築デザイン学科の特徴と言えます。

    1.人間の根源的営みから導かれた住居学の思想に立脚した新しい建築デザイン学の視点から生活環境を総合的に学ぶ
    2.建築や住居を創造するための計画・設計を体験的・実践的に学ぶ
    3.豊かな生活環境を実現するために、(住居を含む)建築空間をデザインし、提案や説明、討議できる能力を養う
    4.学生の関心や将来の目的に沿った建築領域における多様な科目群を展開
    5.建築士(一級・二級・木造)の受験資格が得られる高い水準の建築教育が実践されている

  • 建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)をつくった理由を教えてください。

    本学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、2021年に創立120周年を迎えました。多様で非連続に変化する社会において新しい明日を共に創る人材を育てていくことを目標に、女子総合大学としてますます発展させるための様々な改革を進めています。本学女子教育の基盤を現代の社会の要請に応じられるよう更に強化させることを目的に、2024年4月より建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)を開設することを決定しました。
    母体となる家政学部住居学科は、1948年に生活芸術科として設立され、その後1962年に住居学科として独立、現在までに5,500名弱の卒業生を送り出してきました。また、1956年に建築士の資格取得が可能なカリキュラムを導入して以降、数多くの女性建築家を輩出しています(代表的な卒業生としては、建築家の故林雅子氏、妹島和世氏、東利恵氏、貝島桃代氏、赤松佳珠子氏など)。
    建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)では、これまでの家政学部住居学科での建築の学びを中心にしつつ、より広い視野を持ち、同時に生活環境への繊細でしなやかな眼差しを持った建築家、デザイナー、研究者、職業人の育成を目指します。
    全国でもまだ10校程度の大学にしか設置されていない建築系学部では、その学修領域として建築工学に加え建物のデザインやまちづくり、歴史・意匠、建築物の保存再生など多様な分野が含まれることが紹介されていますが、その多様性はこれまでの住居学科の学びそのものであり、新設予定の建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)はその伝統・DNAを引き継ぎながら、建築デザインの視点から現代的課題に取り組むことのできる人材養成を目指し、学び(カリキュラム)の充実を予定しています。

  • 建築デザイン学部になると家政学部住居学科から何が変わりますか。

    家政学部住居学科では居住環境デザイン専攻と建築デザイン専攻の2専攻に分かれていましたが、建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)では専攻を廃止し、一学科としてのカリキュラムを提供します。住居学科の二専攻の違いは、基礎的な学習の上に積み上げる専門領域(専門科目)の選択自由度が異なる点でしたが、新学科でもそのカリキュラム構成、すなわち専門領域の選択性を考慮したカリキュラムとする予定です。なお、専門領域(専門科目)の選択性があるカリキュラムであっても、卒業時に一級建築士の受験資格が得られることはこれまでの住居学科と同様です。

  • 他大学の建築学部・建築学科との違いはなんですか?

    「建築工学」では構造や材料学が重視されますが、本来の建築学は工学的な側面のほか社会学的側面や芸術的側面を持っており、理系・文系に分類できない総合力が求められる学問といえます。
    他大学の建築学部・建築学科の多くは工学部の学科を母体としていますが、新しい建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)は、家政学部住居学科を母体として、家政学的要素と工学的要素の融合領域を特色としています。具体的には、住生活に関する科目が充実していること、工学部が技術的な側面からアプローチするのに対し、家政学と工学の複合分野である本学科では、暮らしの営みと環境や社会との関係など、生活に根ざしたソフトな側面からの独自のアプローチも重視していること等が特徴といえます。

  • 建築系の学部に変わることで、入学後のカリキュラムでは理系科目の履修がさらに増えますか。文系でもついていけますか。建築士の受験資格は卒業要件ですか。

    現在の住居学科のカリキュラムも、卒業要件が建築士受験資格を満たしており、その点では新しい学科のカリキュラムは現在の住居学科の内容と大きくは変わりません。理系科目が大幅に増えることもありません。
    これまでも文系の学生も入学しており、建築家になるために必要な数学・物理も学科科目として開講しています。

  • 高校で物理を履修していませんが、入学後、授業についていけるでしょうか?

    本学科で必要とする知識は、学科科目として開講している「建築物理」(新しい学科では「建築数学物理基礎」として開講予定)や大学の教養科目で補えますし、学科科目の必要な箇所でも解説しています。大学に入学してからの意欲的な取り組みで問題はありません。

  • 住まいの環境やまちづくりに関心はありますが、将来、建築士になるか迷っています。建築士以外の進路はありますか?

    建築デザイン学部建築デザイン学科(仮称)では、卒業と同時に建築士(一級・二級・木造)の受験資格が得られますが、現・住居学科の状況を見ると必ずしも建築士になる卒業生ばかりではありません。
    本学科では、利用者および居住者の視点を重視して建築・都市・住環境などを捉えるため、子ども環境、福祉環境、まちづくり、防災・安全、環境共生、歴史・意匠から、建築設計・建築計画、建築構造・設備など、幅広い分野を学ぶことができます。
    その先の進路としては、建築設計および関連分野のほか、住宅メーカー、住宅設備機器メーカー、都市再生機構や都市開発(デベロッパー)、まちづくりコンサルト、行政、一般企業、など様々です。さらに独立して、国内ではもちろん国際的に活躍する設計事務所を主宰する卒業生(家政学部住居学科)も多いので、新学科でも同様の活躍を期待しています。

  • 建築士の受験資格は得られますか? また、合格率はどのくらいでしょうか?

    建築士(一級*・二級・木造)の受験資格は、工学部建築学科と同様、卒業と同時に取得できます。
    卒業後の受験となるために正確な合格率は把握していませんが、本学学生向けに開講されている生涯学習センターの二級建築士対策講座受講者の合格率は毎年40~60%程度と高い水準です(一般の合格率は25%程度)。一級建築士の合格率は全国平均で10~12%程度ですが、令和3年の家政学部住居学科卒業生の合格者は24名でした。
    建築士資格を取得したのちに建築家として活躍する卒業生も多く、各都道府県の建築士会では、木造・二級・一級建築士資格を持つ(家政学部住居学科の)卒業生が活発に活動しています。

    *:建築士法の改正(2020年)により、これまで一級建築士試験の「受験資格要件」となっていた実務経験が、建築士免許の「登録要件」に改められました。この改正により、本学科を卒業した者は、二級・木造建築士試験に加えて、卒業後すぐに一級建築士試験も受験可能となりました。

  • 建築士の他にどのような資格が取れますか?

    本学科の学びを通じてチャレンジできる資格には、「インテリアプランナー」、「インテリアコーディネーター」、「キッチンスペシャリスト」、「カラーコーディネーター」、「福祉住環境コーディネーター」などがあります(いずれの資格も試験の合格が必要)。
    また、まちづくりの仕事をするのに重要な「技術士」の資格を卒業後に取る人もいます。技術士は決められた分野での実務経験が問われる資格ですので卒業後すぐに受験はできませんが、住居学科の学びが役立ちます。
    さらに、住居学科では認定を受けていなかった「建築施工管理技士」、「建築設備士」の受験資格(実務経験の短縮)が得られるよう準備中です。
    その他、「博物館学芸員」などの資格も取得可能です。

  • 教職免許は取れますか?

    家政学部住居学科では「中学校一種(家庭)」、「高等学校一種(家庭)」の教職免許が取得できましたが、建築デザイン学科では教職課程申請を行わないため、教職免許は取得できません。

  • インテリアのデザインに関する勉強はできますか?

    インテリアデザインを本格的に仕事とするには、建物のつくりを理解する必要があります。建物の基礎を学ぶための科目の中にインテリアデザインの基礎に関わるものが多く含まれています。
    授業科目としては「インテリアデザイン」(2年次)という授業があります。「インテリア」と名のつく科目があることはいわゆる工学部系にある学科とは異なる特徴です。その他の関連科目として「バリアフリーデザイン論」(1年次)、「インテリアデザイン演習」「生活プロダクトデザイン」(3年次)などの授業があります。また、「形とデザインⅠ・Ⅱ」(1年次)、「設計製図Ⅰ・Ⅱ」(1年次)、「建築設計スタジオⅠ・Ⅱ」(2年次)などはインテリアデザインの基礎にもなっています。

  • インテリアプランナーの資格は取れますか?

    インテリアプランナーの学科試験は誰でも受験可能で、合格者は「アソシエイト・インテリアプランナー(准インテリアプランナー)」として登録することができます。設計製図試験は、学科試験合格者が受験することができます。なお、建築士(一級・二級・木造)資格保有者は学科試験が免除されます。インテリアプランナーと称するためには試験合格後にインテリアプランナー登録をしなければなりません。その登録のためにはインテリアに関する実務経験が必要になりますが、現・住居学科卒業生は「実務経験なし」で登録ができますので、新学科でもそのようになる見込みです。
    ちなみに、インテリアプランナーの資格は、二級建築士より“少し難しいレベル”と言われています。

  • インテリアプランナーやキッチンスペシャリストの仕事に興味があります。どのような就職先がありますか?

    インテリアプランナーやキッチンスペシャリストなどに関連した就職先として、住宅メーカーや関連リフォーム会社、住宅・建築設備関連の業態が挙げられます。それら業態の主な就職先は以下のとおりです。

    <住宅メーカー> 積水ハウス、ミサワホーム、大和ハウス、住友林業、三井ホーム、旭化成ホームズなど

    <リフォーム・リノベーション> 積水ハウスリフォーム、住友林業ホームテック、東京ガスリモデリング、三井不動産リフォームなど

    <住宅・建築設備> TOTO、LIXIL、クリナップ、タカラスタンダード、YKKAPなど

  • インテリアプランナーの資格とインテリアコーディネーターの資格はどう違うのですか?

    インテリアプランナーとは、国土交通省所管の(公財)建築技術教育普及センターが行う試験に合格し、登録を受けた者のことです。インテリアプランニングにおける企画・設計・工事監理を行い、インテリアに関する知識と技術に習熟した専門家として、住宅に限らずオフィス、店舗、ホテル、病院、学校など、建築の「インテリア空間」の設計に携わります。
    インテリアコーディネーターとは、(公社)インテリア産業協会の資格制度で、主に住宅の室内で使う家具やカーペット、床壁天井の仕上げなどをトータルに提案、アドバイスする専門家の資格です。

  • デッサンの授業は、絵の心得がないと難しいですか?

    特に心得がなくても難しくはありませんが、関心を持って楽しむ姿勢があるとよいでしょう。

  • コンピュータデザイン、CAD(キャド)、BIM(ビム)を学ぶことはできますか?

    2年次及び3年次に「コンピュータデザイン」の授業があります。コンピュータの基礎知識を身につけたうえで、建築におけるCG利用法や図形処理など、CADの基礎全般を学びます。
    設計演習系授業では、2年次の後半からCADを使った作品が多く見られるようになります。
    また、建築生産に関わる情報技術として、建築物をコンピュータ内で仮想的に構築するBIM(Building Information Modeling)が広く普及してきました。新しい学科の授業では、実際にBIMソフトウェアを使いながら、基本的概念と建物モデルの作成方法、各種シミュレーションへの展開等、BIMの基本技術を学ぶことを計画中です。

  • 専門性を高めるためには大学院進学を視野に入れるべきですか? 一級建築士登録のための実務経験を積みたい場合は、学部卒で就職する方がよいのでしょうか?

    大学院進学は、専門性を高め建築・都市開発関連業種への就職を有利に進めるための一つの選択肢です。また、一度社会で実務経験を積んだ後に大学院で専門性を高めるという方法もあります。
    大学院在学期間は、履修科目により一級建築士登録要件にあたる実務経験(1年または2年)にカウントされます。

  • 大学院への進学状況を教えてください。

    毎年、本学大学院をはじめ他大学の大学院にも10~20名が進学しています。
    2021年度は、本学大学院19名、東京藝術大学大学院2名、東京大学大学院1名、東京工業大学大学院1名、東京都立大学大学院1名の計24名。
    2020年度は、本学大学院9名、東京工業大学大学院2名、東京大学大学院1名、京都大学大学院1名の計13名。
    2019年度は、本学大学院9名、東京工業大学大学院2名、横浜国立大学大学院1名、東京藝術大学大学院1名の計13名。
    2018年度は、本学大学院11名、東京藝術大学大学院4名、首都大学東京(現 東京都立大学)大学院2名、横浜国立大学大学院1名の計18名。
    2017年度は、本学大学院10名、東京工業大学大学院4名、首都大学東京(現 東京都立大学)大学院2名、東京大学大学院、横浜国立大学大学院、兵庫県立大学大学院、静岡大学大学院各1名の計20名。

  • 在学中に留学はできますか?

    本学では、学部生を対象に在学中1学年相当まで留学ができる「協定大学留学」と「認定大学留学」の2種類の留学制度を設けています。家政学部住居学科の学生のうち、2011年度以降、協定大学留学をしたのは2021年度1名、2019年度1名、2017年度2名、2011年度1名です(認定大学の留学者はなし)。

    2000年以降の家政学部住居学科学生の留学先実績(協定大学は赤字)は、Lancaster University(イギリス), Marymount College of Fordham University(アメリカ), McGill University(カナダ), Mount Holyoke College(アメリカ), The University of Nottingham(イギリス), The University of Oregon(アメリカ), The University of Warwick(イギリス), The University of Melbourne(オーストラリア), Uppsala University(スウェーデン), Wellesley College(アメリカ), 梨花女子大学(韓国)などです。

    また、長期休暇期間中に大学公認海外短期研修が行われます。これまでの実績として「ヨーロッパ住宅・建築研修旅行〔イタリアなど〕」、「国際ハウジングワークショップ〔台湾・マレーシアなど〕」「スウェーデン海外研修(教育・保育・環境・ESD)」〔スウェーデン〕などの短期研修が夏季・春季休暇期間に行われています。

今後、随時、ホームページやオープンキャンパスなどで新たな情報を更新し、発表していきます。

2022年8月更新