Vol.18
馬場さんへ

馬場さんといえば、国語の授業で一生懸命ノートを書き込む姿を昨日のことのように思い出します。
教員や友達の言葉を、一言たりとも聞き逃すまいとするその姿。印象的なのはそのときの表情。それはまさに「勉強が楽しい!」の気持ちがにじみ出ていて、真剣さの中にキラキラとした充実感のある笑顔なのです。見ていてすがすがしいほどでした。
一生懸命であること。それは馬場さんの三年間を支えた信条だったのではないでしょうか。でも中学二年生で私が担任をすることになったとき、面談ではいつも、いろんな悩みを話すあなたを覚えています。いろんなことに挑戦し、壁に当たり、それを乗り越えようとするときの苦悩は、自分にしかわかりません。「どうして?」「どうしたら?」「今の私は?」「これからの私は?」など、自問自答する中で、じっくり時間をかけて、問題点を知り、自ら納得し、相手を慈しみ、大人になるための架け橋をつかんでいく様子を見て、とても感動したものでした。本校の理想の生徒像そのものでした。
じっくり考えること、その中で自己評価をするということは本当に難しいことです。他者と比較してしまったり、自分の良くないところが見えてきてしまうからです。そのとき一番大事なのは、じっくり腰をすえて力をため、自分の得意なことを認めてあげることです。小さな自信でもいい。それが必ず自分の大きな支えになるから。
馬場さんのご活躍する様子を伺うと、実直に勉強を重ねるという、大変得意だったことを大いに活かされているようです。大好きだった勉強をやめられないところが馬場さんらしくて本当に素敵だと思います。今度ぜひご飯でも食べに行きましょう!
国語科 河本