Vol.17
恵谷さんへ

私の記憶の中の恵谷さんは、「これでもかっ!」というほどの満面の笑顔で、楽しく学校生活を送る中学生です。本当にお久しぶりです。いただいた写真に写っている大人のあなたが、同じ笑顔であるのを見て、とても楽しい気持ちになりました。
生徒会と硬式テニス、そして勉強も、仲間と一緒に一生懸命に取り組んでいたことが印象に残っています。生徒会は私も担当していましたが、皆さんは、椎野先生(前校長)の高い要求に応えるべく、精一杯背伸びしながら、へこたれずに頑張っていましたね。ともすれば、「失敗しないように」「無理しないように」と考えてしまいがちな中学生が、まさに“未来のワタシ”として目指してほしい姿だと感じます。
その恵谷さんから届いた「感謝」という題のメッセージ。それを読んだ私が思うことも同じく「感謝」です。なぜなら、本校がずっと大切にしてきたこと、そして、私自身が長く勤める中で「女子校×附属校」の価値と感じていることが語られていたから。
子どもたちの自己の可能性の広がりと多様な他者への理解を阻害するのは、先入観だと思っています。そして、身近に存在する大きな先入観が、性別によるものです。「自分探し」「自分づくり」をする思春期を過ごす中高時代を、“女子フィルター”の無い環境で、純粋に“私”として考え、ふるまえることが女子校の価値です。そして、「自分」にたどり着く道のりが遠回りであることを厭わない、むしろ遠回りこそ大切、と時間と手間をかけるのが、あなたの母校ですよね、恵谷さん。
それを裏付けてくれる素晴らしいメッセージをありがとうございました。これからも笑顔でご活躍ください。
社会科 國澤