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2024/06/27

  • 未来のワタシ

Vol.17「感謝」

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 6年間を振り返ると学んだことは数え切れません。
 その中でも、社会に出てから特に感謝している経験と学びが2つあります。

 一つ目は、女子だけという環境で切磋琢磨できたからこそ、固定概念に捉われず、各々の個性を豊かに育むことが出来たことです。ジェンダーは個人を表す個性のたった一つにしか過ぎませんが、ジェンダーギャップ指数が世界146各国中125位である日本*においては、女性であるという事実の、その先のタレントを育む環境が充分ではないという課題があると考えております。
 そんな日本において、本校の世界では、個人にスポットライトを当てる舞台が用意されており、自分は何がしたいのか、どんな人間になりたいかを考える時間を存分に与えてくださり、結果として人生における選択肢を増やす土台作りをすることができました。
 卒業してから今もなお、個性豊かな友人が各々の魅力をさらに開花させて人生を歩んでいる姿を見ると、心の底から暖かく嬉しい気持ちになります。

 二つ目は、真剣にそして真摯に向き合うことの大切さです。
 硬式テニスクラブと生徒会総務では、とことん考え悩み、自分たちで答えを導き出す経験を積みました。この学校では、課外活動において答えやゴールを提示されることはまずありません。自らが仲間と考え決めていくのです。
 私自身も二つの自治活動で、チームを強くするため、そしてより充実した学校生活を皆が送るためにはどうすれば良いか、毎日毎日みんなで話し合いました。意見がぶつかることも多々あります。むしろぶつからない日はないでしょう。より良いチームを目指す上での答えや道のりは決して一つだけではありません。その時の環境やメンバー、個々人によって、そもそもの定義も異なるかもしれません。ですが、お互いが真剣に真摯に向き合うからこそ見える景色、分かり合える瞬間があることを学びました。ここで重要なのは、お互いリスペクトを持って向き合うことです。

 以上2点が当時の経験と学びの中で、私が社会に出てから特に感謝していることです。
 途中でそっと手を差し伸べてくださり、とことん話し合って出した結論を全力でサポートしてくださる本校の先生のような方は、社会に出てからはもしかしたらいないかもしれません。もしかすると、あの時の友人のように真剣に向き合ってくれる人も少ないかもしれません。それでもあの時の失敗した経験を糧に、当時の学びを信じ、一個人として、目の前の方と真剣にそして真摯に向き合えるようこれからも精進しようと、今改めて心に誓いました。

*出典:Global Gender Gap Report 2023
https://www.weforum.org/publications/global-gender-gap-report-2023/
世界経済フォーラム(WEF)が男女格差の現状を各国のデータをもとに評価する「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)のなかで、「ジェンダーギャップ指数」として評価を数値化しております。

59回生 恵谷洋子
(ゴールドマン・サックス証券株式会社)