Vol.16

　阿久津さんと初めて出会ったのは入学式の新入生代表として挨拶をする際の凛とした姿でした。私はその時、61回生の担任で壇上にいて「落ち着いていて、何て立派な新入生なのでしょう」と感心しました。一緒に過ごした中学3年間は皆、心も身体も大きく成長する時期で、日々様々なことがありましたが、自分の考えを貫き通す強さを持ちながらもどんな場面でも柔軟に対応できるしなやかさも備えていました。そして何か問題が生じた際にも解決策を見出す賢明さと冷静さは、周囲の生徒にも大きな影響を与えていたように思います。

　私が阿久津さんと大きく関わったのは中学3年生の生徒会総務での活動でした。この年の基本方針は『発信～素直な自分、素直な想い～』でした。誰もがありのままに、素直な自分を素直に発信していける学校にしていきたいと生徒会総務からたくさんの発信をしました。講演会を企画したり、ボランティア活動をしたり、他校の生徒とディスカッションをしたりと次から次へと出てくるアイデアに頭が下がる思いでした。総務9名と一緒に考えて、新しいことに挑戦し、たくさんのことを発信できたことは私の宝物です。そして卒業する時に心温まるメッセージを皆さんからいただいたことも大切な思い出です。

　今でも本校での学びを存分に活かしてご活躍の様子を伺い、とても嬉しく思っています。今後もあなたらしくその才能を伸ばし、さらなる成長を期待しています。また生田の山にお出かけください。お待ちしています。