Vol.12

石井さんへ

年間研究「カブトエビ」
年間研究「カブトエビ」

 「失敗したことをきっかけに…」という一節を読んだとき、「石井さんらしいな」という懐かしい気持ちになりました。

 私が教職に就いた年の中学3年生。最上級生の貴女は、生徒会総務の仲間とともに自治活動の中心を担って奮闘していました。“1年生”の私にも学校のことをいろいろ教えてくれましたね。新米教員には、貴女の悩みや苦労が見えなかっただけかもしれませんが、笑顔を絶やさずに励む姿に、私はただただ感心していました。

 石井さんは「失敗しない人」ではありませんね。どちらかというと、おっちょこちょいな面も。でも、貴女の「失敗」に後ろ向きなイメージはありません。努力をせずに失敗するわけではないし、失敗を「次」に繋げられるしなやかな強さを持っていたからだと思います。その強さの基はたくさんの「成功と失敗」の経験であり、それを積む機会が本校の「ありとあらゆるところにちりばめられていた」という言葉はとても嬉しいです。

 本校で育んだという「自ら課題を見つけ、考え、伝える力」。石井さんは「自らが解決したいと思える課題を見つける。その気持ちに正直に行動を始め、一生懸命考える。そこから得たものを皆に伝えて、分かち合いたい。どうすればうまく伝わるだろう? どうすれば皆で同じ課題に向き合えるだろう?」という風に、年間研究や日々の学習、自治活動に取り組んでいたように、私は思います。始まりに「~したい」があるからこそ、多くの機会を活かせたのだと思います。そして、この姿勢は今のお仕事にもつながっていますね。これからもどうぞ頑張ってください。

社会科 國澤