Vol.07

小松さんへ

とある場所に残る「落書き」
とある場所に残る「落書き」

 中学校3年間担任をし、クラブの顧問でもあり、年間研究担当であった私にとって、書くことがありすぎてお返事に何を書こうか迷ってしまいます。思い出すのは、何事にもいつも一生懸命に取り組んでいた小松さんの姿です。
 今でも実業団で活躍されているとのことですが、中高と硬式テニス部に所属していた小松さんは決してあきらめないことを信条としていました。とれそうにないきわどいボールであっても、最後まで追いかけてくらいつく……そのプレースタイルは、「小松で負けたら仕方がない」と皆に思わせるのに十分でした。
 そして、覚えていますか、年間研究の題。「教師について~楽しい社会の授業の作り方とは~」。歴史の授業案を作り、クラスで発表しましたよね。歴史担当であった私としては、生徒がこういう視点で年間研究をしてくれたことが嬉しくて、当時本人に了解を得てコピーをとりました。その中の「中学校の先生として大切なこと」という章に、「いつだって子供扱いではなく、厳しさと、少し助けてあげる優しさと、その2つが兼ね備わっている先生は、中学校の先生としては良い先生なのだと思う。」とあります。本当にその通り。中学生目線で書かれている、教員として忘れてはいけないことだと思います。

 ところで、本校のとある場所に写真のような落書きがあります。「厳しさと優しさ」を兼ね備えていた小松さんには多くのファンがいましたので、おそらく後輩の1人が書いたのだと思いますが、十年以上たった今でもひっそりと残っています。中高時代、運動会行事委員長としてだけではなく、常に「自念自動」を実践してきた小松さん。本校の教育方針としっかりむきあってきたその成果は、これからの人生で十分に発揮されていくことでしょう。そして多くの方々の中に残り続けていくはずです。
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社会科 峯岸