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2023/11/25
- 未来のワタシ
Vol.14「記者の仕事に息づく、再々々試とケーキの思い出」
再試、再々試、再々々試——。中学の思い出で真っ先に浮かぶのは数学の試験を何度も受け直したことです。確か、2次方程式の試験だったような・・・・・・。今でもたまに、数学のテスト返しの日のことを夢に見ます。当時は「理系に進まなければ関係ない」とふてくされたこともありました。しかし今は、「できない」「分からない」をそのままにせず、補習や個別での指導、再試験など根気強く指導してくださった先生に感謝しています。分からないことは恥ずかしいことではない、そして、どんなことでも粘り強く取り組めば道は開けるのだということを教えていただきました。
今、私は日経BPという企業で、Webメディア「日経クロステック」・雑誌「日経コンピュータ」の記者をしています。企業や専門家などに取材して、テクノロジーに関する記事を書き読者に届ける仕事です。ある意味、理系と文系のハイブリッドです。自分で下調べや勉強をしてから取材に行きますが、分からないことは山ほどあります。正確で読者に分かりやすい記事を書くために、腹に落ちるまで何度も取材します。記事にする物事について、自分がよく理解していなければ分かりやすく書けないからです。中学時代に学んだ物事に取り組む姿勢が、今に活きている実感があります。
働く中で上司に「記事にサービス精神がある」と褒められたことがあります。自分では特に意識していなかったことでした。思えば、これも中学・高校で培われたもののようです。
「誰かに喜んでもらえそうなことにかける熱量が高い」のが、本校の生徒の特徴です。中学校の卒業間近、同級生が私のためにお弁当とケーキをつくってくれたことがありました。休み時間に突然お弁当の設計図を持ってきて一言「あした麗のお弁当をつくるから、お弁当持ってこないでね!」。ごはんで私を模したキャラクターをつくり、ハンバーグや卵焼き、ポテトサラダなど盛りだくさんのおかずを入れた、愛にあふれたクオリティーの高いお弁当でした。そのキャラクターのケーキまでつくってくれて、ますます驚き、うれしかったことを今でも鮮明に覚えています。
こうしたうれしいサプライズに力を尽くす生徒がたくさんいて、日常的に周囲で行われていました。その環境で無意識にサービス精神が培われたのでしょう。改めて振り返ると、本校の三綱領「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」は特別に意識するものではなく、生活に根付いていたものでした。それ故に、無自覚で社会生活に活かせているのではないでしょうか。