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2023/03/31

  • 未来のワタシ

Vol.10「誰かのために全力に」

  • 中学生のワタシ
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  • 現在のワタシ
    現在のワタシ

 「自分以外の誰かのために当たり前に全力を尽くすこと」、中学校時代から先輩や先生方から受け継いだこの「習慣のバトン」を、次につなぐ存在になりたいと感じています。

 学生時代を振り返ると、結果以上に、そこに辿り着くまでの過程における思い出が印象に残っています。中学校に入学した際、剣道部の活動、運動会の応援団、十月祭行事委員会で、抜群のリーダーシップを取りながら私達1年生の言葉にも耳を傾け、同じ景色を見られるように輪の中に巻き込んでくださる3年生のその姿にとても憧れました。2年生は、惜しむことなく積極的にアイディアを出す、まさに参謀!忙しい3年生に迷惑がかからないようにと、1年生の私達を近いところでサポートしてくださいました。
 3年生になると、「みんなで目標を達成して喜びを共有したい!」そんな思いと責任感が自然に芽生え、できなかったことができるようになる後輩や、自分一人では考えつかないアイディアを形にしてくれる仲間たちの姿を見ることが自分の喜びとなり、新しい挑戦をする際の原動力になっていました。下級生の頃には見えなかった課題や、悩みも発生しましたが、下校時刻になってもなかなか帰らず、研究室に押しかけて質問攻めにする私達にも先生方は真剣に向き合ってくださり、当時の私の人生の大部分を占める、小さくて大きな目標を達成させようと、時間や心を配ってくださいました。

 日本女子大学を卒業し、現在は客室乗務員として国際線・国内線の乗務や、客室乗務員の規程策定に係る業務を担当しています。お客様やクルーとの一期一会の環境の中でフライトを作り上げる際に大切にしている、「決して自分の仕事に線を引かず、すべてのお客様に寄り添いたい、ともに働く仲間をサポートしたい、みんなのために何かできることはないかを考え続けたい」という思いの礎は、中学校で培われたことに間違いありません。

 中学校を卒業して20年が経ち、日本女子大学附属中学校の卒業生という共通点から生まれた多くのご縁が、私の毎日をとても鮮やかに彩ってくれていることを実感しています。何度振り返っても擦り切れることがない思い出をともに語れる仲間、後輩とわかると無条件にかわいがってくださる先輩方、誇れる先輩でありたいと思わせてくれる後輩たち、そしてご恩を返したい教職員の方々、そのすべての皆様に感謝を込めて。

55回生 松島 彩夏
ANA