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2025/09/10
- 校長より
「水の女王」(2025/09/10)
2学期が始まりました。夏休み中はクラブや委員会活動に加えて、チェルトナム・レディースカレッジやバンクーバーでの海外研修、1年生の軽井沢三泉寮生活、3年生の選択校外授業など様々な行事がありました。また、大学理学部のサマースクールをはじめとして、情報や美術科のワークショップなど、興味関心に基づいて自由に参加できる機会も多くありました。長い休みを挟んで久しぶりに再会した生徒たちは、友達と話が尽きないようで、活気溢れる日々が続いています。
そんな中、悲しい知らせが届きました。成田真由美さんがお亡くなりになったことです。
川崎市にお住まいであった成田さんは、同じ川崎市にある本校に何度か講演に来て下さったことがあります。最後に来て頂いたのは、コロナ前の2019年1月。生徒会総務の生徒たちが主催した講演会でした。その年の生徒会基本方針「Drive-日々是前進-」に沿って、生徒たちがその思いを体現しているような成田さんにお手紙を書き、実現しました。
病気を発症したご自身の中学生の頃の話、水泳との出会い、パラリンピックへの挑戦や、一人で車を運転してどこへでも出かけていくエネルギッシュな日々の様子などを伺いました。講演会の舞台上で、色鮮やかな車椅子を動かして見せながら「オシャレでしょ。どうせなら楽しく生きなくちゃ」と仰っていたことがとても印象に残っています。お話して下さるエピソードは、どれも「進み続ける勇気こそが人を変えてゆくのだ」と気づかせてくれるものであり、パワフルなご自身の人柄とも相まって、「とにかくやってみよう」と一歩を踏み出す意欲が高まるのを感じました。「次は東京パラリンピックを目指す」と力強く話し、瞳を輝かせていらしたことも心に焼き付いています。講演会後は、生徒達がパラリンピックのメダルを触らせて頂いたり、温水プールでの水泳部の練習に一緒に参加して下さったりと、楽しいひと時を過ごしました。
アトランタ大会から始まって6大会に出場し、数々のメダルを獲得したパラリンピックでの偉大な業績は言うまでもありませんが、若い人たちにご自身の経験から得た様々なことを伝えて、よりよい社会を築いていこうとする強い熱意に、何より私たちの心を打たれました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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生徒会総務作成プリント -
2019年1月 講演会 本校 成瀬記念講堂にて -
水泳クラブの練習にも参加してくださいました