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2025/02/06
- 校長より
「雲のあなたは春にやあるらむ」(2025/02/06)
立春も過ぎ暦の上では春となりましたが、まだまだ冬の寒さからは逃れられそうもありません。
昔の人も、春を待ちわびる気持ちは私たち以上にあり、たくさんの和歌が詠まれています。
雪の降りけるをよみける
冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ
(清原深養父 『古今和歌集』巻6 冬歌 より)
「冬なのに空から花が降ってくる。雲の向こう側はもう春なのであろう」という意味の歌です。雪を花に見立て、雪が降る様子を「空から花が降ってくる」と表現していて、言葉通りの世界を想像するととても美しい光景です。清原深養父は、昨年何かと話題になった清少納言の曽祖父で、中学生が学習する『百人一首』にも月を詠んだ歌(夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ)が収められています。
「春を待つ心」は、何故こんなにも人の心を揺り動かすのでしょうか。日々生活していると、楽しいことばかりではなく、哀しかったり苦しかったりすることも多いですが、春の光はそんな堅く閉ざされた氷の心を柔らかく溶かしてくれます。街中の全てのものが煌めいて見えて、私たちも知らず知らずのうちに、おおらかで優しい心に満たされる気がします。
受験生の皆さんは入学試験も終わり、辛かった受験勉強から解放されて、4月からの中学校生活への期待に胸を膨らませていらっしゃることでしょう。中学生たちも、クラス替えや学校を導く役割を担う最上級生としての刺激的な生活、高等学校への進学などその学年ごとに「弾む心」を抱きながら、まとめの学期を過ごしています。
そしてもちろん、新しい仲間となる新入生の入学も心待ちにしています。クラブや委員会活動、様々な行事を有意義なものにするために、一緒に練習したり話し合ってアイデアをまとめたりと、自分たちで何ができるかを共に考えていくことを、心躍らせながら待っているのです。新1年生のフレッシュで斬新な意見は、上級生たちの意欲を掻き立て、学校生活を活性化してくれることでしょう。
81回生となる皆さん、2月15日の新入生保護者会でお会いできることを、楽しみにお待ちしています。
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憧れのセーラー服、お楽しみに! -
在校生から想いが詰まったメッセージです -
新入生の皆さんにお会いできること、心待ちにしています